ヒグマの餌付け?北海道の公園に、鮭が大量放棄 職員「どうして?許せない」 By - grape編集部 公開:2016-09-18 更新:2018-05-16 クマ北海道知床 Share Post LINE はてな コメント 画像はイメージです 2005年に世界自然遺産に登録された、北海道の知床半島にある国立公園・知床国立公園。 知床には野生動物が多数生息しており、エゾシカやシャチ、マッコウクジラ、オオジロワシといった珍しい動物が生活しています。 生息動物の中で代表的なのが、ヒグマ。知床半島の生息数は200頭以上と推測され、世界でも屈指の高密度を誇っているそうです。 雄大な自然の中で生活する、野生動物たち。しかし、人間からの接触行為が問題になっています。 どうして!?ヒグマの出る敷地内に鮭の不法投棄 2016年9月17日、知床国立公園の公式Twitterは「なぜこんなことを?許せません」といった文章と共に写真を投稿しました。 そこに映っていたのは、公園の敷地内に不法投棄された大量の塩鮭でした。 【なぜこんなことを!許せません】知床国立公園、世界自然遺産内フレペの滝遊歩道にもほど近い道道沿いに投棄された塩鮭。ヒグマが見つける前に回収できたのが不幸中の幸いでした。一人の行為で全てが台無しになる。悲しくなります。 pic.twitter.com/ypdLfwc197— 知床自然センター (@shiretoko_NC) 2016年9月17日 どうして鮭が投棄されていたのか、理由はわかりません。しかし、知床国立公園は『利用者による、ヒグマの餌付けである可能性が高い』と捉えています。 一般的にヒグマは、栄養豊富な鮭を好む動物。2014年に北海道大学大学院農学研究院が「知床のヒグマは鮭をあまり食べない」と発表しているとはいえ、好物であることに違いはありません。 こういった行為によって、ヒグマは遊歩道が『ご飯がある』場所だと勘違いしてしまいます。出現するようになったヒグマは最悪の場合、食べ物のために人を襲う可能性も十分にあるのです。 目撃情報があったため、遊歩道を一時閉鎖することに… 鮭が発見された30分後、公園でヒグマの目撃情報が。公園の職員は、安全確認のため急きょ遊歩道を閉鎖します。 【フレペの滝遊歩道:閉鎖】10:35頃、遊歩道内にてヒグマの目撃があったため、フレペの滝遊歩道を閉鎖します。開放時間は未定です。Furepe waterfall trail was CLOSED by the bear sighting.(10:40発信)— 知床自然センター (@shiretoko_NC) 2016年9月17日 この後、職員によって入念な調査が行われました。2時間後に遊歩道は開放されましたが、ひとりの行為によって多くの人に迷惑がかかってしまったのです。 安全確認も、命がけの作業です。万が一、このような行為によってヒグマが人に近付くようになったら、職員の方が負傷する可能性もあるのですから。 野生動物に餌付けしないで! 知床では、ここ数年『クマに近付く人間の増加』が深刻な問題となっています。2013年にも斜里町の川や河原で、頭と内臓を人為的に切り取った鮭が大量投棄されていました。 環境省の施設、知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンターでは、10年前からウェブサイトで以下のように呼び掛けています。 キタキツネやヒグマ、海鳥などの野生動物にエサを絶対に与えないで下さい。 希少鳥類の営巣地や海鳥類のコロニー及びアマツバメ、イワツバメの繁殖地には立ち入らず、近くに留まらないで下さい。 ストレスにより繁殖をやめてしまうかもしれません。 写真撮影などで野生動物に近寄らないで下さい。 知床国立公園 羅臼ビジターセンター ーより引用 カメラマンや観光客の接近によって、ヒグマは徐々に人馴れします。その結果、人間の住居に接近したり、道路に現れて事故を引き起こしたり…といった事件が発生していまいます。 そして、ヒグマへの餌付けは最もやってはいけないこと。上記にもあるように、人を襲うようになったヒグマを駆除しなければならないのです。 野生の動物と人間は、地球で共存していかなくてはなりません。そのためには『必要以上に近づかないこと』が大切です。軽い気持ちで悲しい事件が起こらないよう、しっかりと肝に銘じておくべきですね。 出典 知床国立公園 羅臼ビジターセンター/@shiretoko_NC Share Post LINE はてな コメント
2005年に世界自然遺産に登録された、北海道の知床半島にある国立公園・知床国立公園。
知床には野生動物が多数生息しており、エゾシカやシャチ、マッコウクジラ、オオジロワシといった珍しい動物が生活しています。
生息動物の中で代表的なのが、ヒグマ。知床半島の生息数は200頭以上と推測され、世界でも屈指の高密度を誇っているそうです。
雄大な自然の中で生活する、野生動物たち。しかし、人間からの接触行為が問題になっています。
どうして!?ヒグマの出る敷地内に鮭の不法投棄
2016年9月17日、知床国立公園の公式Twitterは「なぜこんなことを?許せません」といった文章と共に写真を投稿しました。
そこに映っていたのは、公園の敷地内に不法投棄された大量の塩鮭でした。
どうして鮭が投棄されていたのか、理由はわかりません。しかし、知床国立公園は『利用者による、ヒグマの餌付けである可能性が高い』と捉えています。
一般的にヒグマは、栄養豊富な鮭を好む動物。2014年に北海道大学大学院農学研究院が「知床のヒグマは鮭をあまり食べない」と発表しているとはいえ、好物であることに違いはありません。
こういった行為によって、ヒグマは遊歩道が『ご飯がある』場所だと勘違いしてしまいます。出現するようになったヒグマは最悪の場合、食べ物のために人を襲う可能性も十分にあるのです。
目撃情報があったため、遊歩道を一時閉鎖することに…
鮭が発見された30分後、公園でヒグマの目撃情報が。公園の職員は、安全確認のため急きょ遊歩道を閉鎖します。
この後、職員によって入念な調査が行われました。2時間後に遊歩道は開放されましたが、ひとりの行為によって多くの人に迷惑がかかってしまったのです。
安全確認も、命がけの作業です。万が一、このような行為によってヒグマが人に近付くようになったら、職員の方が負傷する可能性もあるのですから。
野生動物に餌付けしないで!
知床では、ここ数年『クマに近付く人間の増加』が深刻な問題となっています。2013年にも斜里町の川や河原で、頭と内臓を人為的に切り取った鮭が大量投棄されていました。
環境省の施設、知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンターでは、10年前からウェブサイトで以下のように呼び掛けています。
カメラマンや観光客の接近によって、ヒグマは徐々に人馴れします。その結果、人間の住居に接近したり、道路に現れて事故を引き起こしたり…といった事件が発生していまいます。
そして、ヒグマへの餌付けは最もやってはいけないこと。上記にもあるように、人を襲うようになったヒグマを駆除しなければならないのです。
野生の動物と人間は、地球で共存していかなくてはなりません。そのためには『必要以上に近づかないこと』が大切です。軽い気持ちで悲しい事件が起こらないよう、しっかりと肝に銘じておくべきですね。