手作り味噌はカビが生えても食べられる?カビの見分け方や対策を解説 By - grape編集部 公開:2025-06-18 更新:2025-09-26 カビ味噌調味料 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 手作り味噌にカビが生え、「今までの苦労が水の泡になってしまった」とショックを受けた経験がある人もいるのではないでしょうか。 味噌は塩分濃度が高いため、カビが生えにくい食品です。カビだと思ったものが「実はカビではなかった」ということもあるため、すぐに破棄するのは得策ではありません。 本記事では、手作り味噌に生えたカビの見分け方と取り除き方について解説します。 カビが生える原因と対策、よくある疑問についても触れていますので、おいしい手作り味噌を育てたい人はぜひチェックしてください。 目次 1. 手作り味噌のカビは生えても食べられる?2. 手作り味噌の『カビ』と『産膜酵母』の見分け方2.1. 産膜酵母2.2. カビ3. 手作り味噌のカビの取り方4. 手作り味噌にカビが生える原因と対策4.1. 空気に触れたため4.2. 温度と湿度が高いため4.3. 水分が多いため4.4. 塩分濃度が低いため5. 手作り味噌に関してよくある疑問5.1. カビを取り除いた後の味噌はすぐに食べたほうがよい?5.2. 手作り味噌はいつ作るのがよい?6. 手作り味噌のカビは慌てずに取り除こう 手作り味噌のカビは生えても食べられる? ※写真はイメージ 手作り味噌の一部にカビが生えている場合は、食べられる可能性があります。 食べ物にカビが生えた場合は、すぐに処分してしまうことが一般的です。例えば、パンの片面にカビが生えた場合は、裏側にカビが生えていなくても捨てる人が多いでしょう。 しかし、味噌に生えるカビは、全体にびっしり生えるのではなく、表面にのみ発生するのが一般的です。 内部に深く根が張っていなければ、カビの部分のみを取り除くだけで問題ないと考えられています。手作り味噌にカビが生えたからといって、丸ごと処分する必要はないでしょう。 手作り味噌の『カビ』と『産膜酵母』の見分け方 ※写真はイメージ 手作り味噌にカビのようなものが生えていると思っても、それは『産膜酵母(さんまくこうぼ)』と呼ばれる酵母菌の一種かもしれません。産膜酵母はカビではないため、慌てて取り除かなくても大丈夫です。 しかし、初めて見る人は、産膜酵母とカビの見分けがつかないでしょう。ここからは、産膜酵母とカビの見分け方を紹介します。 産膜酵母 『産膜酵母(さんまくこうぼ)』は、手作り味噌に生えやすい酵母菌の一種です。見た目が白く、味噌の表面に広がるのが特徴ですが、カビのようにフワフワしていません。 産膜酵母は、温度と湿度が高い時期に、味噌の表面に空気が触れると発生しやすくなるようです。 食べても人体に影響はありませんが、風味の劣化や変色を起こす可能性があります。気になる場合は取り除いて、味噌の表面をラップで密閉してください。 カビ 手作り味噌の表面に、フワフワとした黒や青の点が生えている場合は、カビの可能性が高いです。カビの色は青、緑、黒などで、放置すると味噌がカビ臭くなったり変色したりします。 カビができてしまったら、迷わず取り除きましょう。前述したように、カビの周囲1cm、深さ5mm~1cmをスプーンですくい取ってください。 味噌の量は減りますが、カビの繁殖を抑えられます。 手作り味噌のカビの取り方 ※写真はイメージ 手作り味噌に発生していたものが、産膜酵母ではなくカビだった場合、どう取り除けばいいのか悩みますよね。 手作り味噌にできたカビは、以下の手順で取り除くことができると考えられています。 1.カビが発生している箇所をスプーンで1cmほど大きく取り除く。表面だけでなく、カビの下も5mm~1cmほど取り除く。 2.取り除いた後は、全体をしっかりかき混ぜる。 3.味噌の表面を空気に触れさせないようにラップをする。 4.焼酎などアルコール度数の高い酒で、ラップの表面や周辺を消毒する。 表面から見えていない場所までカビの菌糸が伸びている可能性もあるため、なるべく大きくすくい取ることがポイントです。 上記の手順通りに行えば、手作り味噌のカビを取り除くことができるでしょう。 手作り味噌にカビが生える原因と対策 ※写真はイメージ 手作り味噌は、温度と湿度が高まるとカビが生えやすくなります。 そのため、温度と湿度がともに上昇しやすい梅雨の時期に生えるケースが多いようです。 また、以下のような状態の時にも、カビが生えやすくなると考えられています。 【手作り味噌にカビが生える原因】 空気に触れたため。 温度と湿度が高いため。 水分が多いため。 塩分濃度が低いため。 それぞれ、詳しく解説しましょう。 空気に触れたため 手作り味噌にカビが生える条件として、空気に触れたことが原因と考えられる可能性があります。 味噌に限ったことではありませんが、食品にカビが増殖するには空気が必要です。 手作り味噌の表面にラップをしていない、または密閉しきれていない場合は、味噌の表面が空気に触れることでカビが繁殖します。 味噌の表面が空気になるべく触れないようにするために、落とし布やラップなどで空気を遮断してください。その上から重しをすることで、より表面が密閉されるのでおすすめです。 温度と湿度が高いため 温度と湿度が高いことにより、カビが生えてしまった可能性もあるでしょう。 カビが生えやすい温度は20~30℃で、湿度は60~80%といわれています。梅雨の時期や夏に、味噌を常温の場所に出しておくと、カビが生えるリスクが高まるでしょう。 味噌を熟成させている場所にこのような特徴があれば、保管場所を変更するのがおすすめです。温度と湿度を管理しやすいように、冷蔵庫に入れておくのもよいといえます。 水分が多いため 味噌を放置すると、表面に色のついた液体が溜まることがあります。これは『たまり水』と呼ばれ、味噌の熟成が進むにつれて出てくるものです。 たまり水ができると容器内の湿度が高くなり、カビの原因にもなります。 たまり水には、うまみ成分が豊富に含まれているため、出てきた場合は捨てずに味噌に混ぜましょう。ただし、大量に出てきた場合は、味噌の塩分が薄まるため捨ててください。 味噌の仕込み時には、適切な水分量にすることがポイントです。手作り味噌キットを使用する場合は、レシピ通りに仕込むとおいしい味噌ができるでしょう。 手作り味噌には、煮汁を使うレシピと使わないレシピがあります。目分量で仕込んだりアレンジしたりせず、レシピ通りに作りましょう。 塩分濃度が低いため 味噌の塩分濃度が低い場合は、カビが生えやすくなります。仕込みの時点で塩分が足りない場合は、濃度が低いためカビが生えるリスクが高くなるようです。 味噌の塩分濃度は、10%以上が望ましいといわれています。 実際に販売されている手作り味噌キットを見比べると、10%のものもありますが、12~12.5%と、少し塩分濃度が高めのキットもあるようです。 味噌作りに慣れていない場合は、塩分濃度が高めの12~12.5%で作るのがおすすめ。塩分濃度を高めにしてカビを生えにくくすることで、味噌作りが成功するでしょう。 手作り味噌に関してよくある疑問 ※写真はイメージ 最後に、手作り味噌に関するよくある疑問をまとめました。 この項を読むことで、手作り味噌にまつわる知識がより深まることでしょう。ぜひ参考にしてください。 カビを取り除いた後の味噌はすぐに食べたほうがよい? カビを取り除いた味噌は、基本的にすぐに食べなくても問題ないとはいわれています。 ただし、風味が変化する可能性もあるとされているため、可能であれば早めに消費するのが望ましいでしょう。 手作り味噌はいつ作るのがよい? 手作り味噌は、涼しい時期に作るのがおすすめです。 味噌は1年を通して作ることが可能ですが、室温や湿度が高い夏場に仕込むと雑菌が繁殖したり急激に発酵したりします。 そのため、11月~4月頃などできるだけ気温の低い時期に作るのがおすすめです。 また、夏場に手作り味噌を作る場合は、しっかりと衛生管理をしたうえで行いましょう。 手作り味噌のカビは慌てずに取り除こう 味噌の場合は、表面のカビを取り除けば食べても問題ありません。 カビの程度にもよりますが、スプーンで周囲1cm、深さ5mm~1cmの範囲をすくって取り除いてください。 もし手作り味噌にカビが生えたらきれいに取り除き、全体をかき混ぜてからラップをしましょう。手作り味噌にカビを生やさないためには、空気に触れないことが重要です。 適切な環境で手作り味噌を育てて、おいしい食事を楽しみましょう。 [文・構成/grape編集部] キノコが余ったらやってみて! めちゃくちゃ使いやすいアレンジレシピ本記事では傷みやすいキノコの大量消費レシピを紹介しています。 耐熱容器にごはんを入れて? 5分後にできた簡単リゾットに「満足感がすごい!」」本記事では、リゾットに味噌を加えた『味噌リゾット』を紹介します。 Share Post LINE はてな コメント
手作り味噌にカビが生え、「今までの苦労が水の泡になってしまった」とショックを受けた経験がある人もいるのではないでしょうか。
味噌は塩分濃度が高いため、カビが生えにくい食品です。カビだと思ったものが「実はカビではなかった」ということもあるため、すぐに破棄するのは得策ではありません。
本記事では、手作り味噌に生えたカビの見分け方と取り除き方について解説します。
カビが生える原因と対策、よくある疑問についても触れていますので、おいしい手作り味噌を育てたい人はぜひチェックしてください。
手作り味噌のカビは生えても食べられる?
※写真はイメージ
手作り味噌の一部にカビが生えている場合は、食べられる可能性があります。
食べ物にカビが生えた場合は、すぐに処分してしまうことが一般的です。例えば、パンの片面にカビが生えた場合は、裏側にカビが生えていなくても捨てる人が多いでしょう。
しかし、味噌に生えるカビは、全体にびっしり生えるのではなく、表面にのみ発生するのが一般的です。
内部に深く根が張っていなければ、カビの部分のみを取り除くだけで問題ないと考えられています。手作り味噌にカビが生えたからといって、丸ごと処分する必要はないでしょう。
手作り味噌の『カビ』と『産膜酵母』の見分け方
※写真はイメージ
手作り味噌にカビのようなものが生えていると思っても、それは『産膜酵母(さんまくこうぼ)』と呼ばれる酵母菌の一種かもしれません。産膜酵母はカビではないため、慌てて取り除かなくても大丈夫です。
しかし、初めて見る人は、産膜酵母とカビの見分けがつかないでしょう。ここからは、産膜酵母とカビの見分け方を紹介します。
産膜酵母
『産膜酵母(さんまくこうぼ)』は、手作り味噌に生えやすい酵母菌の一種です。見た目が白く、味噌の表面に広がるのが特徴ですが、カビのようにフワフワしていません。
産膜酵母は、温度と湿度が高い時期に、味噌の表面に空気が触れると発生しやすくなるようです。
食べても人体に影響はありませんが、風味の劣化や変色を起こす可能性があります。気になる場合は取り除いて、味噌の表面をラップで密閉してください。
カビ
手作り味噌の表面に、フワフワとした黒や青の点が生えている場合は、カビの可能性が高いです。カビの色は青、緑、黒などで、放置すると味噌がカビ臭くなったり変色したりします。
カビができてしまったら、迷わず取り除きましょう。前述したように、カビの周囲1cm、深さ5mm~1cmをスプーンですくい取ってください。
味噌の量は減りますが、カビの繁殖を抑えられます。
手作り味噌のカビの取り方
※写真はイメージ
手作り味噌に発生していたものが、産膜酵母ではなくカビだった場合、どう取り除けばいいのか悩みますよね。
手作り味噌にできたカビは、以下の手順で取り除くことができると考えられています。
1.カビが発生している箇所をスプーンで1cmほど大きく取り除く。表面だけでなく、カビの下も5mm~1cmほど取り除く。
2.取り除いた後は、全体をしっかりかき混ぜる。
3.味噌の表面を空気に触れさせないようにラップをする。
4.焼酎などアルコール度数の高い酒で、ラップの表面や周辺を消毒する。
表面から見えていない場所までカビの菌糸が伸びている可能性もあるため、なるべく大きくすくい取ることがポイントです。
上記の手順通りに行えば、手作り味噌のカビを取り除くことができるでしょう。
手作り味噌にカビが生える原因と対策
※写真はイメージ
手作り味噌は、温度と湿度が高まるとカビが生えやすくなります。
そのため、温度と湿度がともに上昇しやすい梅雨の時期に生えるケースが多いようです。
また、以下のような状態の時にも、カビが生えやすくなると考えられています。
【手作り味噌にカビが生える原因】
それぞれ、詳しく解説しましょう。
空気に触れたため
手作り味噌にカビが生える条件として、空気に触れたことが原因と考えられる可能性があります。
味噌に限ったことではありませんが、食品にカビが増殖するには空気が必要です。
手作り味噌の表面にラップをしていない、または密閉しきれていない場合は、味噌の表面が空気に触れることでカビが繁殖します。
味噌の表面が空気になるべく触れないようにするために、落とし布やラップなどで空気を遮断してください。その上から重しをすることで、より表面が密閉されるのでおすすめです。
温度と湿度が高いため
温度と湿度が高いことにより、カビが生えてしまった可能性もあるでしょう。
カビが生えやすい温度は20~30℃で、湿度は60~80%といわれています。梅雨の時期や夏に、味噌を常温の場所に出しておくと、カビが生えるリスクが高まるでしょう。
味噌を熟成させている場所にこのような特徴があれば、保管場所を変更するのがおすすめです。温度と湿度を管理しやすいように、冷蔵庫に入れておくのもよいといえます。
水分が多いため
味噌を放置すると、表面に色のついた液体が溜まることがあります。これは『たまり水』と呼ばれ、味噌の熟成が進むにつれて出てくるものです。
たまり水ができると容器内の湿度が高くなり、カビの原因にもなります。
たまり水には、うまみ成分が豊富に含まれているため、出てきた場合は捨てずに味噌に混ぜましょう。ただし、大量に出てきた場合は、味噌の塩分が薄まるため捨ててください。
味噌の仕込み時には、適切な水分量にすることがポイントです。手作り味噌キットを使用する場合は、レシピ通りに仕込むとおいしい味噌ができるでしょう。
手作り味噌には、煮汁を使うレシピと使わないレシピがあります。目分量で仕込んだりアレンジしたりせず、レシピ通りに作りましょう。
塩分濃度が低いため
味噌の塩分濃度が低い場合は、カビが生えやすくなります。仕込みの時点で塩分が足りない場合は、濃度が低いためカビが生えるリスクが高くなるようです。
味噌の塩分濃度は、10%以上が望ましいといわれています。
実際に販売されている手作り味噌キットを見比べると、10%のものもありますが、12~12.5%と、少し塩分濃度が高めのキットもあるようです。
味噌作りに慣れていない場合は、塩分濃度が高めの12~12.5%で作るのがおすすめ。塩分濃度を高めにしてカビを生えにくくすることで、味噌作りが成功するでしょう。
手作り味噌に関してよくある疑問
※写真はイメージ
最後に、手作り味噌に関するよくある疑問をまとめました。
この項を読むことで、手作り味噌にまつわる知識がより深まることでしょう。ぜひ参考にしてください。
カビを取り除いた後の味噌はすぐに食べたほうがよい?
カビを取り除いた味噌は、基本的にすぐに食べなくても問題ないとはいわれています。
ただし、風味が変化する可能性もあるとされているため、可能であれば早めに消費するのが望ましいでしょう。
手作り味噌はいつ作るのがよい?
手作り味噌は、涼しい時期に作るのがおすすめです。
味噌は1年を通して作ることが可能ですが、室温や湿度が高い夏場に仕込むと雑菌が繁殖したり急激に発酵したりします。
そのため、11月~4月頃などできるだけ気温の低い時期に作るのがおすすめです。
また、夏場に手作り味噌を作る場合は、しっかりと衛生管理をしたうえで行いましょう。
手作り味噌のカビは慌てずに取り除こう
味噌の場合は、表面のカビを取り除けば食べても問題ありません。
カビの程度にもよりますが、スプーンで周囲1cm、深さ5mm~1cmの範囲をすくって取り除いてください。
もし手作り味噌にカビが生えたらきれいに取り除き、全体をかき混ぜてからラップをしましょう。手作り味噌にカビを生やさないためには、空気に触れないことが重要です。
適切な環境で手作り味噌を育てて、おいしい食事を楽しみましょう。
[文・構成/grape編集部]