【震災遺構を歩く】『奇跡の一本松』が物語る震災からの5年
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想像していたより高く、細かった。また海水につかり枯死し、保存処理が施されていたため風が吹いてもなびくことがなく、色も少し黒っぽい。か弱そうな松の木がどうやって一本だけ倒れずにいることができたのだろうと、不思議に思った。
木の隣にはやなせたかしさんがデザインしたモザイクタイル画が飾られていて、「優しく微笑む太陽が光を一本松に照らす」という、一本松に込められた希望が描かれていた。
津波に耐えることができた唯一の松として奇跡の一本松は震災後、多くの人々を勇気づけた。現在一本松の周辺は「復興祈念公園」として整備が進んでいる。
一本松の後ろには黄色い建物があった。建物の半分が完全に崩壊していて、通風機のようなものがすべて外壁から破り取られたかのように外れ、ケーブルからぶら下がっていた。後々調べてみるとここは以前、陸前高田ユースホステルとして高田松原公園内で営業を行っていたことがわかった。津波の被害に遭う前の施設は高田高原内にあり、松林に囲まれていた。
大きな被害を受けたユースホステルであったが、幸い2011年1月から長期運休中であったため人的被害はなかった。そしてこのユースホステルが盾となって波の力を弱め、奇跡の一本松が残ることができたとも言われている。
人間のような「命」はないかもしれないけれど、震災に遭遇したものすべてが己の存在を保つために波に耐え、それをきっかけに奇跡的に周りのものをも助けることができたという現実もあったのではないか。