テニスプレーヤーとして数々のタイトルを手にしてきた名選手、スペイン出身のラファエル・ナダル選手の心温まる行動が話題を呼んでいます。

視線の先にいたのは…？

テニスの試合では、選手の集中力を高める為にサーブを打つ前は静かにすることがマナーとされています。

この日、スペインのマヨルカ島で開催されたエキシビジョンマッチに出場したナダル選手の対戦相手は、引退後もレジェンドとしてその名を轟かせるジョン・マッケンロー選手でした。

※エキシビジョンマッチ…公式記録としない練習試合や公開試合のこと。

往年の名プレーヤーが相手とあり、エキシビジョンマッチとはいえナダル選手も実際の試合と同じく高い集中力を維持して試合に臨んでいました。

観客が静まり返る中、ナダル選手がサーブを打とうと構えた時のことです。何故か観客席を見つめたまま動きを止めます。

一体何事かと観客もナダル選手と同じ方向を見ると、そこには取り乱した様子で警備員に訴えかける女性の姿がありました。

どうやら、一緒に試合を見にきていた娘さんが迷子になってしまったようです。必死になって探す母親の姿を見たナダル選手も、心配そうな表情を見せます。

ナダル選手が試合を中止したため周りの観客たちの意識も迷子探しに向いていき、会場からは「クララー！（娘さんの名前）」と呼ぶ声が聞こえ始めます。

無事に再会を果たした母娘に会場からは拍手が沸き起こり、ナダル選手も一安心したのか笑顔を見せました。

もしもナダル選手が自分の集中力を保つことを優先し試合を続行していれば、娘さんはなかなか見つからなかったことでしょう。

観客を思いやるナダル選手の振る舞いに「これぞ紳士の振る舞いだ」「彼は素晴らしい行いをした。感動的！」と称賛の声が集まっています。

なお、その後の試合はナダル選手が快勝し、振る舞いだけでなく素晴らしいプレーでも観客たちを魅了しました。