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厳しい宇宙の環境に耐えた「藻」が地球で再生!!

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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ドイツの研究機関である「Fraunhofer(フラウンホファー)」が、ISS(国際宇宙ステーション)」の船外に約530日放置したあと回収し、昨年6月に地球に持ち帰った「藻(Sphaerocystisスファエロシスティス:粒状緑藻の一種)」が、なんと、生きていたと発表し話題になっています。

つまりこの藻は、530日間もマイナス20度からプラス47度までの温度変化の宇宙空間のなかにさらされながら、厳しい紫外線も直接受けてもなお生き延びたということが立証されたわけです。

これまで藻は、乾燥させると、成長や代謝が一時停止され休眠状態になることは知られていたそうなんですが、それが宇宙空間でも有効かどうかはわかっていなかったんだそうです。フラウンホファーの細胞免疫学研究所のトーマス・レヤ博士は「私が知る限り、これは宇宙ステーションの表面に露出した植物の最初の報告です」と語っています。

今回の結果で、生物の存在しない惑星に隕石や彗星に付着した有機物が生命をもたらすことがあるという「パンスペルミア説」が証明され、また、火星などの空気の薄い惑星での植物栽培の可能性がますます身近になってきたと言えそうです。

ちなみにこの藻は、地球に持ち帰り、地上で再び生命を取り戻し、通常の状態にわずか2週間で再び緑色に戻ったということなんですが、まだ研究は続いているそうなので、それが何らかの新たな病気の解明に役立つことも期待されます。

ちなみに、イーロン・マスク氏率いるスペースXが2月打ち上げ予定の「ファルコン9号」にはアメリカで毎年9万人が感染症を発症し、約2万人の死亡が確認された「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)マーサ」を搭載して、宇宙空間での菌の突然変異による新薬の開発を試みるそうです。こちらは爆破事故を起こして菌をばらまかないことを祈ります。


[文/構成 土屋夏彦/grape編集部]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

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出典
Fraunhofer

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