人はなぜ、テストの前に掃除するのだろう?『セルフハンディキャッピング』 By - 吉元 由美 公開:2019-04-21 更新:2019-04-21 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 人はなぜ、テストの前に掃除するのだろう テスト前に部屋の掃除をしたくなる。テスト前に、昔のアルバムを見たくなる。学生時代、こんな気分になったことのある人は多いのではないでしょうか。仕事に取りかかる前にも、他のことをしたくなる。この、理不尽な矛盾している行動を『セルフハンディキャッピング』と言います。 セルフハンディキャッピング、防衛機能という名の言い訳です。たとえテストの点が悪くても、「掃除したから時間が足りなかった」と自分にも人にも言い訳ができる。そして、(勉強したらできたのだけど)と、自尊心も守られる。目標を達成しなくても、精神的にダメージを最小限にする、都合のいい心の働きです。 または、勉強からの現実逃避、逃避すればするほど大変になることはわかっているのですが…ついつい、違うことをしてしまう。先延ばしです。 また、勉強はしているのに友達には「全然勉強していない、どうしよう」と反対のことを言う。これもセルフハンディキャップの一つです。高校時代、クラスでもトップに近い成績をとる同級生は、いつもテスト前に「全然勉強していない」と言い回っていました。「由美は?」と必ず聞いてくるのですが、その行動がちょっと鼻についていた私は、「死ぬほど勉強した」と答えていました。もちろん、全然勉強しなかったと主張する彼女は、毎回90点を越える点数をとっていましたが。死ぬほどは勉強していない私は、まあそれなりの結果に。まったく、不毛なやりとりでした。 学生の頃、私もテスト期間に部屋の大掃除をし、アルバムの整理をはじめたことが度々ありました。しかし、それは果たしてセルフハンディキャッピングだったのか…。思い返すと、そうではないのです。何よりも成績について言い訳をしたくなかったし、テストを捨てる気はありませんでした。 確かに、勉強を始める前の現実逃避はあったかもしれません。そのしわ寄せはあったものの、ラストスパートでは時間を忘れました。自分でも驚くくらいの集中力を発揮したのです。 つまり、逃避ではなく、無意識のうちに自分を追い込んでスイッチを入れた…この解釈は都合がよすぎるでしょうか。また掃除をするというのも、環境を整えてクリアな気分にするための心の働きとも言えます。 私も仕事をするとき、なかなか取りかかれないことがあります。掃除をすることもあれば、本を読んでしまうこともある。でも、仕事前のささやかな逃避は、自分を追い込んで集中力を高めるためのアイドリングなのです。 無意識に言い訳作りをしているセルフハンディキャッピングをしている…そんな自分に気づいたら、これは集中力アップのアイドリングだと意識を切り替えてみましょう。自分の気分や感情に巻き込まれなくなった瞬間、『やる気スイッチ』は現れるのです! 40代 「泣きたい日」の頑張り方: 一生素敵へのカギはここにある! 40代 「泣きたい日」の頑張り方: 一生素敵へのカギはここにある! (知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ)吉元 由美2,169円(04/19 18:17時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 ギャル曽根流のポテサラに「今日の夕飯決まった」「その発想はなかった」ギャル曽根さん親子が教える、ポテトサラダレシピに「奥が深い」「その発想はなかった!」の声が上がりました。 39歳の誕生日を迎えた、杏 ケーキよりも、注目を集めたのは…ん?見間違いじゃないよね!?杏さんの誕生日ケーキと一緒に写った『推しアクスタ』とは? Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
人はなぜ、テストの前に掃除するのだろう
テスト前に部屋の掃除をしたくなる。テスト前に、昔のアルバムを見たくなる。学生時代、こんな気分になったことのある人は多いのではないでしょうか。仕事に取りかかる前にも、他のことをしたくなる。この、理不尽な矛盾している行動を『セルフハンディキャッピング』と言います。
セルフハンディキャッピング、防衛機能という名の言い訳です。たとえテストの点が悪くても、「掃除したから時間が足りなかった」と自分にも人にも言い訳ができる。そして、(勉強したらできたのだけど)と、自尊心も守られる。目標を達成しなくても、精神的にダメージを最小限にする、都合のいい心の働きです。
または、勉強からの現実逃避、逃避すればするほど大変になることはわかっているのですが…ついつい、違うことをしてしまう。先延ばしです。
また、勉強はしているのに友達には「全然勉強していない、どうしよう」と反対のことを言う。これもセルフハンディキャップの一つです。高校時代、クラスでもトップに近い成績をとる同級生は、いつもテスト前に「全然勉強していない」と言い回っていました。「由美は?」と必ず聞いてくるのですが、その行動がちょっと鼻についていた私は、「死ぬほど勉強した」と答えていました。もちろん、全然勉強しなかったと主張する彼女は、毎回90点を越える点数をとっていましたが。死ぬほどは勉強していない私は、まあそれなりの結果に。まったく、不毛なやりとりでした。
学生の頃、私もテスト期間に部屋の大掃除をし、アルバムの整理をはじめたことが度々ありました。しかし、それは果たしてセルフハンディキャッピングだったのか…。思い返すと、そうではないのです。何よりも成績について言い訳をしたくなかったし、テストを捨てる気はありませんでした。
確かに、勉強を始める前の現実逃避はあったかもしれません。そのしわ寄せはあったものの、ラストスパートでは時間を忘れました。自分でも驚くくらいの集中力を発揮したのです。
つまり、逃避ではなく、無意識のうちに自分を追い込んでスイッチを入れた…この解釈は都合がよすぎるでしょうか。また掃除をするというのも、環境を整えてクリアな気分にするための心の働きとも言えます。
私も仕事をするとき、なかなか取りかかれないことがあります。掃除をすることもあれば、本を読んでしまうこともある。でも、仕事前のささやかな逃避は、自分を追い込んで集中力を高めるためのアイドリングなのです。
無意識に言い訳作りをしているセルフハンディキャッピングをしている…そんな自分に気づいたら、これは集中力アップのアイドリングだと意識を切り替えてみましょう。自分の気分や感情に巻き込まれなくなった瞬間、『やる気スイッチ』は現れるのです!
40代 「泣きたい日」の頑張り方: 一生素敵へのカギはここにある!
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
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⇒ 単行本「大人の結婚」