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500年の伝統のよさが分かる!まさかの『能面型お菓子』

By - grape編集部  公開:  更新:

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本記事は、grape Japan編集部の外国人記者により掲載された記事の内容を、日本語に再編集してお届けするものです。

日本の古典舞踊劇である能は、現存する演劇芸術の中でもっとも長い歴史を持つとされています。

能は、簡素な舞台上で能面をつけた役者が、幽霊や神、鬼などの物語を演じる、パワフルで独創的なもの。

地域によっていくつかの流派があり、その1つが『黒川能』です。

国の重要無形民俗文化財に指定されており、室町時代に山形県鶴岡市の黒川地区で盛んに演じられました。

黒川能は神事能で、氏子によって同地区にある春日大社に奉納されており、2022年現在も旧正月にあたる2月1日と2日に行われる『王祇祭(おうぎさい)』で見ることができます。

黒川・能面菓子『能面もろこし』

『黒川能』を実際に見る機会があれば、ぜひおすすめしたいもの。

もし直接観ることが叶わずとも、映像で学ぶことも可能です。

YouTubeで『黒川能』というキーワードで検索すると、いくつか動画がヒットすることでしょう。

また、能面の形をした和菓子『能面もろこし』をお土産にするのも、この独自の伝統を味わう方法の1つです!

『黒川能』で使用される能面の総数は230面。その中から9面が選ばれ、ユニークなお菓子『能面もろこし』ができました。

『もろこし』とは、小豆の粉と砂糖で作られた、秋田県を代表するお菓子のこと。

『能面もろこし』では、それらの素材に、黒川地区に自生する山椒(さんしょう)を加えています。

抹茶と一緒にいただくと、ほのかな刺激が感じられますよ。

実際に注文してみたのは、9個入りの『能面もろこし』。

箱を見ると、黒色とワインレッド色を背景に、般若(はんにゃ)のお面がこちらを睨んでいて印象的ですね…。

中に入っていたしおりでは、『黒川能』の歴史や、9つのお菓子の元となった、お面の写真などが紹介されています。

上段左から:小面(こおもて・若い女性)、般若(はんにゃ・嫉妬深い鬼女)、父尉(ちちのじょう・老人)

中段左から:小癋見(こべしみ・地獄の鬼神)、白式尉(はくしきじょう・老体の神)、猩々(しょうじょう・酒好きの架空生物)

下段左から:乙(おと・醜女)、賢徳(けんとく・あらゆる人外の役で使用)、獅子口(ししぐち・霊獣)

お菓子は1個ずつ包装されていますよ!

『能面もろこし』の細部に注目

最初に試食したのは、『父尉』。包装を外して食べると、小豆の粉と砂糖のザクザクとした食感がよく分かります。

包装を外した時の写真がこちら!

「あ~、極楽極楽」

おじいさんも、新鮮な空気を楽しんでいるように見えますね。

箱に置くと、湯船に頭を出して、お湯に浸かっているように見えます。なんてリラックスしているのでしょうか。

『乙』は、プラスチックの包装が、ベビー服のフリル襟のようにも見えますね…。

「誰が赤ちゃんですって?」

あらら、『乙』を怒らせてしまったみたい…。

お面の精霊に寝込みを襲われる前に、食べてしまいましょうね!


[文・構成/grape編集部]

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