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ガムには賞味期限がない! 食べられるかどうかの見分け方や保存方法を紹介

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

「ガムに賞味期限はあるのか」と疑問を持たれている人もいるのではないでしょうか。一般的なガムには、賞味期限の記載がありません。食品表示法により、品質が保たれる期間が長い商品には、賞味期限の記載をする必要がないためです。

しかし、キシリトールガムなどの『特定保健用食品』には賞味期限の表示があります。メーカーにより異なりますが、賞味期限は1〜1年半ほどです。賞味期限内であっても、保存方法が悪いと、品質や味が劣化してしまう可能性があります。

本記事では、ガムの賞味期限や食べられるガムの見分け方、保存方法などを解説します。本記事を読めば、自宅にあるガムが食べられるかを知れるため、ぜひ参考にしてください。

ガムには賞味期限がない

ガムを手に載せた写真

ほとんどのお菓子には賞味期限の記載がありますが、ガムにはありません。理由は、ガムの原材料や食品表示法にあります。

ガムは、ガムベースや香料など、水分が少なかったり品質が劣化しにくかったりする材料で作られています。そのため、ガムは長期間、保存しても品質が劣化しにくいです。

品質が保たれる期間が長い食品は、食品表示法により賞味期限の表示を省略できることになっています。つまり、品質の劣化が少ないガムに、賞味期限を表示する必要はありません。

しかし、賞味期限がないとはいえ、保存方法によっては品質が劣化して味や風味が損なわれることもあります。ガムは、ほかのお菓子に比べて長持ちしますが、保存方法には注意が必要です。

ガムの保存方法は後ほど解説します。

そもそもガムってどんな食べ物

コンビニやスーパーなど、どこに行っても見かけるガム。日常にすっかり馴染んでいるガムですが、起源はマヤ文明までさかのぼります。

当時のマヤ文明を築いたメキシコの民族は『サポディラ』という木から採取した樹液を煮込んで、それ(ガム)を噛む習慣がありました。西暦800年をピークにマヤ文明は衰退するも、ガムを噛む習慣はメキシコ・インディオに引き継がれます。

その後、西暦1500年〜1600年に、スペインがその地を征服。スペイン系移民の間でガムが広まり、西暦1800年代にはアメリカに浸透しました。日本に初めてガムが輸入されたのは、1916年のことです。

現代ではガムベースに甘味料や香料が加えられて、さまざまな味を楽しめる手軽なお菓子として世界に広がっています。ガムベースとは、弾力のある部分を指します。口に入れたガムを噛み続けていると、時間とともに味がなくなっていき、弾力のある部分だけ残りますよね。

残った弾力の物体が、ガムベースです。ちなみに、ガムベースは熱い飲み物やチョコレートなどと一緒に、飲んだり食べたりすると溶けてしまいます。これは、飲み物の温度やチョコレートの油分との化学反応による現象です。

気になる人は熱い飲み物やチョコレートなどと一緒にガムを口に含んでみてください。気づいたら、ガムが小さくなっていますよ。

粉ガムにも賞味期限の記載はない

粉ガムとは、その名のとおり粉状のガムのことです。バブルガムともいわれており、口にいれて舌でこねていると、水分と絡まって普通のガムになります。

特に若年層の間で流行っている粉ガムですが、普通のガム同様に水分が少なく劣化しにくいため、賞味期限の記載はありません。

購入して期間が経ちすぎたガムは食べないほうがよい

理論上、品質が劣化しにくいガムは、未開封であれば10年放置しても食べられます。

しかし、ガムを梱包している紙は、10年も放置すれば劣化してしまい、破れている可能性があります。梱包紙の劣化により、厳密には未開封ではなくなっているでしょう。その場合、空気や湿気にふれてガムそのものも劣化しています。

そのため、購入して期間が経ちすぎたガムは食べないほうがよいです。

キシリトールガム(特定保健用食品)の賞味期限は1〜1年半

キシリトールガムの写真

キシリトールガムの賞味期限は1〜1年半といわれています。ここで気になるのが「キシリトールガムに賞味期限があるのはなぜなのか」ではないでしょうか。キシリトールガムに賞味期限の記載がある理由は、特定保健用食品に該当するからです。

特定保健用食品とは、健康リスクを低減する効果のある食品のこと。特定保健用食品に認定されるには、消費者庁長官からの許可をもらったうえで、次の文面を商品に表示する必要があります。

  • 商品名
  • 消費期限または賞味期限
  • 保存の方法
  • 製造所所在地
  • 製造者の氏名
  • 許可証票許可を受けた表示の内容
  • 栄養成分の量、熱量、原材料の名称
  • 特定保健用食品である旨
  • 内容量
  • 1日当たりの摂取目安量
  • 摂取の方法
  • 摂取をする上での注意事項
  • バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言
  • その他
健康長寿ネット ーより引用

キシリトールガムは、むし歯の原因になりづらく、なおかつ歯を丈夫にするなどの効果があります。健康上の効果があると公表しているキシリトールガムは、必然と特定保健用食品に該当するため、賞味期限を記載する必要があります。

ただし、メーカーにより賞味期限は異なるため、確認しましょう。

そもそもキシリトールとは

キシリトールとは、白樺などから採取できる植物性天然素材の甘味料のことです。 口の中で酸を作らない、糖アルコールの1種。糖アルコールは体内で消化・吸収されにくい性質があり、低カロリーです。

自然界にある果物や野菜にも、キシリトールは含まれています。イチゴやにんじんが一例です。

また、体内でも、1日あたり約15gのキシリトールが生成されます。特徴は、砂糖と同じくらいの甘みを持っているものの、カロリーが砂糖の4分の3と低い点です。国内では、平成9年に食用添加物として認められました。

食品に入っているイメージがあるキシリトールですが、以前から点滴に使われていました。医療分野で使われるほどの安全性から、米国では摂取量の上限のない食品として扱われています。

キシリトールガムを食べることで虫歯を予防できる可能性がある

キシリトールガムを噛むことで虫歯を予防できる可能性があります。そもそも虫歯は、虫歯菌が歯に残った糖を食べて分解し、酸を作ることで発生するものです。キシリトールも甘いため、食べることで糖が歯に残ります。

しかし、虫歯菌がキシリトール(糖)を食べても分解できないため、酸を作れません。

加えて、キシリトールが持つ甘みは、唾液の分泌をうながします。口内に増えた唾液により酸を中和する働きが強まり、結果として虫歯の予防につながります。

ほかにも、再石灰化(さいせっかいか)の促進により、歯を丈夫に保てる効果も。再石灰化とは、虫歯菌により溶かされた歯のエナメル質が、再び形成される現象のことです。

以上のことから、虫歯菌が酸を作れなかったり歯のエナメル質が形成されたりするため、キシリトールガムには虫歯予防の効果が期待できます。

キシリトールガムの摂取目安

お菓子メーカーのロッテによると、虫歯予防が目的の場合のキシリトールガムの摂取目安は「1回に2粒を5分噛み、1日7回食べる」とされています。つまり、虫歯予防のためにキシリトールガムを摂取するなら、1日に14粒を食べる必要があります。

多いと思う人もいるかもしれません。実際、14粒は、紙に梱包されたキシリトールガム1個分に当たります。「虫歯を予防したいけど、毎日ガムを1個買うのはもったいない」と感じる人は、ボトルタイプがおすすめです。

紙に梱包されたガムよりも多めに入っているため、コストパフォーマンスが高いです。キシリトールガムの効果を得るためには、摂取目安を守って食べましょう。

キシリトールガムの食べすぎは下痢の原因になる

キシリトールガムの注意点は、食べすぎることで下痢になる可能性があることです。キシリトールは、食べることで腸内の糖アルコール濃度が上昇します。糖アルコール濃度を薄めようと、腸に水分が集められます。結果として、腹痛や下痢を引き起こす原因に。

実際、キシリトールガムの製品には「一度に多量に食べると、おなかがゆるくなることもあります」などと記載があります。腹痛や下痢を引き起こさないためにも、摂取目安を守りましょう。

ただし、人によっては摂取目安を守っていても、腹痛や下痢などの症状を起こすこともあります。お腹が弱い人は、1日1粒など、様子を見ながら食べるほうが無難です。

食べられるガムの見分け方

カラフルなガムの写真

賞味期限が記載されていないガムは、見た目や風味で、食べられるか判断する必要があります。食べられるガムかを見分けるには、次の4つのポイントを確認しましょう。

  • パキパキになっていないか。
  • ガムの周り(糖衣)が溶けていないか。
  • ヘンな匂いはしないか。
  • カビは生えていないか。

長年の放置でガムが乾燥すると、パキっと折れてしまうほどに固くなっていることがあります。乾燥しただけのため、味や匂いは正常な場合もありますが、ガム特有の食感は楽しめないでしょう。

また、ガムの周り(糖衣)が溶けていると、味が損なわれている可能性があります。ヘンな匂いがしたりカビが生えていたりする場合は、いうまでもなく食べないでおきましょう。

食感や味を楽しむためには、パキパキになっていたり糖衣が溶けていたりするガムは食べず、捨ててしまうことをおすすめします。

ガムの保存方法

板ガムの包装紙を開い写真

ガムは賞味期限がありませんが、保存方法によっては品質が劣化します。ガムの正しい保存方法は次の2つです。

  • 多湿を避ける。
  • 直射日光を避ける。

誤った保存方法は、ガムの品質が劣化したり味が損なわれてしまったりします。ガムを長持ちさせるためにも、保存方法をおさえておきましょう。

多湿を避ける

多湿の場所に長期間置かれたガムは、湿気でカビが生える可能性があります。よくあるのは、お風呂に入る前に、ポケットに入れたガムを脱衣場に置いて、そのまま忘れ去ってしまうケース。

脱衣場は、家の中でも特に湿気が多いため、ガムにカビが生えやすいです。ガムを長持ちさせるためには、リビングなどの湿気がこもりにくい場所で保存しましょう。

直射日光を避ける

直射日光が当たる場所にガムを置いていると、糖衣が溶けてベトベトします。結果、やわらかくなったり、風味が損なわれたりします。よくあるのは、車内のドリンクホルダーに置くケースです。

直射日光が当たりやすく、ガムがすぐに駄目になるかもしれません。車内でガムの置き場に困る場合は、ドリンクホルダーやポケットなどに入れておきましょう。

ただし、車内の温度によってはガムが溶けてしまう可能性があります。暑い場所に長期間置いておくのは避けて、持ち歩いたり室内などに保管したりするほうがいいでしょう。

ガムの賞味期限の見方

ガムのパッケージを摘まんでいる写真

特定保健用食品のガムの賞味期限は、基本的にパッケージの裏側や底に記載されています。普通のガムには基本的に賞味期限が表示されていません。

ガムは正しく保存しておいしく食べよう

ガムを食べている写真

ガムは、食品表示法の条件を満たしているため、賞味期限が記載されていません。キシリトールガムなどの特定保健用食品の場合は、賞味期限の記載があります。メーカーにより異なりますが、1〜1年半が賞味期限とされています。

ガムは賞味期限がありませんが、ヘンな匂いがしたり、ベトベトしたりするものは食べないほうが無難です。また、期間が経ちすぎたガムも品質が劣化している可能性が高いため、口にしないことが好ましいです。

ガムは、多湿や直射日光を避けて保存して、長持ちさせましょう。


[文・構成/grape編集部]

出典
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康寿命ネット

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