愛媛代表として甲子園に出場したアドゥワ誠 地元熊本のために投げた187球のドラマに涙
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作新学院(栃木県)の54年ぶりの優勝で幕を閉じた夏の甲子園。
49校の出場校のうち、初出場が9校ありましたが、中でも注目を集めたのが、アドゥワ誠投手を擁する松山聖陵(愛媛県)です。
アドゥワ誠選手
ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、196cmと体格にも恵まれた将来有望な投手
2016年8月12日に行われた2回戦で決勝に進出した北海(南北海道)と対戦した松山聖陵。
アドゥワ誠投手の好投もあり、接戦を繰り広げましたが、9回裏に1点を奪われ、惜しくも敗退。アドゥワ誠投手の187球の力投も実らず、甲子園初勝利とはなりませんでした。
熊本出身のアドゥワ誠選手の想い
松山聖陵高校に通っていますが、アドゥワ誠選手の出身は熊本県。中学卒業後に、甲子園出場を目指して、愛媛県へ越境入学をしたのです。
実家は今も熊本県にあり、小学校時代や中学校時代に野球を通じて知り合った仲間も大勢、熊本にいると言います。
熊本工の主将だった溝越圭太選手も、そんなアドゥワ誠選手の球友の1人。2人は「甲子園で再会すること」を誓って、別々の高校に進学したと言います。
しかし、2人が高校3年生になる2016年4月に平成28年熊本地震が発生。
熊本工は休校となり、野球部は練習すらままならない状態だったとそうです。
「オレ、ここにおってええんかな」
アドゥワ誠選手は自問したと言います。
そんなアドゥワ誠選手を励まし、背中を押したのは母である純子さんと、野球を通じて分かり合った熊本時代の仲間たちでした。
「大丈夫やけん。
心配せんで野球に打ち込め!」
この励ましの言葉を胸に、アドゥワ誠選手は運命の愛媛大会へと向かいます。
愛媛大会を勝ち抜き見事に甲子園へ
自らを奮い立たせたアドゥワ誠選手は愛媛大会で見事なピッチングを披露し、夏の甲子園に出場。
熊本工は惜しくも甲子園出場とはなりませんでしたが、溝越選手もテレビで親友が甲子園で躍動する姿を目に焼き付けたそうです。
甲子園で勝利を手にすることはできませんでしたが、松山聖陵とアドゥワ誠選手のひたむきに戦う姿は多くの人の心に響きました。
196cmという長身から投げ下ろす時速150kmを超えるスピードボールが魅力の逸材。
プロのスカウトも注目するアドゥワ誠選手が今後、どのような活躍をするのかに期待が集まります!