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「こんな缶詰、初めて!」 珍しい『中身』に島の人の想いが詰まっていた

By - 佐渡夏美  公開:  更新:

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世界中で流行している新型コロナウイルス感染症。感染リスクを下げるため、不要不急の外出を控えることが推奨されています。

しかし、旅行や外食を自粛する人が増えると、生産者や飲食店は売り上げが落ち苦しい状態に。

2020年4月に緊急事態宣言が発令されてから、長崎県・五島列島の生産者たちも販路を失って悩んでいました。

五島列島の海

そんな時、よく話題に上るデリバリーやテイクアウトとは『別の方法』と出会い、新たな販路を切り開くことに成功しています。

相談を受けに、社長が島まで足を運んだら?

五島列島の生産者たちからのSOSを受けたのは、日本産加工食品のプラットフォーム事業を行っている『エイチアンドダブリュー株式会社(以下、H&W社)』。

日本の第一次産業や食品製造業などを応援し、相談者と一緒に缶詰を共創開発している会社です。

数日でさばかないといけないデリバリーやテイクアウトと違って、常温で長期保存ができ、遠方への輸送も容易な缶詰は、まさにコロナ禍の救世主といえるでしょう。

H&W社のCEOである橋爪敦哉さんは、島の名産を商品化するにあたって、何度も島を訪れたといいます。

直接相談を聞いていると、島の人の口からは、予想外なこんな言葉が飛び出しました。

「魚がこんなに獲れて困っている」

なんと五島列島の人々は、海がきれいで豊漁すぎることにも悩んでいたのです!

「世界各国が魚を食べるようになった影響で、漁獲量が減ってきている」という相談が一般的なため、橋爪さんは初めての経験にビックリしてしまいました!

豊漁で販路がないのでは、苦しさは募るばかり。問題を解決するため、H&W社は島の3社と協力して缶詰を作ることにしました。

島の営みを感じるカラフルな缶詰

試作した15案の中から、商品化に至った缶詰3種類がこちら!

五島列島の名産を使用し、化学調味料や保存料を一切使用しない缶詰シリーズ『archipelago 五島』。2020年11月から発売されています。

五島の海を代表する小魚を使用した『キビナゴ 黒七味』は、鮮魚卸売業を営む『株式会社鯛福』との共創開発で誕生。骨まで柔らかくて、マイルドでありながら後からスパイシーさがジンワリと広がる一品ですよ。

新鮮なトビウオを使った『あご天 柚子胡椒』は、練り物の製造・販売を行う『株式会社しまおう』との商品。

ユズの香りが揚げかまぼこを風味豊かに彩り、お酒にも合いそうな味わいです。

五島列島の北部に位置する上五島で、丁寧に育てられた肉厚な貝を使用した『ヒオウギ貝 昆布オイル煮』は、水産加工食品の製造・販売を行う『株式会社マルオト』との商品。

筆者も実際に食べてみましたが、貝ヒモまで柔らかで、昆布のうまみと油がよく溶け合っていてご飯に合いました。

どの缶詰も、そのまま食べるもよし、料理に使うもよし!

ツナやサバなど、普段よく目にする缶詰とは違った変わり種の缶詰を食べると、材料や獲れた場所への興味が湧いてきそうですね。

橋爪さんによると、「台湾などのアジアの方々は、けっこうユズ好き。なので、今回は海外に出すこともイメージした商品を優先しました」とのこと。

缶詰で困っている人々を助ける時には、ほかにどのような点に気を配っているのでしょうか。インタビューし、深堀りしてみました。

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