山で子どもとはぐれてしまったら? ベテランハイカーに聞いた大切な約束事
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5月28日に、両親と林道ではぐれ、7日ぶりに発見・保護された7歳の男児。
今回のケースは、両親がしつけの一環として、意図的に置き去りにしたと言われていますが、子どもと一緒に山登りやハイキングに出かけ予期せず、はぐれてしまうケースもあります。
そこで「山中で子どもとはぐれないようにするための方法」と、「万が一はぐれてしまった場合、どうすべきか」をアウトドアメーカーに勤務するハイカーの方に聞いてみました。
このハイカーは、3人のお子さんを持つ父親で、毎週のように近所の山にお子さんと登るという、山登りを愛する男性です。
見失わないように後ろを歩く
「まず、子どもと山に登る時は必ず、自分の視界に入るよう、子どもの後ろを歩くようにしています」
子どもを先に歩かせるのは一見、危険な気もしますが、大丈夫なのでしょうか?
「もちろん、大人が先頭で、その後ろを子どもが歩き、一番後ろを大人が歩くカタチが理想です。しかし、大人が1人の場合は、子どもを見失わないように必ず後ろを歩きます」
歩く時、特に気を付けていることはありますか?
「前方に危険がないか気にしながら、なるべく声をかけるようにしています。特に2人以上の子どもと一緒に歩く時は、前方に注意しながら、場所によっては自分が前に行く場合もありますね」
はぐれたら「動かない」が鉄則
お祭りなどの人の多いところに出掛ける時、「迷子になったらココに集合する」などの決め事をしておくと良いと言いますが、山登りでも集合場所を決めておくことは有効なのでしょうか?
「子どもには、はぐれてしまった場合、動かないように事前に伝えておくことが鉄則です。動くと、体力を消耗するだけでなく、足を踏み外すなどの危険性も高まるため、基本的にはその場でじっとしていることが最も有効なのです」
「基本的には」と言うと、例外もあるのでしょうか?
「例外としては、目立たない場所ではぐれてしまったケースです。『山菜を取っていてはぐれてしまった』など山道ではなく、山の斜面や茂みで子どもとはぐれてしまった場合は、山道まで移動するように伝えておきます」
お子さんには次のように伝えているそうです。
「はぐれたら基本、動いてはいけない。ただし、山道以外の場所で、はぐれた場合のみ山道まで移動しなさい。山道の方向が分からなければ動かなくていい」
音を出すことも有効ですが…
「自分の居場所を伝えるために大きな音を出すことが有効である」という意見もありますが…
「音を出すことは有効です。ただし、木と木を打ち付けた程度の音では遠くまで伝わりません。理想は金属を叩いて音を出すことですが、必ずしも金属製の物を持っているとは限りませんよね。大きな声を出すと体力を消耗するので、明らかに人が近くにいる時以外は、あまりオススメできませんね」
ほかにはどのようなことに気を付けていますか?
「非常食としての水や食料を子どものバックパックに入れるようにしています。飴やチョコレートなど、糖度が高くて日持ちするものがよいでしょう。今回の北海道のケースは山登りに行ったワケではないので、参考にならないかもしれませんが」
最後に山中での行動についてアドバイスをお願いします。
「使い古された言葉ですが、山を甘く見てはいけません。東京の高尾山や神奈川の大山のように、一見カジュアルに見える山でも、滑落などによる死亡事故は起きています。子どもだけでなく、大人も含め、もっと山に対してしっかりとした認識を持ってほしいですね」