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クラウドファンディングとは? 仕組みや歴史・注目されている理由

By - grape編集部  公開:  更新:

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近年、『クラウドファンディング』という言葉が頻繁に話題にのぼるようになりました。

言葉そのものは聞いたことがあっても、具体的にどのようなものかを把握しきれていない人も少なくないでしょう。

また、概要は把握していても、どのような場面で活用できるのかイメージが湧かないといった場合もあります。

当記事では、クラウドファンディングの仕組みや歴史、注目されている理由を解説します。

クラウドファンディングについての理解を深める際の参考になれば幸いです。

クラウドファンディングとは?

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クラウドファンディングとは、クラウド(crowd:群衆)とファンディング(funding:資金調達)を組み合わせた造語で、インターネットを介して資金を調達する方法を指す言葉です。

クラウドファンディングの参加者は『起案者』と『支援者』に分けられます。

起案者が自分の夢やアイディア、活動に対する出資を呼びかけ、起案者に賛同した支援者が出資する仕組みとなっています。

クラウドファンディングの歴史

クラウドファンディングは近年よく聞かれるようになった言葉ですが、仕組みそのものの起源は古い時代にさかのぼります。

例えば、日本では、寺院や仏像などを造営、修復するための『勧進(かんじん)』が知られており、中でも1180年に焼失した東大寺と大仏のために、翌年から行われた修復が有名です。

また、海外でも古くから美術など芸術活動の資金集めが行われていました。

クラウドファンディングは、インターネットの普及に伴い2000年代後半からアメリカで盛んに行われるようになり、日本でも音楽分野のファンディングが形成されました。

その後、日本で大きく認知度が上がったのは2011年の東日本大震災がきっかけです。

少額からの支援が可能で、資金の使い道が明瞭である点が復興支援とマッチし、クラウドファンディングは被災地の復興に大きく貢献しました。

以後、クラウドファンディングは日本でも一定の知名度を獲得。オリジナルグッズの制作からロケットの打ち上げまで、多方面でクラウドファンディングの利用が活発になりました。

クラウドファンディングの主な種類

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クラウドファンディングは『投資型』と『非投資型』に大別され、さらに細かく分類すると、投資型と非投資型を合わせて5種類に分けられます。

それぞれ特徴が異なるため、自分に合う方法を選ぶことが大切です。

ここでは、クラウドファンディングの種類と特徴を紹介します。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、市場に出回っていない物品や権利、サービスなどを販売することによって出資を募る方法です。

日本国内で行われている非投資型のクラウドファンディングのうち、大多数が購入型です。

購入型の場合、起案者は『All of Nothing型』『All In型』の2通りの資金調達法のうち1つを選びます。

『All or Nothing型』は、募集期間内に目標金額を達成した場合にのみプロジェクトが成立し、支援者が支援金を支払う方法です。

一方、『All In型』は目標金額に関係なく、1人でも支援者が現れればプロジェクトが成立します。

購入型の場合、販売された物品やサービスがリターンとして提供されます。

金銭的なリターンはありません。

そのため、支援者が応援のためにグッズなどを買うような感覚で支援できるという特徴があります。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、社会貢献性の高いプロジェクトで用いられる方式です。

例えば、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症流行時など、災害や疫病で誰かが困っている際に増える傾向にあります。

寄付型は、文字通り支援金を『寄付金』として受け取ります。

寄付型の場合、街頭での寄付と同様、基本的にリターンはありません。

ただし、対価性のないものに限りリターンとして設定が可能です。

例えば、お礼の手紙や写真などは対価性がないため、寄付型のリターンとして設定されることがあります。

株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは、個人投資家から資金を調達する方法です。

株式投資型の場合、起案者は個人ではなく企業であるという特徴があります。

株式投資型を利用する際には、第一種少額電子募集取扱業の資格が必要です。

また、起案者側には『年間の支援総額1億円未満』、支援者側には『1社あたり50万円まで』といった支援金額の制限がかかっています。

株式投資型はリターンも非常に特徴的で、『支援先の企業の株式』、つまり『非上場企業の未公開株式』をリターンとして獲得可能です。

支援先の企業にIPOやM&Aの可能性があれば、リターンがさらに大きくなることも見込まれるため、資産運用として活用されるケースもあります。

ファンド型クラウドファンディング

ファンド型クラウドファンディングは、特定の『事業』に対して個人投資家からの出資を募る方法です。

ファンド型による資金調達は、株式型と同様に、個人ではなく企業が行います。

支援者である個人投資家に対しては、金銭的なリターンが生じます。

リターンの額は売上などの成果や出資額に応じて変化するため、ファンド型では対象の事業が成功するかどうかが重要なポイントです。

また、金銭的なリターンだけでなく、対象の事業で作られた物品やサービス、対象の割引券などを併せてリターンに設定することもあります。

融資型クラウドファンディング

融資型クラウドファンディングは、『ソーシャルレンディング』とも呼ばれている資金調達法です。

事業者が支援者である個人投資家と起案者との仲介となり、複数の個人投資家から集めた小口の資金を大口化し、支援金としてまとめて起案者に渡します。

融資型は金融商品として扱われるため、仲介する事業者は『貸金業法』や『金融商品取引法』の法律規制を受けます。

支援者は、リターンとして支援金に対する利息を受け取ることが可能です。

リターンの利回りは、起案者がクラウドファンディングで募集する時点で設定されています。

クラウドファンディングが注目されている理由

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2017年度以降、クラウドファンディングの市場規模は爆発的に拡大しました。

新規プロジェクト支援額は、2017年度以降は1500〜1800億円程度をキープしています。

特に2020年度はコロナ関連のプロジェクトが急増し、前年度と比べても17.6%増の1841億7700万円となりました。

2021年度にはコロナ関連のプロジェクトが落ち着くため、2020年度より市場規模が減少する見通しです。

それでも、1500億500万円と、2021年度もこれまでと見劣りしない規模であることがうかがえます。

クラウドファンディング市場が伸びている背景には、支援者と起案者の双方から注目が集まっていることが挙げられます。

クラウドファンディングは、誰もが事業や新商品開発に関われる上、市場に出回らない物品やサービスを入手できる点が魅力的です。

起案者にとっては、資金調達の選択肢が増え、資金調達と同時にテストマーケティングやPR活動の場として活用できる点が注目されています。

クラウドファンディングは、多くの人々が参加する資金の調達法として定着しており、今後もさまざまな分野において重要な役割を担うことが期待されます。

まとめ

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クラウドファンディングによって、従来の資金調達法では拾い上げられなかったアイディアや活動に資金提供が行われるようになりました。

市場規模の拡大からもうかがえるように、クラウドファンディングは、今後も多くの個人や事業者の活動を支える仕組みとして注目され続けるでしょう。

クラウドファンディングは種類も多く、一見複雑な仕組みに感じられますが、仕組みはいたってシンプルです。

透明性も高く、プロジェクトが成立しなければ支援金は全額返金されるため、起案者も支援者も比較的参加しやすくなっています。

興味がある場合は、一度サイトに登録してみるとよいでしょう。


[文・構成/grape編集部]

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