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何ともいえない良い香りが人気の『ライラック』が楽しめる5月

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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札幌時計台とライラック

こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。

ライラックの香り

当方がまだ若い頃、5月の後半、札幌に、講演会で出掛けたことがありました。仕事が終った帰り道、札幌の町を歩いている時に、何ともいえない良い香りが漂って来ました。

係の人に尋ねますと『ライラック・リラ』ですと教えて下さいました。『ライラック』はこんなにいい匂いがするものかと、垣根越しに咲いているその花をしっかり見ました。

花は小花でたなごころの大きさで赤紫と白とが群れて咲いていました。ホントにいい香りでした。

札幌大通公園のライラック

それで、その花よりも、その匂いの方が忘れられなくて、東京に戻ってからそのライラックの白を1本、拙宅に植えました。もうそれからウン十年、今、いい香りで咲いています。

ところで、フランスでは、ライラックは『リラ』と呼ばれ、シャンソンのタイトルにもなっています。

宝塚歌劇団でお馴染の『すみれの花咲く頃』、あの元歌はシャンソンの『白いリラの咲く頃』と言って、この曲が流行っていた当時、パリを訪れた宝塚の演出家が、日本に持ち帰り、公演の劇中歌として用いました。

でもその際、リラは日本人には馴染がない、ということで『スミレ』に差し替えたそうです。兎に角、このライラックは素敵な香りが人気で世界中で香水やヘアケア商品に重宝されています。

ライラックの花

この花は、日本でも北海道や東北でもよく見られますが、札幌では、毎年この5月、『ライラックまつり』が開かれ、約400本のライラックを楽しめるそうです。

札幌の友人は「その時季は、結構冷える日がある、そんな日を『リラ冷え』と言う」と教えてくれました。香り1番、ライラックの小話でした。

<2021年5月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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