土用の丑の日、うなぎが大量に売れ残り 絶滅危惧種を廃棄する現実
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夏の風物詩、土用の丑の日。この日は「う」が付くものを食べるといいとされ、スーパーなどの小売店や飲食店ではうなぎを大売出し! 日本のイベントとして根付いています。
しかしニホンウナギは絶滅危惧種に指定されている贅沢品…。にもかかわらず、です。スーパーでこんな光景が目撃されました。
たくさんの売れ残りに、値引きシール。この写真が投稿されると、Twitterには「仕入れすぎ、もったいない」「売れ残るくらいなら、この時期にうなぎを売り出すのをやめてほしい」などという声が上がりました。
似たような光景が、節分の日に恵方巻でも見られました。
そもそもなぜ夏にうなぎを食べるようになったかというと、江戸時代までさかのぼります。うなぎの旬は実は夏ではなくて、冬。夏のうなぎはあまりおいしくはなく、売りづらいことをうなぎ店は悩んでいました。
そこで平賀源内がひらめいたアイディアが「土用の丑の日にうなぎを食べると良い」と貼りだすこと。諸説あり真実かはわかっていませんが、元々売る側の仕掛けた戦略だったようです。
NHKの調査では、「2015年の土用の丑の日にうなぎを食べた」人は46%と半数を割ったそうです。一日だけに集中して売り出そうとする商業的な戦略は、もはや時代に即していないのかもしれません。
土用の丑の日に大量のうなぎを仕入れ、売り切ることが出来なければ、廃棄。絶滅の危機に瀕している生物への扱いがこれではよいのでしょうか。そもそも、絶滅が危惧されるのには乱獲が原因の一つにあるのです。
うなぎは日本人にとって貴重な食文化です。流通のさせ方が従来のままでは、大事な文化が途絶えてしまうという哀しい事態になるかもしれません。