society

日焼け止めでプールの水が汚れる? 小児皮膚科学会の『見解』に「え、知らなかった」

By - grape編集部  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

※写真はイメージ

多くの地域で6月頃より開始する、学校でのプールの授業。

5~8月にかけては紫外線の強さがピークを迎えるといわれていますが、学校によって、日焼け止めクリームの使用を巡る対応が分かれており、議論を呼んでいます。

日焼け止めクリーム禁止のルールも

学校における日焼け止めクリームの取り扱いについては、ネット上で次のような声が多く寄せられていました。

・「プールの水が汚れる」という理由で使用が禁止されている。

・家でつけてくるようにいわれた。持参は禁止されている。

・使用OKとはいわれていないけど、黙認されていると思う。

ちなみに、筆者の子供が通う小学校では、「水泳学習に関係のないものは身に付けない」としつつも、日焼け止めクリームについては、心配な場合は個別に相談してほしいという対応でした。

多くの学校現場では、日焼け止めクリームを塗った状態でプールに入ることによる水質の悪化や、持参することで子供同士の貸し借りのトラブルにつながるといった懸念から「できれば使用させたくない」「使用について触れたくない」といったジレンマがあるようです。

日本小児皮膚科学会の見解は?

大人は紫外線を浴びすぎると、シミができやすくなるなど肌によくないとされていますが、子供においても、紫外線対策は必要なことなのでしょうか。

日本小児皮膚科学会が児童の保護者、学校の教員に向けて公開した『統一見解』では、次のように紫外線対策の重要性がつづられていました。

紫外線対策は美容目的だけではありません。不必要に過剰な紫外線に曝露されることにより、健康にさまざまな悪影響が生じます。

子どもの時から適切な紫外線対策を行うことは、生涯にわたり健やかな肌を保つために大切な生活習慣の一つです。

日本小児皮膚科学会 ーより引用

紫外線をたくさん浴びすぎると、シワやシミなどの皮膚老化を早めるだけでなく、将来、皮膚ガンを起こしやすくなったり、目の病気を起こしやすくなったりと、健康にさまざまな悪影響が生じるとのこと。

そのため、子供も日常的な紫外線対策をする必要があるでしょう。

さらに、この統一見解では、学校のプールの授業について「最も肌を露出し、紫外線の影響を受け易いので、紫外線対策は重要」とし、次のような対策をすすめています。

1)時間を工夫する
紫外線の強い時間をなるべく避けましょう。

2)場所を工夫する
室内プールの利用、プールの上に天幕を張るなどして泳ぐ時の紫外線を防ぐのが理想ですが、プールサイドにテントを用意すれば、泳がない時の紫外線から肌を守ることができます。

3)服で覆う
プール外での体操着の着用や、泳ぐ時にラッシュガード*を着用するのも紫外線防御に役立ちます。

*ラッシュガード:紫外線防御、擦り傷から肌を守ることを目的としてプールやマリンスポーツ時に着用する衣類。身体にフィットして濡れても大丈夫な素材でできたTシャツのようなもの。

4)サンスクリーン剤を上手に使う
 プールの水質汚濁が懸念されていますが、耐水性サンスクリーン剤を使用しても汚濁されないことは複数の実証実験で明らかになっています。 必要な時には使用を許可しましょう。塗る時間は午前の授業であれば通学前に自宅で、午後の授業であれば昼休みに場所を決めて塗るようにすると時間の無駄がなくて良いでしょう。

日本小児皮膚科学会 ーより引用

紫外線の強い時間帯を避けたり、ラッシュガードの着用で露出を少なくしたりなどの対策を勧めるほか、日焼け止めクリームの使用については、「プールの水質が汚濁されないことが実証実験で明らかになっている」と明記しています。

日本小児皮膚科学会の見解を見ると、プールの授業での日焼け止めクリーム使用は必要なことだと感じられます。

しかし、学校現場においては、さまざまな事情や懸念が予想され、正式に導入するには考慮すべきことも多いため、国が主導してガイドラインを整備していく必要があるかもしれません。

子供たちの健康を守るために、家庭の中だけでなく、教育機関も協力して紫外線対策を講じていくことが求められています。


[文・構成/grape編集部]

ダルビッシュ有選手の画像

ダルビッシュ有が日本に帰国 向かった先は…?2024年11月12日、メジャーリーグの『サンディエゴ・パドレス』に所属するダルビッシュ有選手が、自身のブログを更新。日本に一時帰国していたことを明かしました。

火野正平の写真

俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。

出典
日本小児皮膚科学会

Share Post LINE はてな コメント

page
top