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【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知ってて得する知識8選

By - シェアしたくなる法律相談所  公開:  更新:

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1 「性犯罪」被害に遭った場合にどうすればよいか

女性が被害に遭う割合が高い犯罪類型として、「強制わいせつ」「強姦」などのいわゆる性犯罪が挙げられます。

一方で、性犯罪は、被害に遭った方が警察に被害を届け出る割合が少ないというデータがあります(平成24年度「犯罪白書」犯罪被害についての実態調査)。
その原因は大きく2つあります。
1つ目は、誰に何を相談したらよいのかわからなかった、という点。
2つ目は、相談すること自体が被害を思い出させることにつながり、被害の届出を断念する方が多い、という点です。

1つ目の原因については、もしこの記事を読んでいる方で、ご自身が犯罪被害に遭ったという方や、周囲で被害に遭ったという方がいらっしゃれば、まずは弁護士に相談をしてみてください。
全国には、犯罪被害者支援活動を行っている弁護士が大勢いますので、インターネットで、例えば「犯罪被害者支援 弁護士」といったキーワードで検索してみると、支援弁護士や、支援弁護士が関与している支援団体のホームページにアクセスすることが可能です。

「自分だけがつらい思いをしている現状はおかしい。」「被害に対する謝罪を受け、少しでも傷ついた気持ち回復したい。」「加害者にはきちんと責任を取ってほしい。」「自分の気持ちを整理して前向きになるために、何かできることはないだろうか。」…などの気持ちになったときは、まずは弁護士に相談をしてみてください。

2 被害相談の不安を解消するために

特に性犯罪の被害に遭われた女性は、被害を受けた事実そのものを思い出すことがつらく、誰かに話してみようという気持ちにすらなれず、被害以来、男性と顔を合わせることにも抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。
もし、弁護士や支援団体などの各種相談窓口で、犯罪被害に遭った事実を話す際には、「異性には話しづらいので、女性の担当者がいいです」と申し出てみることをおすすめします。

法律事務所や支援団体の体制によっては、女性の被害者に対する支援体制が必ずしも完璧とはいえない場合もあります(そもそも男性しか担当者が所属していないなど)。
しかし、犯罪被害者支援に力を入れている弁護士は、せっかく勇気を持って相談に来られる方については、できる限り負担のないような環境でお話をしてもらいたいと考えていますから、相談時のご要望があれば遠慮なく伝えていただくべきと思います。

3 犯罪被害を警察に届け出たらどうなるか

警察に犯罪被害を相談した後は、どのような流れになるのでしょうか。
________________________________________
①警察署での被害に関する話の聞き取り

②警察署に「被害届」や「告訴状」を提出

「刑事事件」として、捜査開始
↓〔この間に一通りの捜査を終える〕
③警察署から、検察庁に事件の主担当が変わる(「送致」と言います)

④担当の検察官(検事)が、犯人の処分(正式な裁判にするか、罰金を科すかどうか)を決定する

4 「刑事事件」にする場合に考えるべきこと

もしあなたが、警察に犯罪被害を届け出て、捜査が進み、加害者について裁判が開始されることになったとします。
その場合、裁判は誰でも傍聴自由となっていますから、「〇〇さんが、いつ、どこで、性犯罪の被害に遭った」ということが、裁判の中で読み上げられるということになれば、自分の名前や居住地が公になってしまいます。

ただ、心配はいりません。
刑事裁判では、特に性犯罪の被害者について、検察官に申し出ることによって、被害者の住所や名前をはじめとした、被害者を特定する情報が、裁判の場で公にならないよう、取扱ってもらえます。

例えば、検察官が刑事裁判で何かしらの書面を読み上げるとき、本名に代えて「A子」などの仮名を使ったりします。また、あなたが刑事裁判中に、被害者として証人尋問を受けることになった場合も、傍聴人や被告人との間についたてを設けたり(これを「遮へい措置」といいます)、法廷とは別の部屋で尋問を受けたりする(これを「ビデオリンク方式」といいます)こともできる制度があります。

なお、遮へい措置やビデオリンク方式は、民事裁判において加害者に対して損害賠償請求をする際にも、利用することができます。

※ビデオリンク方式(裁判所HPより)

5 犯罪被害者として裁判の情報が知りたいとき

被害申告の結果、加害者について裁判が開かれることになったとします。
しかし、被害者は、原則として、加害者を裁く裁判に出席しなければいけないわけではありません。
実際に犯人がいつ起訴され、判決が出て、いつから普通の暮らしを始めるのか、まったくわからないのでは、不安になってしまうでしょう。
そうした場合は、被害者は警察や検察庁に対し、加害者の捜査・処分状況、裁判の日程や裁判結果について、通知を求めることができます。

6 身近な人から犯罪被害を受けた場合の相談

配偶者や、同居中の交際相手からDVを受けた場合、離れて身の安全を守るにはどうしたらよいのでしょうか。

夫や同居中の交際相手から身体的暴力を受けた場合、加害男性との接触を避けるため、法律上の手続きとして、「保護命令」の申立が行えます。

申立てから10日~12日程度で、裁判所から夫や交際相手に対し、6ヶ月間の接近禁止や、同居中だった住居からの退去、子や親族への接近禁止、などの命令が下されます。

保護命令に違反した場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則が科されます。

なお、保護命令の申立に至る可能性を考慮し、男性から身体的暴力を受けた際には、時間を置かずに医療機関を受診したり、警察や配偶者暴力相談支援センターなどへ相談したりして、被害を受けた状況を証拠として残しておくと後々役に立ちます。

また、「加害者がいつ現れるか分からないので、同居していた自宅に戻るのが怖い」という方については、民間シェルターへの一時避難も必要に応じて検討した方がいいかもしれません。
各地方自治体で、シェルターに関する相談窓口を置いている場合が多いので、事前に問い合わせをしてみましょう。

7 加害者から身を隠す場合の注意点

加害者に現在の居場所を知られたくない場合の方法・工夫として、以下のようなことが挙げられます。

①実際の居場所を教えるのは、最低限の周囲の人間にとどめること

②一時避難をする場合は、通常どおり学校や職場に出向くことは危険なため、避けること
加害者があなたの学校や職場をすでに知っている場合には、あなたに会うために学校や職場にやって来る可能性があります。
避難前後に、学校や職場に事情を話して連絡をするとともに、「加害者から問い合わせの連絡が来ても、居場所などを一切教えないように」と説明をしておくことが必要です。

③自宅の電話やパソコンのメールの履歴を消去しておくこと
自宅の固定電話やパソコンから知人などに連絡を取っていた方は、その履歴自体を消去しておかないと、加害者が後で通話履歴や送信履歴を調べてあなたの居場所を特定する可能性があるので、関係各所への連絡の痕跡をできるだけ消去しておくことが重要です。

④住所録や手帳、子どもの学校の連絡網、病院の診察券など、あなたの行動範囲・交友関係がわかるものは、すべて持ち出して避難すること
携帯電話のGPS機能をオンにしておくと、携帯電話の電波の発信場所から現在の居場所を加害者が特定する場合があります。細心の注意を払い、新しく携帯電話の契約をし直すことも検討しましょう。

8 加害者との示談の意味・メリットについて

犯罪被害に遭った際に、害者側の弁護士から、示談の話を持ち掛けられることがあります。被害者の方に代理人弁護士がついている場合であれば、示談の交渉自体を任せることができますが、そうでない場合は、示談の内容や意味合いについてよく理解しないまま、加害者側のペースで納得いかない示談をしてしまわないよう、注意する必要があります。

示談というのは、被害者と加害者との間で、被害者が受けた損害(金銭的なものや精神的なものを含めて)についてのさまざまな約束事を決める、民事上の合意(契約)です。
一般的には、「慰謝料」や「解決金」という名目で、加害者が被害者に対し、一定金額を支払う義務を負うことや、被害者が加害者を「許す」とか「加害者に対し処罰を望まない」といった言葉が合意に含まれることが多いです。

刑事裁判では、こうした合意を記載した「示談書」が、加害者側にとって有利な証拠として裁判に提出されることになります。これにより、示談の成立を裁判官が認めると、最終的に加害者に下される処分(判決内容)も軽くなります。

また、刑事裁判が終了しても示談の効力は生き続けるので、もし示談書に記載された約束事を加害者が反故にした場合、合意に反する行為をしたとして、加害者に対し、民事上の損害賠償請求を行うことも可能です。

場合により、被害者の方は、加害者側が提示した条件をそのまま呑むのではなく、被害者の心情や生活状況などに配慮した内容を、合意に盛り込むこともできますので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
また、加害者側から提示された慰謝料などの金額が、相場として適切なのかどうかについても、弁護士に尋ねてみてください。

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