「未成年の結婚、お父さんは反対だけど、お母さんは賛成だと?」実は…
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2019年夏に出版されて以来、さまざまなメディアで取り上げられて話題になっている本を知っていますか。
それは弘文堂の『こども六法』という書籍です。
「六法」といっても「憲法」「民法」「商法」「刑法」「民事訴訟法」「刑事訴訟法」から、商法を外して「少年法」と「いじめ防止対策推進法」を加えた、実際には「七法」を解説した『こども六法』。
大人でも理解が難しい法律を、子供が楽しんで読めるように、平易な表現で書き直しています。
意外と知らない法律のこと
『こども六法』は、著者の山崎聡一郎さんが学生時代、いじめの問題を解決するための法教育研究活動の一環として作成、自費出版していたものがベースになっています。
そのため、いじめや虐待に関連する法律を中心にイラスト入りで分かりやすく、やさしい日本語で解説されているのが特徴です。
気軽に「死ね」って言ってない?
「死ね」と言葉をかけたことによって相手が自殺した場合は「自殺関与及び同意殺人」の罪(刑法第202条)。
ケガをさせなくても暴行になるよ
当たらないように石を投げつけたり、バケツの水をかけたりするだけでも「暴行」という罪(刑法第208条)。
いじめや虐待は犯罪であることがよく分かりますね。
クイズ形式で法律を考えてみると?
もちろん、掲載されているのは子供やいじめに関連するものだけではありません。
山崎さんは『こども六法』の公式ウェブサイトで次のように語っています。
つまり「こども六法」とはいうものの、子供だけに向けたものではないということ。
そこで、質問です。
あなたは社会生活を送る上で身近な問題に関連する法律をどれだけ知っているでしょうか。
幸せな夫婦が理想だよね
例えば「同居、協力及び扶助の義務」(民法第752条)。
夫婦は一緒に暮らし、お互いに協力し、助け合わなければいけません。夫婦で助け合うのは「義務」なんです。
そして、「未成年の結婚」(民法第737条)について。
未成年(男性は18歳以上、女性は16歳以上で20歳未満)が結婚するときには両親の同意が必要なのはよく知られていますが、2人のうち1人の同意だけでも可能だということは意外と知られていません。
つまり、お父さんが反対していてもお母さんが賛成なら結婚はできるのです。
未成年のお子さんが、どうしても結婚したいといい出した時、「私は賛成だよ。でもお父さんが反対してるからねえ…考え直したら?」とはいえないのです。
現行犯逮捕は誰でもできるよ
現行犯人なら、誰でも、警察官でなくても、逮捕状がなくても、逮捕することができます(刑事訴訟法第213条)。
では、現行犯人とはどういったことをいうのでしょうか。
まさに今、犯罪を行なっている人、または犯罪を行い終わったばかりの人のこと。
もしあなたが今、犯罪が行われている現場に遭遇したら…現実に可能かどうかは別として、犯人を逮捕することができるんです。
とはいえ、犯罪を行う人を捕まえるのは危険ですから、決して1人でやろうとはしないでくださいね。
知っておいたほうが得する法律もあります。
「所有権の取得時効」(民法第162条)
隠したり暴力を使ったりすることなく、他人の物を、自分の物として20年間持ち続けた人は、それが他人の物だと知っていたとしても、その物の持ち主になれます。
他人のものでも、それを知っていたとしても、20年持ち続ければ自分のものになるとは驚きです。
土地の所有権の争いでよく使われる条文ですが、長年貸しっぱなしにしてたものを、返して欲しいときは20年経過しないようにしないと損するかもしれませんよ。
難しいと敬遠しがちな法律は、実は私たちの生活に密着した大切なルール。法律というルールを知っていることで、もっと生きやすくなるかもしれません。
お子さんがいる人もいない人も一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
[文・構成/grape編集部]