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「子供の絵、捨てたくない!」 保存のため、母が気合で作った『モノ』がすごかった

By - キジカク  公開:  更新:

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※写真はイメージ

キッチンツールや清掃用具など、100円ショップでよく見られる便利なアイテム。

中には一般の主婦によって考案された商品があることをご存知でしょうか。

ひょんなアイディアから生まれた商品が、億万長者につながったというドリームストーリーもしばしば聞かれます!

そこで、2022年10月に開催されたコンクール『身近なヒント発明展』に注目してみました。

大賞を受賞した人へのインタビューも踏まえて、レポートしたいと思います。

ヒット商品が生まれる!?『身近なヒント発明展』とは

『身近なヒント発明展』とは、発明やアイディアをサポートする『発明学会』が主催したコンクールのこと。

主婦のアイディアが最も商品化されやすいコンクールとして知られています。

過去にはなんと特許料で3億円を稼いだヒット商品も生まれているのだとか。

2022年で26回目を迎える『身近なヒント発明展』。

同年は10月7日~10月9日まで開催され、このたび栄えある大賞が決定しました!

『発明学会』によると、今回はなんと61社の企業の社長が1239件の応募用紙を審査したとのこと。

さて大賞に輝いたのはどんな発明品なのでしょうか…!

今回、見事1239人の頂点に輝いた発明品は、なんと3児の母親が考案したアプリ『ASHIART(アシアト)』。

子供の絵を気軽に保存できるアルバムのような使い方ができるメモリアルツールです。

幼稚園で描いてくる子供の絵や手紙が家にあふれ、収納に困った発明者が、「子供の作品を捨ててたまるか!」という気合いでアプリを考案したのだとか。

このアプリのホーム画面がこちらです。

『アシアト』スクリーンショット

このアプリさえあれば『いつ、誰が、どこで、何を』作ったのかが一目瞭然ですね。

2022年の12月中旬より『Apple Store』や『Google Play』でダウンロードが可能な本アプリは、すでに、日本のものづくりを支える企業『三陽プレシジョン』の小島裕司社長の目に留まり、商品化検討のオファーを受けているそう。

今後たくさんの人がこのアプリを利用できるといいですね!

発明学会の事務局長である松野泰明さんは、応募者に向けて「今まで生きて得てきたものが決してムダにならないのは、発明の世界でも同じこと。前向きに家事や育児、仕事に向き合ってきた人にとってはなおさらです」とコメント。

確かに、「わが子がふと道に描いた落書きまで残しておこう」なんて考えるのは、育児に真摯に向き合ってきた母親ならではのアイディアかもしれません。

『アシアト』スクリーンショット

受賞者にインタビューを敢行!

『アシアト』の考案者である山極尊子(やまぎわ・たかこ)さんにインタビューをしてみました!

――発明コンクールに応募しようと思ったきっかけは?

2021年にテレビで発明主婦の特集をやっていたのを見て、「発明って面白そう!」と思ったのがきっかけです。

発明についてネットで調べたら、偶然『身近なヒント発明展』が開催されることを知り、家族で足を運びました。

そこでたくさんの発明品を見て、「2022年は絶対に応募するぞ!」と心に決めました。

――そこからすぐアプリを開発を?

いいえ、そこからアプリ開発まではとても長い道のりでしたよ。

発明についての本を読み漁り、日常の不便なことを見つけては試作品をつくり、1時間3000円を払って弁理士に「これは発明になりますか?」と聞く日々が続きました。

――大変そう…。今までつくってきた商品は?

『粉ミルク用スプーン』『文字が消えないホワイトボード』『離乳食がすくいやすいスプーン』『子どもの身体がふけるバスガウン』など…。とにかく夫が驚くほど部屋を散らかしながら作り続けました。

子供たちは「ママが夜な夜な工作をしている」と思い込み、隣でマネして段ボールを切り続けていましたよ。

――すごい熱意!大賞をとったアプリを思いついたきっかけは?

子供たちが毎日絵や工作をしているのを見ていたら、「捨てるのはやはりもったいない」と思ったのです。

前からそういう気持ちはあったのですが、部屋が狭いのでしまいっぱなしにして、結局、管理が悪くてボロボロになっていました。

しかし、恐ろしいほど失敗して発明のコツも分かってきたところだったので「作品を残すためにはどうしたらいいのか」と考え、「そうだ!アプリだ」と思いつきました。『発明と日常の不便さ』がつながった瞬間です。

――アプリはどうやって開発した?

開発といっても外注なのです。アプリ開発者を自力で探し出しました。

その人と二人三脚で頑張りましたね。

とても優秀な人ですが、独身の男性ということもあり、私の頭の中にあるイメージや子育てママの不便さをアプリに反映させるのは簡単なことではありませんでした。

子供が初めて描いた図形の『〇』さえもとっておきたい気持ちは、私も親になってみて感じたことなので…。

『アシアト』は2022年5月からアプリ開発者の彼と千通を超えるやりとりをして完成させたものです。

彼も大変だったと思います。受賞後に初めてお互い顔を合わせ、大賞の喜びを焼き肉店で分かち合いました!

『アシアト』スクリーンショット

――大賞を受賞したときの気持ちは?

受賞の電話がかかってきた時、嬉しさのあまり泣きながらそばにいた両親をきつく抱きしめました。親と抱き合ったのは何十年ぶりじゃないでしょうか。

個人的には子供に発明を通して、私の奮闘する姿や、あがく姿など『大人の喜怒哀楽』を見せられたことは大きかったと思います。

子供たちには「失敗をしてもいいんだ」と気付いてもらいたかったのです。

結果的には、大賞を受賞したことで「頑張れば結果に結びつくこともある」と肌で感じてもらえたのかもしれません。

山極さんは今回の発明コンクールに8作品を応募して、1作品が大賞を受賞。うち5作品は上位200位以内残ったそう。これらはさらに改良して商品化に近づけるそうです。

山極さんが『身近なヒント発明展』でもらった賞状

『発明学会』の松野さんいわく、自分の家事を楽にするために手作りして使っていた発明品が、コンクールを通して企業に採用された人もいるのだとか。

思わぬところで世間の役に立てる発明の世界。普段から感じているモヤモヤの中にも、ビックビジネスに繋がるチャンスが隠れているかもしれませんよ!


[文/キジカク・構成/grape編集部]

出典
一般社団法人 発明学会

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