「捨てられないものをどうする?」思い出を手放すタイミング
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
捨てられないものとのつきあい方
大片付けを始めて、かれこれ半月が経ちました。
週に二回のごみ収集日に、45リットルの袋を5、6個、燃えないゴミの日にも2袋。
着なくなった衣類は『古着deワクチン』に。本はこれから『もったいない本舗』にお願いします。
本当にものの始末が悪いので、写真やら娘の手紙やいたずら書きのメモ、写真などがあちこちの引き出しから出てきます。
まとめておこうとしまう場所を決めるのですが、片付けているうちにどこだったか忘れてしまう。
なので、またあちこちになりそうです。
大学生の頃のアルバムも、数枚を残して2冊捨てました。
40数年前の自分を見て(もういいや)と思ってバッサリと。
しまいこんでいる中学、高校時代のアルバムも、きっと(もういいや)とお別れです。
その頃の自分を好きでも嫌いでもないし、それなりに一生懸命悩んだり頑張って生きていたことは私の中に刻み込まれているので、「見える形」で残しておかなくてもいいかなと思ったのです。
バッサバッサと処分を進める中で、どうしても捨てがたいものがあります。
娘関係の写真やら作文はもちろんキープです。
ぷっと吹き出してしまうものばかりなので、これは老後の楽しみとして大切に保管します。
そして、明らかにもう必要のないけれど、手放しがたいものをどうしたらいいのでしょう?
先日、亡くなったわんこのおもちゃを入れていた箱を開けたとき、それまでの片付けモードがフリーズしてしまいました。
とってこいをして遊んだ骨型のおもちゃ。
ハッケヨイをして振り回していたぬいぐるみ。
匂いを嗅いでみたけれど、埃っぽい匂いしかなく、不在の時間がそこにあるだけでした。
さて、このおもちゃたちをどうしようか。
自分の覚悟とか、意志の強さを試されているようで、箱を膝にのせたまま泣きそうになりました。
捨てられないものと、どんなふうにつきあっていくか。
何度も読み返してよれよれになった好きだった人からの手紙、プレゼントされたもの、一枚だけ残しておいた写真。
写真はスマホの中のストレージに潜り込ませる。手紙は、もう一度読み返してゴミ袋に。
手放す覚悟を決めるために、あえてゴミとして捨てるのです。
プレゼントされたものも、なんらかの形で手放すのがいいかもしれません。
もちろん、愛着があるのなら使い続けてもいいと思います。
さて、わんこのおもちゃです。
しばらく手に取って考えながら、おもちゃを箱に戻し、元の場所に収めました。
十分に納得してからどうするか考えようと。
手放すことで心が晴れることがあります。
身も軽くなる感じもします。
でも、捨てがたいものを前にする。
それは自分の思い、心と向き合うことでもあるのですね。
まだ無理……と思っているのなら、(もういい)と思えるときまで待つ。
とことん向き合ったらいい。
そして、手放せない自分を許すことも、大切なのではないでしょうか。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」