母の介護をする男性 服薬に苦戦する様子を見て、ひらめいた『人気商品』とは?
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毎日健康を意識してサプリメントを飲んでいる筆者。実は大人になった今も錠剤を飲むのは少し苦手で、「薬がノドに引っかかるな…」と思っていました。
そこで、以前テレビで紹介されて気になっていた『おくすりこくり』という商品を購入。
同商品は片手で薬と水を同時に飲める錠剤服用コップなのです!
幼い子供から高齢者まで使えるそうで、どんな感覚で薬がノドに入っていくのか気になるところ…。早速、使用感を試してみたいと思います。
裏面には使用方法がイラスト付きで書かれていました。
説明書によると、まず『錠剤ポケット』という少し凹んだ部分に錠剤を入れ、コップ本体にはめ込みます。次に、注水口から水を入れましょう。
後は水を飲むようにコップを傾ければ、水と一緒に錠剤が口に入ってきて、簡単に服用できるとのことです。
普段飲んでいる長さ1.5cmの錠剤を3つ入れてみましたが、すっぽり入りました。
錠剤を上手に飲むコツは、水を飲むようにして錠剤をあまり意識しないこと。
実際飲んでみると、あら不思議!大きいと思っていた錠剤がノドにつっかからずに入りました。「まさに新感覚」という感じです。
ちなみ小学1年生の娘にも丸いビタミン剤を2粒飲ませてみましたが、「あっという間に薬が消えた!」といっていました。
あまりにもスムーズに飲めて、本人は飲み込んだことさえ気付かなかったようです。
娘は普段1粒ずつ飲んでいるので、一度に2粒飲めたことに驚きました。これは薬を飲むのが苦手な子供にもおすすめできそうです。
フタ付きの錠剤服用コップなので、寝る前に服用する時も中身がこぼれずに寝室に運べて便利でした。
至るところに思いやりが散りばめられている同商品。どんな人が発明したのか気になりますね。
発明者である岸本豊彦さんに、開発秘話など気になることをインタビューしました!
発明のきっかけは両親の介護生活
―この商品を発明したきっかけは?
両親を介護したことがきっかけです。母親は薬をたくさん飲んでいたのですが、服薬する際はいつも手のひらから薬を落としてしまうんです。
また、薬が舌の上で溶けて苦味を感じることもあるようで、「これらの問題を解決してあげたいな」と思い、商品を作ることに決めました。
―完成までの道のりは大変だった?
本当に試行錯誤を繰り返しました。いろいろと考えて、水を飲むと同時に、錠剤が口に入る構造をひらめいたのはいいのですが、なかなかうまくいかず…。
市販のコップを切ったり穴を開けたりして、試作品を作り続けました。
『一般社団法人 発明学会』主催の発明コンクール『身近なヒント発明展』で商品を紹介する岸本さん
―商品を販売して嬉しかったことは?
片手で服用ができるため、手が不自由な人でも自分ひとりで簡単に錠剤を飲めるようです。
だからこそ子供や、お年寄りだけでなく、手先が不自由な人にも大変喜んでいただいています。
その後、『自分で薬が飲める』という自立生活を支える商品である点が評価され、『かわさき基準(KIS)』(※)にも認定された『おくすりこくり』。
※高齢者や障害のある人が自立を目指せる福祉製品のあり方を示した、神奈川県川崎市の独自基準。
子供が喜んでくれるように『くまもんバージョン』も発売されたそうです。
くまもんバージョンの『おくすりこくり』
「アイディアは愛である」と取材中に語っていた岸本さん。
「服薬に苦しむ人を助けたい」という岸本さんの愛から生まれた商品であることを感じられるでしょう。
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[文/キジカク・構成/grape編集部]