「気にしない」「こだわらない」 スルーする力で軽やかに
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
スルー力とフロー力でポジティブに。
気にしない。気にならない。こだわらない。求めない。そんな境地に立てたらどんなにいいいでしょう。おそらく日々のストレスの多くは流れ去り、少々のことがあっても心が重くならない。軽やかに、すいすいと生きていけたらいいなあ、と思うことがあります。気にならない、それは、鈍感であるとか、無神経ということではありません。生きやすさを求めることであって、楽をして生きるということでもありません。
トラブルやプレッシャーが続いたり、他人の批判や誤解に心を痛めたり、(うまくいかないかもしれない)という怖れがあると、自分の中のエネルギー値が下がっていくのを感じます。エネルギー漏れです。本来なら、解決し、思い直して前向きになりたいのですが、怖れや思い悩みが心に巣くってしまう。それほど、「怖れ」や「不安」の影響力は大きいものです。
「気にしない」「こだわらない」というのは、起こった出来事をなかったことにすることではありません。客観的に眺めてスルーする。 そのことを一度受けとめて、学ぶべきことを学び、フロー、手放して流す。これも、ストレスの扱い方のひとつです。客観的になることも学ぶべきことを学ぶということも、時にはきついこともあるのですが、スルー力もフロー力もそのプロセスの先にあります。学び、理解できたからこそ、気持ちがすっきりとするのです。
私はこのスルー力とフロー力の大切さを、50歳になったときに実感しました。人生、思うほど長くない。これまでの20年間と、これから先の20年間の意味も、生き方もまったく違うものです。すぐ手が届きそうな想い出は、もう20年の時の向こう側に。やはり50歳というのは、生き方について考えさせられる大きな節目でした。
人生、思ったよりも長くない。年を重ねるほど深い生き方をしていくためには、どうでもいいことで思い煩う時間はない。どのように思い煩うことを前向きに変換していくか。
まず、すべては自己責任、自分の選択。問題は他人にあるのではなく、自分にあるというスタンスに立つと、学びにつながります。そして、こだわりを捨てる。執着を持たないことです。思い煩うということも、執着です。
そして、「問題」「出来事」と、心と身体を共鳴させないこと。意識して分離させるのです。私たちには悩む自由も、学ぶ自由も、手放す自由も与えられている。何を選択するか、です。心と身体はつながっています。悩みもストレスも、心も身体も痛めます。身体を大切にすることは、無駄に悩まない、ということにもつながるのです。スルー力とフロー力。学んで、手放して、流す。意識してその軽やかさを身につけていきたいものです。
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」
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