「これで月収ですよ」 元アニメーターが公開した明細に言葉を失う
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- 出典
- @sleepymame
世界に誇れる日本のポップカルチャーに成長した、アニメ産業。市場規模は年々拡大し、アニメ産業の調査を行う『一般社団法人 日本動画協会』の調べるによると、2016年は2兆円を突破しました。
その一方、アニメ産業を支える制作現場は、華やかさとは真逆の『ブラック労働化』が常態化しているといいます。
※写真はイメージ
アニメの制作現場の過酷な労働環境は、以前から問題視されていました。
約10年前にアニメの制作現場で働いていた、えだまめ(@sleepymame)さんも、アニメ業界のブラック化を疑問視する1人。
アニメ業界の現状を広めるため、アニメーターとして働き始めたころの明細を公開。そのシビアな実態に、多くの人が言葉を失いました。
アニメは、少しずつ違う絵を重ねていくことでキャラクターを動かします。そのため、手描きの場合、1秒間のために8枚、作品によっては24枚もの絵が必要になります。
また、高いクオリティを求められるため、1枚あたりに費やす制作時間は相当なもの。
しかし、完全出来高制だったため、えだまめさんへの支払額は1枚あたり180円。
224枚もの絵を描いても、4万円にも満たないのです。しかも、それが月収だといいます。
一方、固定給プラス出来高制を採用している会社も増えつつあります。しかし、えだまえさんによると、固定給は多くても5万円ほどのところもあるそうです。
絵の枚数分もらえる金額を足しても、10万円になるかならないか…。
ちなみに、経験を積みステップアップしていくと、1枚あたりの単価が上がります。
しかし、新人の間は月収10万円以下での生活を送るしかありません。結局、金銭的にも精神的にもつらくなり、アニメーターをやめていく人がほとんどだといいます。
※写真はイメージ
2015年に、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズなどで監督を務める庵野秀明さんが「日本アニメの寿命はあと5年」と発言して話題になったことがあります。
過酷な労働環境に耐えかねて、若手がどんどん辞めていってしまうため、「このままでは、人材や資金の確保が難しくなる」という思いからの発言でした。
庵野さんの指摘は、アニメ業界に限らず、どの業界にもいえること。次世代を担う人材を確保できなければ、その会社や業界は衰退してしまうことでしょう。
若い人が安心して頑張れる環境作りが、求められます。
[文・構成/grape編集部]