鎌倉の住宅地で見かけた看板 書かれたひらがな4文字を見て…「買ってみたくなった」
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商店街に行けば、青果店や精肉店、鮮魚店などの個人商店が立ち並んでいるでしょう。
店ごとに個性が表れており、外観を眺めながら通りを歩いているだけでもワクワクしますよね。
なんでも、神奈川県鎌倉市にある鎌倉駅の近くに、少し風変わりな個人商店があるようで…。
看板に書かれた4文字のひらがな、その意味とは?
多くの神社仏閣などの歴史的遺産があふれる鎌倉エリア。
源頼朝(みなもとのよりとも)とゆかりの深い神社として知られる鶴岡八幡宮の近くにある、『大蔵頼朝商店会』には、昔ながらの個人商店が軒を連ねています。
『大蔵頼朝商店会』にある住宅地に足を踏み入れると、ある4文字のひらがなが書かれた、白色と青色の看板が目に留まりました。
『えしかる屋』の看板。ビビッドな水色が目を引く
えしかる屋
何が売っているんだろう…。
一見するとゲームに登場する呪文のように思える『えしかる』という4文字。
カタカナにすればきっと意味が分かるでしょう。そう、近年よく耳にするようになった、英語で『倫理的な』を意味する『エシカル』という言葉が、ひらがなで記されていたのです。
『えしかる屋』は、『エシカルを日常へ』をテーマに、フェアトレードやオーガニック、廃棄物再利用のサステナブル素材などの服や小物、日用品、食品を世界・日本各地から取りそろえているといいます。
なぜ、このような店名にしたのでしょうか。気になった筆者は、『えしかる屋』プロデューサーの稲葉哲治さんに話を聞いてみました。
『えしかる屋』が位置する『大蔵頼朝商店会』に青果店や精肉店、鮮魚店などが立ち並んでいることから、『エシカル』を肉や魚などと同じように、1つの商品カテゴリーとしてとらえられないかなと思い、ふと『えしかる屋』という店名が浮かびました。
「ここなら『エシカル』にまつわるものならなんでも売っているだろう」と思ってもらえることを狙った店名にしています。
ネーミングには、店舗の立地が大きく関係していたのですね。
鎌倉市に拠点を置いて、観光客もウワサを聞きつけてふらっと訪れるような場所に育っていった『えしかる屋』。
今では、国内のみならず世界各国からさまざまなエシカル商品を取りそろえ、取り扱いのあるブランド数はなんと200を超えるとか!
入店すると目に飛び込んでくる、好奇心を刺激する商品の数々
『えしかる屋』は2024年12月現在、アルバイトなどは雇わず、店主の黒崎りえさんのみで営業しています。
稲葉さんは、NPO(非営利団体)が運営していた、『えしかる屋』の前身となるセレクトショップ『エシカルペイフォワード』で、バイヤー兼宣伝担当、イベント企画担当として関わっていたといいます。どのような経緯で、黒崎さんと出会ったのでしょうか。
2016年4月2日に、『エシカルペイフォワード』の開店を記念したイベントをした際、遊びに来てくれた人たちの中に黒崎さんの娘さんがいました。イベント終了後に運営メンバー内で「今後店をどうするか」といった話が出たんです。当時の運営メンバーはみな平日に仕事をしながら活動していたので、平日の店番を任せられる人がいなくて。
そこで、その場にいた娘さんが「私のママ、ヒマだからこういうの好きだと思う」といってくれて。それを機に、黒崎さんに「店員として働いてみませんか」と提案したのが最初の出会いですね。
本当はヒマではなかったんですけどね(笑)。私は当時、ドラマの脚本などを書く仕事をしていて、ずっと家にいたからそう見えたのかもしれません。
店番なら、書く仕事をやりながらでもできるかなと思って引き受けました。書く仕事のネタ探しにもつながるし、一挙両得のような感覚でしたね。
店主の宮崎りえさんと、プロデューサーの稲葉哲治さん
『エシカルペイフォワード』の開店から約4年、惜しまれながらも2020年に閉店。
しかし、2人の「エシカルショップを続けたい」という想いから、後身となる『えしかる屋』が、2021年1月に鎌倉市にオープンしたのです!
2人の想いが形となって誕生した『えしかる屋』。店頭に並べる商品は、1つずつ吟味しているといいます。
僕たちは、ブランドをやっている一人ひとりとしっかり顔を合わせて、面談をしているんですよね。これまでに100人超くらいとは会っています。
1人で10〜20個の商品を抱えている人もいますが、1人で1アイテムしか持っていない場合でも、ものがよければ店頭に置いてみることはありますね。
インタビュー中、業者から店頭に置く用の商品が届く場面も
また、商品を売り込みにきた人に対し、厳しい言葉をかけることもあるとか。「ただ流行っているから」という理由で作られた商品には、作り手の想いが感じ取れないことが多々あるようです。
「ブランドをやっている人の自我や想い、表れた世界観こそがまさに作り手の『顔』だと思っています」と、稲葉さんは語ります。
認知度の低いブランドものを客に手に取ってもらうためには、まず作り手の想いや完成までのストーリーをしっかりと伝えることが鍵となることも。
これまで商品を売り込みにきた人の中には、インドの『ニッチな技術』を熱弁してくる人もいたようで…。