タマムシは絶滅危惧種?都道府県ごとのレッドリストを徹底解説
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体表の鮮やかな光沢が魅力でもあるタマムシですが、近年では「見かけなくなった」という声もあるようです。
実際、山形県や東京都区部では『絶滅危惧Ⅱ類』に、宮城県や群馬県などでは『準絶滅危惧種』に指定されるなど、地域によって保全の必要性が高まっています。
本記事では、タマムシの基礎知識と絶滅危惧種について、環境省の資料をもとに分かりやすくまとめました。
※この記事には虫の写真が含まれます。苦手な人はご注意ください。
タマムシは絶滅危惧種なのか
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環境省が作成するレッドリストによると、数種類のタマムシが絶滅危惧種に登録されています。
レッドリストとは、日本に生息、生育する野生生物を対象に、専門家による検討会で『生物の特徴や生息状況』などをもとに絶滅の可能性を客観的に評価し、その結果をまとめたリストです。
タマムシとは?
タマムシは、コウチュウ目タマムシ科に属する昆虫で、国内外に広く生息しています。日本では200種類以上が確認されていますが、一部の種類は北海道では見られないそう。
タマムシは美しい見た目から、英語では『ジュエルビートル』とも呼ばれ、宝石のように輝く光沢が大きな特徴です。中でも代表的なのが『ヤマトタマムシ』で、緑色の美しい光沢を持ちます。
ヤマトタマムシの光沢は古くから人々に親しまれ、その羽は工芸品や装飾品としても用いられてきたそうです。羽の光沢は死んでも失われないため、長く美しさを保つのだとか。
また、見る角度や光の当たり方によって色が変化するため『玉虫色』という言葉も生まれました。これは、金緑色や金紫色に見える独特の色合いを表す表現として使われています。
絶滅危惧種のタマムシは?
環境省が公表する『環境省レッドリスト2020』に掲載されているのは、以下の種類のタマムシです。
上記のタマムシ5種は、小笠原諸島の母島列島や父島列島などに生息しています。これらのタマムシは、それぞれの島を主な生息地としていますが、近年ではその生息情報が少なくなってきており、個体数の減少が懸念される状況なのだそう。
また、都道府県別のタマムシの掲載状況は以下となっています。なお、ここで紹介するタマムシは、一般的に『ヤマトタマムシ』と呼ばれる種類です。
都道府県別では、ヤマトタマムシは地域によって絶滅危惧種や準絶滅危惧種として掲載されています。
例えば、山形県では2015年に『絶滅危惧Ⅱ類』に指定されており、宮城県(2024年)、茨城県(2016年)、群馬県(2022年)、東京都本土部および多摩部(2020年)、長野県(2015年)では『準絶滅危惧種』として扱われているのが現状です。
このように、各地で生息状況に差があり、地域ごとの取り組みが求められています。
表に記載されている『絶滅危惧種』『絶滅危惧Ⅱ類』などについては、次の章で詳しく解説しますので参考にしてください。
タマムシも登録されている『絶滅危惧種』とは
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環境省などが発表するレッドリストに掲載されている生き物のうち『絶滅危惧Ⅰ類』や『絶滅危惧Ⅱ類』に分類された種や亜種、変種は、まとめて『絶滅危惧種』と呼ばれています。
『絶滅危惧Ⅰ類』は、近い将来に絶滅してしまう可能性が高い生き物を指し、もっとも深刻な危機にある分類です。これに対して『絶滅危惧Ⅱ類』は、現時点ではⅠ類ほど差し迫っていないものの、絶滅のリスクが高まっている生き物とされています。
また、絶滅危惧ⅠA類は絶滅危惧Ⅰ類の中でも『ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの』、絶滅危惧ⅠB類は『ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの』といった分類です。
『準絶滅危惧種』は、すぐに絶滅する心配は大きくないものの、環境の変化などによって将来的に絶滅危惧種になるかもしれない種を指します。つまり『絶滅危惧種』には分類されていない段階ですが、注意深く見守る必要がある存在です。
このような準絶滅危惧種を放置すると、やがて絶滅危惧種に移行してしまうおそれがあるため、早い段階での保全や調査がとても重要となるでしょう。
タマムシは一部の地域で絶滅危惧種となっている
タマムシは全国的には絶滅危惧種には指定されていませんが、地域によっては絶滅のリスクが高まっており、すでに保護対象となっている自治体もあります。
特に小笠原諸島に生息する一部の種類は、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に分類されているのが現状です。
ヤマトタマムシのような美しい昆虫がこれからも身近に見られるよう、私たち一人ひとりが自然や生き物に関心を持ち、環境保全に目を向けることが大切でしょう。
※この記事は、一部環境省、農林水産省、各自治体のウェブサイトを参照しています。
[文・構成/grape編集部]