起こったことには意味がある…2回の床上浸水が教えてくれたこと
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
起こったことには意味がある…床上浸水が教えてくれたこと
2018年8月、自宅の半地下にあるガレージ、浴室、洗面所が浸水しました。1時間に110ミリという局地的な激しい雷雨のために、冠水した雨水が大量に流れ込み、ガレージにある排水ポンプの配電盤に浸水。ブレーカーが落ちてポンプが止まりました。わずか20分ほどの出来事です。
半地下の廊下にスリッパがぷかぷかと浮いている…なんてシュールな光景でしょうか。排水できなかった雨水が、お風呂の排水口から噴水のようにあふれたのでした。
床上、床下浸水。2回目です。28年間この家に住んでいますが、ここ4年で2回。いかに、最近の気候が激しくなっているかということがわかります。1回目の教訓があったので排水ポンプを購入していました。すぐに排水を開始しましたが、膝までの水をある程度排出するには6時間あまり。床上2、3センチになった頃には夜明けを迎えていました。
ガレージに置いてあった数々の荷物、書類が入った衣装ケースなどもぷかぷかと浮いていました。水の力は想像を超えます。二重に蓋をしてあった瓶の中にも水が入り込みます。お隣の家では、地下の冷蔵庫が浮いて斜めになっていました。この程度のことでも大変な復旧作業になるのですから、土砂災害、津波の災害は想像をはるかに超えます。
起こってしまったことに対して、私たちにできること。事態に際して、まず何をすればいいか判断する。「どうしよう」「ああ、またお金がかかる」と嘆く前に行動する。その瞬間、その瞬間の最善を選択し、やれることをやる。これは大きな学びでした。
起こったことを恨んでも解決しない。不満を言ったからといって事態が好転することはないのです。私たちは知らず知らずのうちに不平不満、戸惑いを口にし、感情を無防備に吐き出すことがあります。そんなネガティブな思考と言動が、冷静な判断をするのを妨げます。
忙しく手を動かしながら、心はどこか穏やかでした。半瞑想状態のような。起こったことには意味がある。意味のないことは起こらない。としたら、今回の浸水は究極の浄化を促されたような気がしたのです。いつのまにか溜まってしまった荷物。処分しなければ…と思いながらそのままにしておいたこと。それは荷物だけではない、私の心にも身体にもそのままにしておいたものがたくさんある。この浸水は、心と身体の浄化を促す必要があることへのメッセージに思えたのです。
日々、起こる出来事のすべてに意味を見いだそうとしなくてもいいのです。ふと立ち止まらなくてはならないようなことが起こったとき、自分の心と身体に照らし合わせてみると、そのときに必要なメッセージがあるかもしれません。意識を少し、そちらに向けてみましょう。思い当たることがあると思います。
さて、今回の浸水から私が受け取ったメッセージ。浄化してリセットして、進化する。心と身体の浄化、そして鍛える。この秋からスタートです。
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」