捨てるのはもったいない!『あの釜めしの容器』 メーカーおすすめの使い道にビックリ
公開: 更新:
エアコンをつけてるのに寒い… 企業が教える対策に「そうだったのか」冬に暖房を入れる際は、できるだけ効果的・効率的に部屋を暖めたいところですよね。とはいえ、暖房効果をアップさせるには具体的にどうすればいいのか、知らない人もいるでしょう。 本記事では、アイリスオーヤマ株式会社(以下、アイリ...
ラップの芯は捨てないで! 玄関掃除に活用すると… 「便利」「ナイス裏技」玄関掃除で掃除機を使いたくても、衛生面が心配で使いにくいという人も多いかもしれません。そこでおすすめしたいのが、家にあるトイレットペーパーやラップの芯を使う方法です。掃除のプロが紹介する裏技をご紹介します。
日本を代表する駅弁といえる『峠の釜めし』。もともとはJR信越本線の横川駅で販売されるローカルな駅弁でしたが、今やその人気は全国規模となっています。
みなさんの中にも「食べたことがある」「おいしかった!」という人は多いでしょう。
『峠の釜めし』は容器が陶器であるという点が非常にユニークです。では、なぜ陶器を使うことになったのでしょうか。
『峠の釜めし』の製造・販売元である、株式会社荻野屋(以下、荻野屋)に取材しました。
『峠の釜めし』を作った人は?
『峠の釜めし』を販売している荻野屋は、創業1885年という超老舗の弁当店です。古くからJR信越本線の横川駅構内で弁当を販売してきました。
荻野屋の話によれば、塩おにぎり2つとたくあん2切れといったシンプルな弁当の販売から始まったそうです。
大ヒット弁当『峠の釜めし』が誕生したのは、1957年のこと。翌1958年には販売が開始されたといいます。
昭和30年代後期頃の『峠の釜めし』
現在に続く名駅弁『峠の釜めし』を創った人は、荻野屋4代目当主の髙見澤みねじさんです。
髙見澤さんは、もともと山梨県から嫁いできた荻野屋当主の嫁でしたが、ご主人に先立たれて4代目となりました。
『荻野屋』4代目となった髙見澤みねじさん(写真左)
なぜ益子焼の容器が採用された?
ある時、焼き物の行商人が荻野屋を訪れて、益子焼の釜容器を髙見澤さんに見せます。
髙見澤さんは当時、自ら駅のホームに立ち、「どんなお弁当が食べたいですか?」と客に聞き続けていたそうです。
その結果、温かくて見た目も特徴的な弁当が望まれていることが分かり、その実現のために試行錯誤を繰り返していました。
そんな折に偶然持ち込まれた益子焼の釜容器を見て、「温かく食べられて楽しい」という新作の弁当にピッタリだと思い、「釜容器をお弁当の容器に使おう!」とひらめいたとのこと。
つまり、初めから『釜めし』というアイディアがあったわけではなく、客の要望を実現するための陶製の容器と出会った結果、『峠の釜めし』が誕生したのです。
瞬く間に名物弁当になった『峠の釜めし』
この高見澤さんのアイディアは大正解でした!益子焼の容器は、保温性が高く、通気性もいいので、温かいままで食べられるお弁当として人気を博し、横川駅の名物となりました。
また、駅弁は折り詰めが普通という固定概念を覆すユニークな存在となったのです。
荻野屋によれば「4代目の髙見澤みねじこそが中興の祖」とのこと。
さらに驚くのは、『すぐに益子焼の在庫数、千個を押さえた』という点です。ビビッとくるものがあったのでしょう。髙見澤さんは商才もあったのですね。
ちなみに、髙見澤さんの半生は、1967年放送の『釜めし夫婦』(フジテレビ系)というテレビドラマにもなっています。
峠の釜めしの容器はどこで作っているのか
そんな『峠の釜めし』の容器はどこで作られているのでしょうか。
荻野屋にうかがったところ「益子焼の窯元である、株式会社つかもと(以下、つかもと)さんが、荻野屋の『峠の釜めし』の容器を担当しています」とのこと。
つかもとは、栃木県芳賀郡ある1947年設立の老舗窯元です。
『峠の釜めし』の空き容器
『峠の釜めし』が誕生して、2023年現在までに1億7千万食以上が売れたそうなので、単純計算で益子焼の容器も同じ個数が作られたことになります。
つかもとの益子焼に興味のある人は、下記のウェブサイトを覗いてみてください。
株式会社つかもと
『峠の釜めし』の容器の使い道は?
『峠の釜めし』を食べた後には益子焼の容器が残ります。「もったいないので捨てられない!」という人も多いでしょう。
荻野屋にうかがったところ、このような意外な使い道があるようです。
益子焼の容器は火にかけられますので、1合のご飯を炊くのにご利用いただけます。
弊社のウェブサイトで炊き方をご紹介しているので参考にしてください。
ただし、繰り返し使用すると割れたりヒビが入ったりする場合がありますので、十分ご注意ください。
ほかにも荻野屋のウェブサイトでは、空き釜の利用方法として、カレーやグラタンなど多種多様な料理レシピも紹介しています。
空き釜を利用したご飯の炊き方
荻野屋おすすめレシピ
最後に、『峠の釜めし』の今後についてうかがったところ、このようなメッセージをもらいました。
陶器に器に入った『峠の釜めし』はみなさんのおかげをもちまして、2023年で65周年となりました。
1つの商品が65年続くというのもなかなかないことです。これもお客さまのおかげであると感謝しております。
われわれ荻野屋は、お客様のご期待を裏切ることのない製品をご提供し続けて参りますので、ぜひよろしくお願いいたします。
また、冷蔵食品の釜めしを開発し、ECサイトもオープンしました。ご注文いただければ、みなさんのご家庭で『峠の釜めし』を召し上がっていただけます。
ぜひそちらもよろしくお願いいたします。
容器が陶器ではない『峠の釜めし』(冷蔵タイプ)
ロングセラーにして大ヒット駅弁である『峠の釜めし』。
「一度も食べたことのない」という人がいたら、髙見澤さんの思いを現在に受け継ぐ、そのおいしさをぜひ味わってみてください!
先述したECサイトでは、冷蔵タイプの『峠の釜めし』(陶器・パルプモールド容器)を購入できます。興味のある人は覗いてみてはいかがでしょうか。
荻野屋公式オンラインストア
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]