「カミングアウトの意義とは?」 レズビアンの告白に考えさせられる By - 山下さちこ 公開:2018-12-06 更新:2020-04-28 LGBT Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ メディアでもLGBTに関する話題がたびたび取り上げられ機会も増え、LGBTへの社会的関心が高まりつつあることを感じるようになりました。 しかし、LGBTの人たちからは、「そこまで注目される理由が分からない」「特別視されている感じがして嫌だ」といった声も聞こえてきます。 彼らが抵抗感を覚えている理由の1つは、「カミングアウトを積極的に行わせようとする風潮」。 事実、筆者が出会った同性愛者の女性も、昨今の社会の風潮に違和感を覚えていると語っていました。 「こっちだってタイミングを気にしてるんだよ」 特に信頼している友人には、レズビアンであることを伝えているという、都内在住のAさん(仮名)。自身の性的嗜好を自覚したのは、大学4年生のころだったといいます。 ――レズビアンだと自覚したきっかけは? 高校のころから何人かの男性と付き合ったんですけど、どれもしっくりこなかったんですよね。 最初は付き合うことに慣れていないだけかと思ったんですけど、それが2人、3人…ってなると、さすがに「あれ?」みたいな(笑) で、興味本位でいった『LGBT』の人が集まるイベントで知り合った女の子とすごい意気投合して。男性のときにはなかった感覚っていうか、それで自覚した感じですね。 ――カミングアウトの理由は? 友人にはストレートの人も多くって、特に女同士で集まると『恋話』で盛り上がるんですよ。 その度に、相手の性別を異性に置き換えて「彼は」とかって語るのに疲れちゃったのと、面倒臭くなってしまったっていうのが、1番の理由かもしれません。 いま考えてみれば、勝手に気を使って、勝手に疲れてるだけなんですけどね。 ――LGBTを支援する昨今の風潮は関係あるか。 うーん…どちらかというと、あまり関係ないかもですね。 カミングアウトしやすくなった感覚は多少なりともあります。だけど、レズビアンだとかゲイだとか、自ら積極的にいうことではないのかなって個人的には思っているんで。 ――積極的にカミングアウトしない理由は? だって、異性愛者に置き換えたら「自分、女好きでーす」「わたし、男の人が好きでーす」っていっているのと同じじゃないですか? それって、わざわざいう必要ある?って感じしませんか(笑) それくらい、自身の性的嗜好を周りに伝えることは特別なことではないんだよって思ってます。 さらに、Aさんは続けます。 あと、いまの社会の風潮って「カミングアウトしようよ!」って押し付けがましい。 とりあえずカミングアウトさせたがってる感じがして「そこじゃないよ!」ってつっこみたくなります(笑) ――カミングアウト時は緊張するか。 タイミングは選んでいます。 それに、カミングアウトしやすい環境が整っていると主張する人もいますけど、はたからみたら分かりませんしね。そんな社会から「どうぞ!」っていわれても、いやいや…ってなっちゃいますよ。 ――カミングアウト後の理想的な返答とは? え、なんだろ(笑) レズビアンだろうとゲイだろうと、会話とか仕事とか…日常的に接する上では別に支障はないと思うんです。すっごいワガママな意見かもしれませんが、サラッと流してくれる程度かな。 特別なことではないので、それぐらいがちょうどいいかなって。 Aさんが語るように、これはあくまで『個人的な意見』であり、中には、いまの社会の風潮を嬉しく思っている人もいることでしょう。 そんな中で、いまもずっと心に残っているのは「特別なことではない」という、Aさんのひと言。 もしも自分が性的嗜好以外でカミングアウトしたいことがあったとき…あなたは、どういう心境になるでしょうか。 自分自身に置き換えてみると、Aさんのいった意味が自然と理解できるはずです。 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
メディアでもLGBTに関する話題がたびたび取り上げられ機会も増え、LGBTへの社会的関心が高まりつつあることを感じるようになりました。
しかし、LGBTの人たちからは、「そこまで注目される理由が分からない」「特別視されている感じがして嫌だ」といった声も聞こえてきます。
彼らが抵抗感を覚えている理由の1つは、「カミングアウトを積極的に行わせようとする風潮」。
事実、筆者が出会った同性愛者の女性も、昨今の社会の風潮に違和感を覚えていると語っていました。
「こっちだってタイミングを気にしてるんだよ」
特に信頼している友人には、レズビアンであることを伝えているという、都内在住のAさん(仮名)。自身の性的嗜好を自覚したのは、大学4年生のころだったといいます。
――レズビアンだと自覚したきっかけは?
高校のころから何人かの男性と付き合ったんですけど、どれもしっくりこなかったんですよね。
最初は付き合うことに慣れていないだけかと思ったんですけど、それが2人、3人…ってなると、さすがに「あれ?」みたいな(笑)
で、興味本位でいった『LGBT』の人が集まるイベントで知り合った女の子とすごい意気投合して。男性のときにはなかった感覚っていうか、それで自覚した感じですね。
――カミングアウトの理由は?
友人にはストレートの人も多くって、特に女同士で集まると『恋話』で盛り上がるんですよ。
その度に、相手の性別を異性に置き換えて「彼は」とかって語るのに疲れちゃったのと、面倒臭くなってしまったっていうのが、1番の理由かもしれません。
いま考えてみれば、勝手に気を使って、勝手に疲れてるだけなんですけどね。
――LGBTを支援する昨今の風潮は関係あるか。
うーん…どちらかというと、あまり関係ないかもですね。
カミングアウトしやすくなった感覚は多少なりともあります。だけど、レズビアンだとかゲイだとか、自ら積極的にいうことではないのかなって個人的には思っているんで。
――積極的にカミングアウトしない理由は?
だって、異性愛者に置き換えたら「自分、女好きでーす」「わたし、男の人が好きでーす」っていっているのと同じじゃないですか?
それって、わざわざいう必要ある?って感じしませんか(笑)
それくらい、自身の性的嗜好を周りに伝えることは特別なことではないんだよって思ってます。
さらに、Aさんは続けます。
あと、いまの社会の風潮って「カミングアウトしようよ!」って押し付けがましい。
とりあえずカミングアウトさせたがってる感じがして「そこじゃないよ!」ってつっこみたくなります(笑)
――カミングアウト時は緊張するか。
タイミングは選んでいます。
それに、カミングアウトしやすい環境が整っていると主張する人もいますけど、はたからみたら分かりませんしね。そんな社会から「どうぞ!」っていわれても、いやいや…ってなっちゃいますよ。
――カミングアウト後の理想的な返答とは?
え、なんだろ(笑)
レズビアンだろうとゲイだろうと、会話とか仕事とか…日常的に接する上では別に支障はないと思うんです。すっごいワガママな意見かもしれませんが、サラッと流してくれる程度かな。
特別なことではないので、それぐらいがちょうどいいかなって。
Aさんが語るように、これはあくまで『個人的な意見』であり、中には、いまの社会の風潮を嬉しく思っている人もいることでしょう。
そんな中で、いまもずっと心に残っているのは「特別なことではない」という、Aさんのひと言。
もしも自分が性的嗜好以外でカミングアウトしたいことがあったとき…あなたは、どういう心境になるでしょうか。
自分自身に置き換えてみると、Aさんのいった意味が自然と理解できるはずです。
[文・構成/grape編集部]