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樹木希林の言葉に、じん… 『学校に行きたくない君へ』

By - grape編集部  公開:  更新:

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不登校当事者やその保護者、支援者に向けて、月に2回発行されている情報交流紙『不登校新聞』

読者に人気の『著名人へのインタビュー』は、不登校やひきこもりの当事者・経験者である『子ども若者編集部員』がインタビューや編集に携わっています。

2018年には創刊20周年記念として、このインタビュー記事をまとめた本『学校に行きたくない君へ』が発行され、話題になりました。

その中でも特に反響の大きかった、2018年9月に亡くなった俳優・樹木希林さんのインタビューの内容を、一部ご紹介します。

樹木希林「難があるから、有難い」

樹木さんは映画『神宮希林 わたしの神様』の中で、夫・内田裕也さんについて「ああいう御しがたい存在は自分を映す鏡になる」と話していました。

インタビュアーがこの言葉について「不登校にも通じる話」と感想を述べると、樹木さんは仏教の『釈迦』とその弟子『ダイバダッタ』を例にあげ、内田さんの存在を次のように語っています。

お釈迦さんの弟子でダイバダッタという人がいます。でも、この人がお釈迦さんの邪魔ばっかりする、というかお釈迦さんの命さえ狙ったりする。

お釈迦さんもこれにはそうとう悩んだらしいですが、ある日「ダイバダッタは自分が悟りを得るために難を与えてくれる存在なんだ」と悟るんです。

私は「なんで夫と別れないの」とよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。ありがたいというのは漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書きます。

人がなぜ生まれたかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか。

書籍『学校に行きたくない君へ』(全国不登校新聞社・編) ーより引用

「自分にとって不本意なことをしてくる存在の受けとめかたを変えると、素晴らしいものに見えてくるかもしれない」といった樹木さん。

そのように思うきっかけは、病気になったことが大きかったそうです。

やはりがんになったのは大きかった気がします。ただ、この年になると、がんだけじゃなくていろんな病気にかかりますし、不自由になります。

でもね、それでいいの。そうやって人間は自分の不自由さに仕えて成熟していくんです。若くても不自由なことはたくさんあると思います。

それは自分のことだけでなく、他人だったり、ときにはわが子だったりもします。

でも、その不自由さを何とかしようとするんじゃなくて、不自由なまま、おもしろがっていく。それが大事なんじゃないかと思うんです。

書籍『学校に行きたくない君へ』(全国不登校新聞社・編) ーより引用

人生は思い描いたようにはならないもの。

「不自由を悲観せず、ありのままを面白がる」という樹木さんの達観したスタンスに、心が救われる人も多いのではないでしょうか。

最後に、樹木さんはこんな言葉で締めくくっています。

お釈迦さんがね、「人間として生まれることはきわめて稀なことだ」と言ってるの。

だったらね、生き続けなきゃ、もったいないじゃない。

書籍『学校に行きたくない君へ』(全国不登校新聞社・編) ーより引用

『学校に行きたくない君へ』には、樹木さんのほか、タレントのリリー・フランキーさんや漫画家の荒木飛呂彦さんなど、さまざまな著名人のインタビューが収められています。

人生に迷いを感じたり、つらい気持ちになったりした時、多種多様な人生観から自分に合うヒントをもらえるかもしれません。一読してみてはいかがでしょうか。

ポプラ社 全国不登校新聞社 編

『学校に行きたくない君へ』

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[文・構成/grape編集部]

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出典
ポプラ社:学校に行きたくない君へ 

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