標高2000mに取り残された遭難者 ヘリの操縦を志願した民間人が見事に救出成功!
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断崖絶壁に取り残された遭難者。
救助を専門とするプロの操縦士でも諦めざるを得ない状況でした。
そんな過酷な状況下にある遭難者を、民間航空会社に所属する操縦士が救助するという奇跡のような出来事が注目を集めています。
山岳救助のプロですら手を出せない難しい状況
ルーマニアのカルパティア山脈。
遭難したのは40台半ばの女性登山者。
40代半ばの女性登山者が30m滑落し、標高2000m付近で身動きがとれなくなってしまいました。
連絡を受けた山岳救助隊がヘリで出動しますが、遭難者がいるのは垂直に切り立った崖の途中。
ヘリが近づき、万が一、プロペラが岩に接触すると、墜落の可能性もあります。また、谷から吹き上げる強風の影響でヘリを安定させることも難しい状況でした。
ヘリは遭難者の周辺を1時間近くも旋回し、チャンスを伺いますが、「あまりにも危険すぎる」との理由で救助を断念します。
民間航空会社の操縦士が救助を志願
「遭難者を救助することができない」ということを聞き付けた地元の民間航空会社に勤務する操縦士のアパヴァロエさん。
すぐさま山岳救助隊に連絡をとり、こう訴えます。
「操縦桿を握らせてくれ。
オレが助ける」
最初は申し出を拒否したという山岳救助隊。いくら民間航空会社で操縦士をしているとは言え、簡単に山岳救助隊のヘリを操縦させることなどできません。
しかし、アパヴァロエさんの熱意に負けて、最終的にはこの申し出を受け入れます。
救助の模様を捉えた動画が、山岳救助隊のFacebookに公開されているので、ご覧ください。
距離が遠いため少し分かりにくいのですが、2:30からの10秒間ほどで遭難者がヘリに救助されています。
尾翼から崖に近づいたのは、万が一、崖に接触してもメインのプロペラの破損を避け、墜落しないためだったそうです。
アパヴァロエさんは称賛を集めるも…
勇気ある決断と、実際にやり遂げたアパヴァロエさんの操縦技術には大きな称賛が寄せられています。
一方で、「プロであるにも関わらず、なぜ山岳救助隊の操縦士は救助できなかったのだ」といった批判が、山岳救助隊に寄せられてしまう事態に。
このことに心を痛めたアパヴァロエさんは、こんなコメントを出しています。
「山岳救助隊の操縦士の技術は素晴らしい」
「ただ、隊に所属していると守らなければならない『安全基準』が厳しいのだろう。
ほんの少しでも危険のあることはできなかったんだと思う」
操縦技術だけでなく、人間としても素晴らしい振る舞いをしたアパヴァロエさん。
称賛の声が多く寄せられるのも当然かもしれませんね。