エアコンから嫌な臭いがするのはなぜ? 三菱電機の回答に「それが原因だったのか」
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- 取材協力
- 三菱電機株式会社
夏は冷房、冬は暖房と年中使うことが多いエアコン。春と秋にも気温によっては利用するでしょう。
ただ、エアコンを使っていると嫌な臭いがすることがありませんか。実はこの臭いには理由があるのです。
エアコンの嫌な臭いの原因と対処法について、三菱電機株式会社(以下、三菱電機)に取材しました。
エアコンの臭いはなぜ発生する?
三菱電機に聞いてみたところ、以下のように回答がありました。
エアコンはプラスチックと金属で構成されており、製品自体から臭いが発生することはありません。
しかし、いくつかの原因により、エアコンから出る風で嫌な臭いを感じることが考えられます。
その原因とは、具体的に以下の4つだそうです。
1.エアコンを運転すると、室内の空気と一緒に壁やじゅうたん、家具、衣類などに染み込んだ臭いの成分がエアコン内部に吸い込まれます。この臭いの成分がエアコン内部の熱交換器などに付着し、運転時に臭いとして出てきます。
2.臭いの発生源としては、人の汗、たばこの煙、化粧品、食品、家具などが考えられ、普段の生活では気にならなくても、いろいろな臭いと混ざり合い、凝縮されることで独特な臭いとなる場合があります。
3.エアコン内部に付着した臭いの成分は、主に熱交換器が乾燥した状態から結露した状態に変化する時や、逆に結露した状態から乾燥した状態に変化する時に、空気中に多く放出されます。
4.冷房運転中にエアコンが高湿度な環境になると、風向フラップや通風路などにカビが発生することがあり、これが嫌な臭いの原因となります。
※写真はイメージ
エアコンの嫌な臭いの消し方
どうすればエアコンの嫌な臭いを消せるのでしょうか。三菱電機によると、以下のような方法がおすすめとのこと。
1.冷房運転を行う
窓を開けて冷たい風が出るような十分に低い設定温度で、冷房運転を1時間程度行うと、エアコン内部に結露した水が熱交換器についた臭い成分を洗い流してくれます。
運転中は結露水により臭いが発生する場合もありますが、徐々に軽減されます。
この時、屋外が80%以上の高湿度の時に窓を開けて、1時間以上運転すると、室内機に露が付き、滴下(てきか)して家財や床などを濡らし、汚損の原因になることも。
そのため、室内機の下にビニールシートなどを設置して防水対策をしてください。
2.カビを取り除く
カビ臭を抑えるためには、まずはカビを取り除くことが必要です。以下の手順に沿って作業を行ってください。
1.吹き出し口付近のカビを拭き取り、冷房運転してカビの臭いが軽減されたかを確認。
2.1でも改善されない場合は、通風路の手が届かない場所やファンにカビが生えている可能性がある。販売店またはメーカーの修理窓口などに問い合わせ、室内機の内部を洗浄してもらう。
3.カビを取り除いたら『内部クリーン』を設定。
『内部クリーン』設定をする
『内部クリーン』という内部乾燥運転が搭載されている機種では、運転停止後にエアコン内部を乾かし、内部に付着するカビ菌を抑制し、臭いの発生を軽減できることがあります。
臭いの原因が分からない場合は上記『1』、カビ臭いかもと感じたら『2』の方法を試してみてください。
※写真はイメージ
最後に、三菱電機にエアコンの臭い対策に関する4つのアドバイスをもらいました。
1.エアコン使用前にフィルターを掃除!
フィルターに付着したホコリを放置していると、臭いの発生する原因となるため、シーズン前に以下のお手入れをおすすめします。
1.取り外したフィルターのホコリを掃除機で吸い取るか、水洗いをして日陰でよく乾かす。
2.特に汚れがひどい時は、台所用中性洗剤を溶かしたぬるま湯(※)で洗う。その際、スポンジで優しく拭き取り、ブラシやたわしは使わない。
※水1ℓに対して、洗剤0.75㎖が目安。
3.水でよくすすいで洗剤を落とす。
4.柔らかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でよく乾かす。
また、フィルターが目詰まりしていると、エアコンの効きが悪くなるだけでなく、無駄な消費電力の発生にもつながるので要注意。節電対策としても、定期的なフィルター掃除はおすすめです。
2.自動フィルター掃除機能を活用!
メーカーにより異なりますが、自動フィルター掃除機能が作動すると、エアコン内部に固定されたブラシが、フィルターについたホコリをかき取ってくれます。
ただし、自動フィルター掃除機能が付いていても、使用環境により汚れの程度が異なるため、定期的なお手入れがおすすめです。
3.プロによるエアコン清掃も検討!
できれば年に一度はプロに任せて、エアコンの内部清掃を実施することを推奨しています。
エアコン内部の熱交換器やファンの掃除は、プロによるエアコンクリーニングが必要です。
自分で行うと、誤った洗浄方法により、内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障などを引き起こすことも…。
むやみにエアコン内部を濡らすと、予期せぬ故障や事故につながる可能性があり、最悪の場合は発火のリスクがあるため止めましょう。
4.室外機の周辺環境も確認!
ドレンホースにも要注意です。室外側のドレンホースの先端が排水溝などに入っていると、ドレンホース内部を排水溝の臭いが伝わり、室内に侵入する可能性も…。周辺環境もよく確認しましょう。
エアコンの使い始めなどには特に嫌な臭いがしがちですが、本格的に使用する前にはフィルター掃除を行うのがおすすめです。本記事を参考に快適にエアコンを使いましょう!
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]