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プールといえば塩素のにおい 入れる理由に「すごく大事」

By - デジタル・コンテンツ・パブリッシング  公開:  更新:

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プールの写真

※写真はイメージ

7月は夏のレジャーを考える時期ですね。中にはプールに出かける人もいるでしょう。

プールに行くと、ツンとしたニオイを感じることはありませんか。これは、プールの水には通常、塩素が入っているためです。

では、なぜプールの水に塩素を入れるのでしょうか。

プールに塩素を入れる理由

公益社団法人 日本プールアメニティ協会(以下、 日本プールアメニティ協会)に「プールの水に塩素を入れる理由」を聞いたところ、以下のように回答がありました。

塩素はプールの水を消毒するために入れます。プールの水には、遊泳者が持ち込んだり、外部から混入したりする細菌、ウイルスが存在しています。

それらが水中で増殖して感染症を引き起こす危険性がありますが、プールに塩素を入れることで細菌やウイルスの活動を抑制できます。

日本では、厚生労働省や文部科学省がプール水にはいつでも『0.4~1.0mg/ℓ』の遊離残留塩素濃度を維持させるように指導しています。

学校で「塩素は毒性の強い物質」と習ったことがあるかもしれません。

プールに入れても大丈夫なのか、気になる人もいるでしょう。この点についても聞いてみました。

基準通りに入れていれば大丈夫です。塩素に限らず、一般の化学薬品はなんらかの有害物質や危険物質といわれるものが存在する可能性があります。

塩素も細菌やウイルスなど、微生物の活動を弱めたりする力があるので、高い濃度であれば人間にも害が及ぶことも考えられます。そういった意味では危険ともいえます。

ただし、プールで使用する塩素の量は非常に少ないので、人間の身体に害を及ぼすものではありません。

皮膚が非常に弱い方、アレルギー体質の方の場合には、何らかの症状が現れるケースも報告されていますが、基本的には基準通りの使用なら問題ないとされています。

それよりも感染症がまん延するほうが危険といえるでしょう。

プールの写真

※写真はイメージ

青いタブレットの塩素剤が減った理由

プールの塩素消毒というと、プールの底に沈んでいた青いタブレット型の塩素剤を思い出す人がいるかもしれません。

実はあの青い塩素剤は、2024年の今ではほとんど見られなくなっています。

日本プールアメニティ協会に理由をうかがったところ、以下のような答えがありました。

確かに昔は多くのプール施設、特に学校のプールでは、直接投入するタブレットの塩素剤が見られました。

塩素化イソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウムなどの成分です。これらはプールに直接投入し、水中で徐々に溶解してプール全体に拡散します。

ただ、溶解状態が水温や水流などの影響で一定せず、プール水全体での塩素濃度管理が大変難しいものでした。

そこで、各メーカーが固形塩素剤の溶解注入器を用いるようになったり、液体塩素の自動注入を行うようになったりしたことで、塩素濃度の管理が比較的容易になりました。

従って、近年ではプール底部に固形塩素剤が目に付くことが少なくなったといえます。

つまり技術の進歩によって、あの青い塩素剤よりよい方法が開発され、使われなくなったというわけです。

みんなが利用するプールの場合、国が基準を定めており、消毒・殺菌のために水を一定の塩素濃度に保つ必要があります。これにより遊泳者が感染症に罹患するのを防いでいたのですね。

プールの塩素臭は一種の夏の風物詩ととらえて、安心して楽しみましょう。


[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]

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取材協力
公益社団法人 日本プールアメニティ協会

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