自閉症の息子からの年賀状が『年賀状思い出大賞』を受賞 ハガキに書かれていたのは…
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新年の挨拶の代わりとなる年賀状。
近年では、メールや『LINE』で年賀状の代わりに挨拶をする人も多く、減少傾向にあるそうです。
しかし、年賀状ならではのやりとりや、つながりがあるため、あえてハガキで挨拶をするという人もいるでしょう。
自閉症の息子から届いたラブレター
2020年12月16日、年賀状印刷などを運営する株式会社グリーティングワークスが年賀状のエピソードを募集した『年賀状思い出大賞』を発表しました。
約900件の応募の中から選ばれたのは、自閉症の息子から届いた年賀状のエピソード。
元日の朝、母親が年賀状を取りに行くと養護学校に通う息子から封書が届いており…。
寝坊した元旦の朝、ポストに年賀状を取りに行くと、私への一通の封書が届いていた。息子が通う養護学校からの手紙だった。
息子は自閉症。人と関わることが苦手だ。「大好きだよ」と彼に伝えると「そうだったんだ」という応えが毎回返ってくる……。だから、毎日毎日その言葉を伝えた。
封書を開けると、一枚の年賀状が出てきた。墨をたっぷり付けた太い筆で書かれた文字は、ハガキからはみ出していて、すぐには読めなかった。同封されていた先生のメッセージを読むと、国語の時間に取り組んだ年賀状作りで、息子はハガキに「海」の一文字を書いたとのことだった。「海は好きなの?」と尋ねると、いつもの無表情な顔で「だってお母さんがいるから」と応え、「海」の文字の「母」という部分を指差した。その瞬間、私は真冬なのに身体中が一変に温かくなったことを思い出す。
十二年前の忘れられない年賀状は、十八歳の息子からのラブレター。
自閉症の息子から元日に届いたのは、年賀状という名のラブレター。
『海』という文字の中に、『母』の漢字を見つけた息子は、ハガキに大きく『海』と書いたのです。
きっと、元日の朝から母親の心は温かくなり、息子の想いに包まれたことでしょうね。
このエピソードは、ショートムービーでも公開されています。
審査員からは「親子の愛情が素直に伝わる作品」と称賛の声が寄せられていました。
年賀状のいいところは、直筆だからこそ想いが十分に伝わるところでしょう。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、人に会うこともままならない日々が続きました。しばらく会っていない人に、年賀状で想いを伝えてみてはいかがですか。
[文・構成/grape編集部]