雀は絶滅危惧種なの?減っている理由とおよぼす影響を解説
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街中や公園など、雀(スズメ)はどこにでもいる身近な鳥というイメージがありますが「最近あまり見かけない」と感じたことがある人もいるでしょう。
実は環境省が実施した全国調査によると、雀の個体数は減少しているようです。
本記事では、雀は絶滅危惧種に該当するのか、なぜ数が減っているのか、そして雀が絶滅するとどのような影響があるのかなどを解説します。
雀がなぜ減っているのかが気になる人は、ぜひ参考にしてください。
雀は絶滅危惧種って本当?
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雀は絶滅危惧種ではありませんが、個体数が大幅に減少していることが、環境省の調査によって明らかになったようです。
環境省のウェブサイトによると、2016年~2021年にかけて実施された『全国鳥類繁殖分布調査』では、雀をはじめ、ツバメやムクドリといった農地などの開けた場所に多く見られる鳥たちの個体数が、過去の調査と比べて明らかに減っていることが示されています。
特に雀とツバメに関しては、1990年代に農地の割合が多かった地域ほど、減少の度合いが大きかったようです。
雀の記録数は 1997~2002年では3万1159羽だったのに対し、2016~2021年では2万627羽に減少したのだとか。
このまま減少傾向が続くようであれば、将来的には雀が絶滅危惧種に分類される可能性もあるとされています。
今はまだ身近な鳥であっても、環境の変化によりその姿が見られなくなる日がくるかもしれません。
雀の数が減っている原因
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雀が減っている原因は明らかになっていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられているようです。
雀の減少に関係があると考えられている要因をまとめました。
農地の減少
農地の減少は、雀の個体数が減っている要因の1つとして考えられています。
雀は、水田や草地、空き地などに住み付き、そこに落ちているもみや種子、昆虫などをエサにしていることが多いようです。
特に春から夏は昆虫、秋から冬は植物の種を中心に食べる雑食性の鳥であり、農地は1年を通じて重要なエサ場となっています。
しかし近年、都市化にともなって農地が住宅地へと変わるケースが増え、さらに農業の機械化や農薬の使用により、エサとなる虫の数も減っているようです。
こうした変化により、エサを得られる場所そのものが減ってしまったのかもしれません。
『全国鳥類繁殖分布調査』では、農地の割合が高い地域ほど雀の減少幅が大きいという結果も出ています。エサがなければ生き残れないため、農地の減少は雀の減少にもつながっているといえるでしょう。
巣を作る場所の減少
巣を作る場所が失われていることも、雀の減少に関係していると考えられています。以前は、木造住宅の瓦のすき間や軒下、雨どいの裏など、人の暮らしのすぐそばに巣を作っていたのだとか。
ところが、現代の住宅はコンクリート造りが主流で、軒が短くフラットな造りが多い傾向にあるため、雀が入り込める隙間がなくなりつつあるようです。
さらに、高層マンションの普及や街の再開発によって、昔ながらの建物が減り、巣作りに適した場所も急速に失われているとされています。
雀はどこにでもいるイメージがありますが、繁殖できる環境が整っていないと数を増やせないでしょう。人間の生活環境の変化が、雀の繁殖を難しくしているのかもしれません。
雀が絶滅したらどうなる?
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前述の通り、雀の個体数は減少傾向にあるとのことですが、もし雀がいなくなった場合、生態系と農業に大きな悪影響をもたらす可能性があるそうです。
雀は稲などを食べるため害鳥と思われがちですが、実は初夏の子育て期には、イナゴやガ、チョウの幼虫などをヒナに与えているのだとか。つまり、害虫を食べて農作物を守ってくれる益鳥でもあるといえるでしょう。
過去には、中国で当時の国家主席であった毛沢東(もうたくとう)によって『四害駆除運動』という政策が実施され、人に害をおよぼすとされたネズミ、ハエ、カ、雀の4種が徹底的に駆除されたといいます。
ところが、大量の雀が駆除された結果、雀のエサとなっていた害虫が大繁殖し、かえって農作物の被害が拡大してしまったようです。その結果、たった数年で雀は害鳥から除外されることになったのだとか。
このように、雀がいなくなると、虫が増えすぎて作物が食い荒らされ、私たちの食生活にも深刻な影響が出かねません。見慣れた小さな鳥でも、自然のバランスを保つ重要な存在といえるでしょう。
雀のほかに減少した鳥
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個体数の減少は雀に限った話ではなく、ほかの鳥たちにも同じような傾向が見られています。『全国鳥類繁殖分布調査』によると、以下の鳥たちの数も減少しているようです。
このうち、ツバメ、ムクドリ、アマサギは雀と同じく、農地など開けた土地を好む種として知られており、農地の減少や都市化の影響を強く受けていると考えられています。
雀は絶滅危惧種ではないが昔に比べて数は減っている
身近な存在となっている雀ですが、その数は年々減少しており、将来的には絶滅危惧種になる可能性も指摘されていることが分かりました。
雀の減少の要因としては、エサとなる虫や種子が減ったこと、巣を作る場所が失われたことなど、私たちの生活環境の変化が原因として考えられています。
雀がいなくなれば、農作物に被害を与える害虫が増え、自然のバランスが崩れてしまうかもしれません。
私たちが当たり前に見ていた自然の光景が失われないよう、今ある環境の大切さに目を向けていく必要があるでしょう。
※この記事は、一部環境省のウェブサイトを参照しています。
[文・構成/grape編集部]