「早くしろっ!急いでるんだ」キレる中高年は、なぜ自分だけはキレていいと考えるのか
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コンビニやスーパーで、店員に向かって怒鳴り散らす人を見たことはありませんか。
※写真はイメージ
強い口調で、店員に対して命令をしている中高年を見ることは、珍しいことではありません。
新聞の投書欄にも「なぜ中高年の男性は店員に対して偉そうに振る舞うのか」「店員に対して理不尽に接していいという教育でもあったのか」といった疑問の声が寄せられることもあります。
もちろん、中には店員に対して「~をお願い」「~をくれるかな」と柔らかな口調で、伝える人もいます。乱暴な物言いをする人のほうが目立つという問題もあるでしょう。
それでも、接客業に従事する多くの人にとって「中高年のオジサン」は、注意すべき人物だといいます。
Twitterに寄せられる体験談に「気が滅入る」
昔とは違い、人々の傍若無人な振る舞いは、Twitterなどのインターネットを通じて、世の中に拡散されます。
そういった体験談を見て行くと『キレる中高年』に対し、多くの人が不満を感じていることが分かります。
20代男性
会社での役職が、プライベートでも通用すると思っている人が多い気がする。「誰もキミのことなんか知らないよ」と、誰かが教えてあげるべきだ。
30代女性
50代以上の人たちの時代は男性がいま以上に強く、尊重されていた。当時だって不満に思っていた人はいたはず。
しかし、「年長の男性」というだけでお咎めなし。その時代が忘れられないのでは。
皮肉を込めて『キレる中高年』を批判する投稿が数多く見られます。
しかし、一方ではキレる中高年に対して、「負の連鎖」という可哀想な側面もあるという意見もありました。
20代男性
確かにキレる中高年は多い。そのこと自体は褒められることではないだろう。
しかし、そういった人たちは社会の中で、取引先や上司にキレられながら育ったのでは。「負の連鎖」によって成長してきた自負があるからこそ、その呪縛から逃れられないような気がする。
確かに、現在よりも言葉遣いや振る舞いが乱暴だった時代を生き抜いてきた世代からすると、「これぐらいは当たり前」という感覚があるのでしょう。
だからといって、「店員に対して横暴な振る舞いをしていい」ということにはなりませんが、「勘違いをしてしまう」という部分に関しては仕方ないのかもしれません。
「負の連鎖」を断ち切ることはできるのか
キレる中高年が「負の連鎖」によるものだとすると、コンビニやスーパーの店員は『未来のキレる中高年』なのでしょうか。
決してそんなことはありません。
多くの人が「見苦しい振る舞いをする人間にはなりたくない」といい意味でキレる中高年を反面教師にしているようです。
30代男性
学生時代にコンビニでバイトをしていた時のこと。隣に住むおじさんが店に来て横暴な態度をとった。
自分に気付かなかったから「いつもの態度」が出てしまったんだと思うけど、正直幻滅した。以来、「店員に横暴な態度はとるまい」と心に決めている。
20代女性
ウチの父はキレる中高年。だから一緒に出掛けるのが恥ずかしくて仕方ない。
子どものころから、自分は絶対にそういう人間になりたくないと思っていた。たとえ恋人でも、それだけは絶対に譲れない。
また、中には上の世代が、若い世代の振る舞いを見て「襟もとを正そう」と考えることもあるようです。
60代男性
バスを降りる時に、運転手さんに「ありがとう」といっている女子高生を見た。自分の振る舞いを思い返し、それ以降は「ありがとう」をいえる人間になろうと思っている。
※写真はイメージ
連鎖するのは、ネガティブなことばかりではありません。当たり前のことですが、ポジティブな振る舞いも連鎖して行きます。
また、必ずしも上の世代の振る舞いが下の世代へと伝播するわけではありません。
誰に対しても、敬意を持って接する…そんな当たり前のことを多くの人が実践できれば、世の中はもう少し過ごしやすくなるのではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]