正しい土の捨て方は？ガーデニングや家庭菜園で不要になった土の処分法４選

家庭菜園やガーデニングから発生した土の処分に困っていませんか。

ゴミで出すにしても「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「資源ゴミ」など、どの分別区分を選べばよいのかが分からずに悩む人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、不要になった土の捨て方や、捨てる際の注意点についてご紹介します。「不要になった土を捨ててスッキリしたい！」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。

土は何ゴミで捨てればよいのか？

『ゴミの日』に土を処分したいと考えているものの、分別区分が分からずに悩んでいる人も少なくないでしょう。一般的に土は、自然のものであるという考えから、ゴミとして出せない地域が多いようです。

土をゴミとして収集しない代わりに利用できる業者や、家庭でできる再利用方法を紹介しているケースもあるため、住んでいる地域のウェブサイトを確認してみましょう。

土を処分したい場合は、次のような方法があります。

【無料】土の捨て方

土を処分する際には、無料と有料の方法があります。まずは、無料で捨てられる方法を確認しましょう。

家の庭にまく

もっとも簡単なのは、自宅の庭や畑にまく方法です。しかし、使用済みの園芸用土には次のような問題があります。

連作障害とは、ナスやキュウリといった同じ科の植物を同じ場所で育てることで、土の栄養バランスが崩れ、植物の生育が悪くなることです。その状態の土をまくことで、周りの土にも影響を与えかねません。

一方団粒構造とは、土の細かい粒同士が固まって小さな塊（団粒）を形成している構造のこと。水はけがよいので、植物が育ちやすいと言われています。使用済みの土は団粒構造が崩れていることもあり、それをまくことで周りの植物の成長を妨げる危険性があるのです。

廃棄したい土の量が多い場合は、新たに植えた植物がうまく育たない恐れもあります。心配な場合は、市販の「土壌改良剤（古い土のリサイクル材）」を購入し、土の状態を改善させてからまくとよいでしょう。

自宅に土をまく場所がない場合は、畑や庭を持っている人に、引き取ってもらえないか交渉してみるのも選択肢の１つです。

住んでいる地域のゴミ収集や資源ゴミ回収に出す

本来、不要になった土は「ゴミ」として扱わないケースが多いのですが、地域によっては通常のゴミ収集や、定期的な回収を利用できる場合もあります。

土をゴミとして処分できる地域の例は、以下の通りです。

市区町村	捨て方と注意点
札幌市	指定のゴミ袋（なるべく小袋）に入れて、燃やせないゴミとして出す。
仙台市	自然に返すことが原則。無理な場合は、お茶碗１杯程度ずつ家庭ゴミ指定袋に入れて、指定曜日にゴミ集積所に出す。
品川区	毎月第２・第４土曜日の１０時～正午まで、区内小学校・地域センターなど３１か所で回収。一度に出せる量は、異物を取り除いた園芸用土なら、プランター２個分まで。
台東区	偶数月の第４土曜日：防災広場根岸の里 奇数月の第４土曜日：環境ふれあい館ひまわり いずれも１０時～正午まで、半透明のビニール袋に石や根など異物を取り除いた土を入れる。一度に出せる量は２０リットル袋１つまで。
江戸川区	区では回収しないが「公益財団法人えどがわ環境財団」で園芸用の土（石・根などを取り除いたもの）を回収している。半透明の丈夫な袋に小分けして持参する。
横浜市	少量ずつ週２回の「燃えないゴミ」の日に、透明もしくは半透明の袋に入れて出す。
名古屋市	自然に戻す、もしくは造園業者などに引き取ってもらうことが理想。ただし、難しい場合は一回あたり１袋まで、可燃ゴミとして出せる。可燃ゴミの指定袋に入れて、片手で持てる重さまでなら排出可能。
大阪市	普通ゴミに混ぜて少量ずつ出す。
神戸市	月２回の「燃えないゴミ」の日に、袋が破れない程度（およそ５kg以下）なら排出できる。
福岡市	燃えないゴミとして出す。

地域によって条件や廃棄の方法が決められています。土を廃棄する際は、必ず指示に従いましょう。

【有料】土の捨て方

家に庭や畑がなく、住んでいる地域でも土を処分できない場合は、有料で廃棄する方法もあります。廃棄費用は業者によって異なるため、依頼前に確認しましょう。

土を購入した店舗やホームセンターに相談する

「土の購入店舗」や「ホームセンター」に相談してみるのもおすすめです。

ホームセンターの中には、新たに購入した土の袋に、不要になった古い土を入れて持参すると処分してくれる店舗があります。

また、不要な園芸用土を入れる専用袋を購入し、その袋に入れて持ち込むと回収してくれる店舗もあるようです。

新たに土や専用袋を購入する必要はありますが、捨てる分が少量なら、それほど高額にはならないでしょう。店舗によっては、購入した土のレシート提出や、根や肥料を取り除く作業が必要になるため、確認が必要です。

不用品回収業者に依頼する

「不用品回収業者」に依頼する方法もあります。

地域のゴミ収集やホームセンターを利用する際は、自分で持参する必要があるため、不要な土が大量な場合は手間がかかります。不用品回収業者なら、土に砂利が混ざっていても回収できる場合が多く、分別の必要もありません。また、プランターや枯れた木、草も一緒に回収可能です。

ただし、回収に来てもらうため、処分費に加え運搬費もかかります。回収場所と業者の距離が離れていると、そのぶん運搬費が高くなるため注意が必要です。

金額が高くても、手間と労力をかけずに済ませたい人や、大量の土に悩んでいる人は、最寄りの業者に問い合わせてみましょう。

土を捨てる際の注意点

土を捨てる際は、どの方法を選んだ場合もマナーを守りましょう。特に、以下の３点には注意が必要です。

公園などに勝手に捨てない

「少しだけだから」と、公園や山などに土を捨てた場合は、不法投棄とみなされるおそれがあります。不法投棄とみなされると、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第二十五条」の規定により、５年以下の懲役もしくは千円以下の罰金を科せられるかもしれません。

また、既存の生態系に影響を与える可能性があります。「土はみな同じだからよいだろう」と考えず、責任を持って処分しましょう。

乾かしてから捨てる

土は、できるだけ乾かしてから捨てることをおすすめします。

有料の場合、重さで回収費用が変わることがあるため、乾いてから出したほうが安く済む可能性があります。シートに広げて乾かし、根などの不要なゴミを取り除きましょう。

乾燥させても、袋いっぱいに詰めると重くなるため、持ち運びできる程度の重量に抑えてください。念のため、袋を二重にしておくと安心です。土を入れた袋は、引きずらないように注意しましょう。

引き取り先の指定に合わせる

土を捨てる際は、引き取り先の指定に合わせて対応しましょう。例えば、以下のような指定があります。

土の状態によっては、引き取り費用が変わる場合があります。

土を捨てる際は地域の指示に従い責任を持って処分しよう

通常土は、一般ゴミと一緒には出せません。ゴミと一緒に出せる場合も、一回の排出量や方法が定められているケースが多いため、地域の指示に従ってください。

分別ゴミとして出せない地域にお住まいの場合は、専門の業者やホームセンターなどのサービスを利用しましょう。それぞれの指示に従い、責任を持って処分してください。

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[文・構成／grape編集部]