祖母を置いて逃げた…震災の傷あとに苦しむ女の子へ、心療内科医の言葉 By - grape編集部 公開:2016-01-30 更新:2018-05-26 新聞東日本大震災 Share Post LINE はてな コメント 読売新聞の「人生案内」欄には、人生についての相談と、専門家からの回答が連載として掲載されています。 東日本大震災から5年経ち、ひとつの投書が注目を浴びています。掲載されたのは、震災の年の6月ごろのようです。 タイトルは「祖母を置き逃げた自分呪う」。大学生の女の子の相談に対し、心療内科医が回答しています。 掲載されていたのはこのような内容です。 女の子からの相談 (津波から)私は祖母と二人で走って逃げていた。祖母は途中で走れなくなり、おぶってあげると言っても頑なに拒み、先に行けと言う。 私は一人で走って逃げた。 3日後、祖母は遺体で発見された。気品があって憧れていた祖母は、魚市場の魚のように体育館に転がされて、人間の尊厳などない姿だった。 祖母を見殺しにした自分を、一生呪って生きなくてはならないのだろうか。毎日が苦しい。 心療内科医からの回答 祖母を見殺しにしたとは、私は思えない。 おばあさまは、背中におぶさったら二人とも助からないと考え、自分の意思であなたを先に行かせた。その判断力のおかげであなたは生き抜いた。 人はどんな姿になっても尊厳を失ったりしない。おばあさまは誇りをもって人生をまっとうされた。その素晴らしさはあなたの中に受け継がれている。 おばあさまが生きていたらかけたい言葉、してあげたいことを、今周りにいる人にしてあげてほしい。それが憧れだったおばあさまの心を生かす道。 この回答者の心療内科の先生は相談者に対しての目線がすごく好ましく感じるこの相談者の女の子が今は心おだやかであることを願う pic.twitter.com/zZkpovvXjW— ものの腐ごりえ@ティア115「ぬ01a」 (@gorie666) 2016, 1月 25 この相談を見た人々からは、先生の回答が素晴らしい、との声があがりました。見て早々、涙してしまった…とも。 @gorie666 @yutaro_today 私もこの新聞記事はスクラップしてます。読み返し、悲しみがいつか彼女の力に変わりますようにと、改めて祈りました。— さわ。 (@115secca) 2016, 1月 25 @gorie666 @good39s 沢山の人の思いが、その女の子に届きますように— kiyoyo (@kiyoyo0212) 2016, 1月 25 @gorie666 @yki2twinkle2tse 泣いてしまった…。この心療内科の先生に話を聞いてもらえて良かっただろうな。— うさうさぎ (@niconicousagi1) 2016, 1月 27 回答を見て、女の子の心が安らかになったことを願わずにはおれません。 「人生案内」は、辛い時に見返すと力になると、心に響いたものを切り抜いてとっておくという人も多いそうです。書籍にもなっていますので、迷ったときに「こんな見方もあるのか」と気づきを得る道しるべとして、手に取ってみてはいかがでしょうか。 きょうも誰かが悩んでる – 「人生案内」100年分 出典 @gorie666/@115secca/@kiyoyo0212/@niconicousagi1 Share Post LINE はてな コメント
読売新聞の「人生案内」欄には、人生についての相談と、専門家からの回答が連載として掲載されています。
東日本大震災から5年経ち、ひとつの投書が注目を浴びています。掲載されたのは、震災の年の6月ごろのようです。
タイトルは「祖母を置き逃げた自分呪う」。大学生の女の子の相談に対し、心療内科医が回答しています。
掲載されていたのはこのような内容です。
女の子からの相談
(津波から)私は祖母と二人で走って逃げていた。祖母は途中で走れなくなり、おぶってあげると言っても頑なに拒み、先に行けと言う。
私は一人で走って逃げた。
3日後、祖母は遺体で発見された。気品があって憧れていた祖母は、魚市場の魚のように体育館に転がされて、人間の尊厳などない姿だった。
祖母を見殺しにした自分を、一生呪って生きなくてはならないのだろうか。毎日が苦しい。
心療内科医からの回答
祖母を見殺しにしたとは、私は思えない。
おばあさまは、背中におぶさったら二人とも助からないと考え、自分の意思であなたを先に行かせた。その判断力のおかげであなたは生き抜いた。
人はどんな姿になっても尊厳を失ったりしない。おばあさまは誇りをもって人生をまっとうされた。その素晴らしさはあなたの中に受け継がれている。
おばあさまが生きていたらかけたい言葉、してあげたいことを、今周りにいる人にしてあげてほしい。それが憧れだったおばあさまの心を生かす道。
この相談を見た人々からは、先生の回答が素晴らしい、との声があがりました。見て早々、涙してしまった…とも。
回答を見て、女の子の心が安らかになったことを願わずにはおれません。
「人生案内」は、辛い時に見返すと力になると、心に響いたものを切り抜いてとっておくという人も多いそうです。書籍にもなっていますので、迷ったときに「こんな見方もあるのか」と気づきを得る道しるべとして、手に取ってみてはいかがでしょうか。
きょうも誰かが悩んでる – 「人生案内」100年分