94歳のおじいさんと猫『きなこ』 入院後に失った笑顔を取り戻すまで
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日本とロンドンを拠点に活動している、写真家のデュポン洸子(あきこ)さん。彼女には、94歳の祖父がいます。
第二次世界大戦が終戦してから、64年間家族のために働いてきたおじいさん。いつも元気で、とても明るい性格の持ち主でした。
長い年月をかけて家族を支え続けてきた、そのおじいさんの日常が、ある出来事をきっかけに大きく変わることになります。
しかし2009年のある日、おじいさんは身体を壊し、入院してしまいます。
生活が一変してしまった、おじいさん。穏やかだったはずの性格は頑固になり、徐々に笑顔が消えていきました。
それまで家族の中心にいたおじいさんにとって、自由に動けない生活は大きな変化だったはずです。かつての明るさを取り戻すきっかけが、なかなか見つからない日々が続いていたようです。
94歳の人生を変えた、1匹の猫
そんな中、アキコさんは『きなこ』と名付けられた1匹の猫を飼い始めました。
きなこは、気付けばおじいさんに懐いていました。
きなこがそっとそばに寄り添う様子は、自然と家の中の空気を和らげていったようです。言葉のいらない距離感が、おじいさんの心を少しずつほぐしていきました。
いつも一緒にいるようになった、おじいさんときなこ。アキコさんは、そんな1人と1匹の姿を撮影するようになりました。
いつしかそれらの写真の枚数は増え、アキコさんは『きなことじいじ』という作品として、ウェブサイトに掲載します。
毎日を共に過ごすことで、取り戻した笑顔
きなこのおかげで、元の明るい性格を取り戻したおじいさん。
毎日一緒に食事をして、遊んで、昼寝をする…そんな生活が、おじいさんに『生きる喜び』をもたらしたのでしょう。
写真の中のおじいさんは、きなこを見つめながら穏やかな表情を見せています。規則正しい2人の日課が積み重なるうちに、おじいさんの毎日にリズムが生まれていったようです。
アキコさんは、こういいます。「2人は、強い友情で結ばれています」…と。この絆は、永遠に切れることはないでしょう。
Akiko DuPont
[文・構成/grape編集部]