「ペットを安易に飼い、捨てる人が増えた」と怒りの声 保護団体に事実か聞いた
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- 出典
- 環境省
2020年2月頃から、これまでの日常は一変しました。2021年2月現在も続いている、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大が原因です。
『密』を避けるために政府が外出を自粛するよう呼びかけ、それによって多くの店や娯楽施設が臨時休業に。外出する人が減ったことにより、日本経済は大きなダメージを受けています。
外出自粛に加え、リモートワークの促進などで『ステイホーム』の時間が大幅に増加。そんな中、ある噂がネット上で流れるようになりました。
「家にいる時間が増えたことで、安易にペットを飼い、捨てる人が増えている」
その噂は事実なのか、埼玉県で保護活動を行っている保護猫カフェ『ねこかつ』の代表である、梅田達也さんにお話を伺いました。
梅田達也さん
【梅田 達也(うめだ・たつや)】
家族を探している猫と出会える『保護猫カフェねこかつ』の代表。同店舗の川越店と大宮日進店の営業者。
多頭飼育崩壊や飼育放棄された猫たちを保護し、店舗や譲渡会で猫の家族探しをサポートしている。
コロナ禍で保護活動が受けたダメージ
本日はお忙しい中ありがとうございます!
まずは、『ねこかつ』さんの活動を知らない人に向けて簡単な紹介をお願い致します。
『ねこかつ』は、いわゆる『保護猫カフェ』という場所です。
店内を見ていただくと通常の『猫カフェ』のようなのですが、ここにいる子たちは生きていく場所がなくて、保護された子たちです。
そのため、ここでは猫たちのシェルターとして、猫の新たな家族となる里親さんを探しています。
『ねこかつ』川越店の保護猫たち
譲渡会を行いながら、2013年から川越市や大宮日進店で『保護猫カフェ』を営業し始めました。
常時およそ250匹の猫を保護しながら活動をしています。
『ねこかつ』さんは2017年にもgrapeで譲渡会の様子を取材させていただきました。
ペットショップを併設している企業も多い、ホームセンターという場所で譲渡会を行う斬新な取り組みが話題でしたね。
2017年の譲渡会の様子
たくさんの人が集まっていて、多くの人が譲渡会に興味を持ってくれていることが、動物好きとして嬉しかったです。
とはいえ、今はコロナ禍ということで『密』を避ける必要があるなど、譲渡会をやるには厳しい状態ですよね…。
緊急事態宣言でほかでの譲渡会は中止になってしまったのですが、島忠ホームセンター(以下、島忠)さんは「これは集客のためのイベントじゃなく、動物を助ける社会貢献事業なので」と譲渡会を続けさせてくださったんです。
もちろん感染対策には気を付けた上で、「この活動を止めないようにしましょう」といってくださいまして。
現在、島忠さんでの譲渡会だけがコロナ禍で続いているという状況です。
え~!島忠さん、かっこよすぎますね…。
譲渡会のポスター(2021年2月現在のもの)
本当に島忠さんの熱意はすごくて、「この活動を止めたら保護できない動物が増え、殺処分数も増加してしまう」とお言葉をいただきました。
たとえば『ねこかつ』はおよそ250匹の猫を保護してますが、里親が決まらないとキャパシティの問題で次の猫を受け入れられないんです。
コロナ禍で動物保護活動はいろいろなダメージを受けているんですね。
『ねこかつ』さんの譲渡会では整理券を配布するなど、コロナ禍でも行えるよういろいろな工夫をしてらっしゃいますよね。
そうですね。島忠さんの主導で感染対策を行っていただいてます。
たくさんの人に来てもらいたい気持ちはあるのですが、社会情勢を考慮して整理券を配布し、検温や消毒を行った上でおよそ15分刻みで各回3組まで…といった流れです。
また、周囲に人だかりができないように柵を立てて『密』を避けるようにしています。
コロナ禍での譲渡会の様子
整理券で『密』を避ける環境に
ということは、整理券を持っていない人でも少し離れた場所から譲渡会の様子を見ることはできるんですね。
距離が遠くても「譲渡会ってこういうふうにやってるんだ!」と知ることができる人は増えそうです!
譲渡会は多くの人に存在を知っていただくことが大事なので、認知してもらえるのは嬉しいですね。
今は定期的に譲渡会を行うこともできるようになったので、店内に告知ポスターがある点も効果があると思います。
やはりコロナ禍で譲渡会に来てくれる人は減ってしまったのですが、それでも1回の譲渡会でおよそ10匹の里親が決まることもあります。
新しい『バーチャル譲渡会』という形
『ねこかつ』さんでは2020年5月からYouTubeのライブ配信で『バーチャル譲渡会』という取り組みも始めていらっしゃいますよね。
動画を拝見したのですが、スタッフの方の説明も分かりやすく、画面越しでも猫たちの性格や愛らしさが伝わってきました。
どのような経緯で『バーチャル譲渡会』を始めたのでしょうか?
2020年の2月頃にコロナ禍の影響で譲渡会がばったり止まってしまって…。店にもお客様が全然来なくなってしまったんです。
で、「これから店をどうしようか」と。
海外では動物にもコロナウイルスが感染したという話もあり、従業員と猫を危険にさらしてしまうのは避けたくて…。
そんな中、「なんとか1匹でもご縁につなげたい」という思いから、いろいろと思考を巡らせ『バーチャル譲渡会』を行うことにしました。
『バーチャル譲渡会』ではスタッフの方が猫の性格や保護された経緯なども細かく説明されていて、画面越しでもとても分かりやすかったです。
寝ていたり、オモチャで遊んでいたり、おやつを食べたりと、猫たちもリラックスしていたように感じました。
そうですね。譲渡会だと猫も緊張しているので、店内にいる自然な姿を見てもらうことができたと思います。
ただ、『バーチャル譲渡会』は保護猫に興味のある限られた人の目にしか入らないデメリットもあります。
先程もいったように、譲渡会っていうのは「こういう活動があるよ」「こういう状況の動物がいるよ」と知ってもらうことが目的なんです。
リアルの譲渡会、『バーチャル譲渡会』ともに長所と短所があるので、コロナ禍が明けても両方続けていきたいと思っています。
梅田さんと島忠の「なんとか1匹でも多くのご縁を結びたい」という強い想いによって続いている、コロナ禍の譲渡会。
次ページでは、本題である噂の真相についてお聞きします。