クスノキの見分け方とは?具体的な特徴や似ている木との違いを分かりやすく解説
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街路樹や神社の境内でよく見かける『クスノキ』。
その堂々とした姿からは風格さえ感じられますが、葉や樹皮の特徴が似ている木も多く、実際に見分けるのは意外と難しいものです。
そこで本記事では、クスノキの特徴や香り、葉の形などのポイントを詳しく解説します。
さらに、よく似た木として知られる『月桂樹(げっけいじゅ)』や『ケヤキ』『ヤブニッケイ』との違いもまとめました。
クスノキとは
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クスノキは常緑の高木で、漢字では『楠』や『樟』と表記されます。一般的に、高木とは高さが3mを超える樹木を指すものです。
さらに、季節を問わず葉を付けている常緑樹である点も、クスノキの特徴の1つといえるでしょう。
長寿の木として知られるクスノキは、古くから信仰の対象とされ、縁起のよい木と考えられてきました。
神社のご神木や公園のシンボルツリーとして植えられることも多く、街路樹としても広く親しまれています。
クスノキには『樟脳(しょうのう)』と呼ばれる成分が含まれており、特有の香りが虫を遠ざける作用を持っているようです。そのため、害虫による被害が少ないという利点も備えています。
『クスノキ』という名称の由来については諸説あるのだとか。
例えば、薬効のある樟脳を含むことから『薬の木』と呼ばれた説、神秘的な雰囲気から『奇しき木』とされた説、香りにちなんで『臭し木』と呼ばれた説などがあります。
クスノキの見分け方
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ここでは、クスノキの見分け方を、葉の形、香り、樹皮などのポイントで解説します。
葉の形
クスノキの葉は、楕円形や卵型をしており、表面には艶があり無毛のようです。
質感はやや厚みがあってしっかりしており、まるで革のような感触があることから『革質』と表現されることも。葉の長さは、およそ5~10cmほどです。
葉脈は特徴的で、中央の主脈に加えて左右に1本ずつ、合計3本の葉脈が並行して走る『三行脈(さんこうみゃく)』と呼ばれる構造をしています。
この三行脈の分岐点には『ダニ室』という小さな膨らみがあり、その内部にはダニが棲んでいるとのこと。
これはクスノキの大きな特徴の1つですが、ダニが棲み着いている理由については、今のところ明確には解明されていないようです。
香り
クスノキの葉は、ちぎったり揉んだりすると独特の香りを放ちます。これは、葉に含まれる『樟脳』によるもので、クスノキ独自の特徴です。
樟脳はその強い香りによって防虫効果があり、昔から天然の防虫剤としても利用されてきたのだとか。
この香りの有無は、クスノキを見分ける際の1つのポイントにもなっています。
樹皮と木の実
クスノキの樹皮は明るい褐色をしており、縦方向に細かく裂けるのが特徴です。表面はざら付いていて、年を重ねるごとに裂け目の部分が盛り上がってくる様子も見られます。
また、秋に付ける実は、紫黒色の丸い形のようです。この実は直径1cm弱と小さめで、その中には種が1粒入っています。
実の大きさは控えめですが、季節の移ろいを感じさせてくれるクスノキの特徴の1つといえるでしょう。
クスノキと似ている木の見分け方とその特徴
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クスノキとよく似た木もありますが、見分ける際にはいくつかのポイントがあります。中でも、樟脳の香りはクスノキ独自の特徴です。
葉をちぎったり揉んだりすると、独特の強い香りがするため、判断に迷った時は葉の匂いを確かめてみるとよいでしょう。
ここでは、『月桂樹』『ケヤキ』『ヤブニッケイ』の特徴と、クスノキとの見分け方をまとめました。
月桂樹
月桂樹は、地中海沿岸を原産とするクスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木で、雄花と雌花が別々の株に咲く『雄雌異株(しゆういしゅ)』の性質を持っているといいます。
葉は長楕円形で、先端と基部が尖っており、質感は硬くて厚みのある『革質』。表面は深緑色で光沢があり、美しい外観をしています。
葉を揉むと特徴的な香りが漂い、料理用ハーブとしても親しまれている香りです。乾燥させた月桂樹の葉は『ローリエ』として、煮込み料理などに使われます。
また、月桂樹の実は円形から楕円形で、熟すと暗い紫色に変化するのだとか。葉や実ともに特徴がはっきりしており、観賞用としても人気のある樹木です。
クスノキと月桂樹を見分けるポイントの1つに、『ダニ室』の有無があります。クスノキの葉には小さな膨らみであるダニ室が見られますが、月桂樹の葉にはダニ室が見られないようです。
また、葉の形が異なるのも見分けるポイントの1つ。月桂樹の葉は先が鋭く尖っているのに対し、クスノキの葉は卵型で丸みを帯びた形をしている傾向があります。これらの特徴を基に、両者を見分けられるでしょう。
ケヤキ
ケヤキは、北海道の一部をはじめ、本州、四国、九州の山地や丘陵に生育しているニレ科の落葉高木です。
落葉高木とは、一定の期間に葉を落とす樹木を指し、秋になると葉が黄色やオレンジに美しく紅葉し、季節の変化を感じさせてくれます。
葉の形は細長い楕円形で先端が尖っており、縁には鋭く目立つギザギザがあるのが特徴です。実は約5mmほどのいびつな球形をしているといいます。
クスノキとの見分け方として、まずは葉の形に注目すると分かりやすいでしょう。ケヤキの葉は縁がギザギザしているのに対し、クスノキの葉にはギザギザが見られないようです。
また、クスノキの葉を揉むと特有の樟脳の香りがしますが、ケヤキの葉にはそのような香りはないとされます。こうした点が、両者を見分ける際のポイントになるでしょう。
ヤブニッケイ
ヤブニッケイは福島以南の本州や四国、九州、沖縄などに自生する常緑高木で、クスノキによく似た外見をしています。
葉は狭卵形や長楕円形で、硬くてしっかりとした革質。葉脈は中央と左右の3本が並ぶ『三行脈』の構造をしているようです。秋には楕円形の実を付け、熟すと黒紫に色づくそう。
その姿はクスノキに似ていますが、大きな違いは葉をちぎった時の香りにあります。
クスノキは樟脳の香りがするのに対し、ヤブニッケイの葉にはその香りがほとんどなく、シナモンのような香りがするようです。
クスノキの見分け方のポイントは、香りや葉の形状などにある
クスノキの特徴としては、『樟脳(しょうのう)』の香り、三行脈と呼ばれる葉脈の構造、そして葉の付け根にある『ダニ室』などが挙げられます。
中でも、葉を揉んだ時に強く感じられる樟脳の香りは、クスノキを見分けるうえで非常に有効な手がかりとなるでしょう。
クスノキに似た樹木には、月桂樹やケヤキ、ヤブニッケイなどがありますが、それぞれ葉の形や香りの有無に違いがあります。
例えば、月桂樹は葉を揉むとハーブのような香りがし、ケヤキは葉縁にギザギザがあるのが特徴です。ヤブニッケイは葉の形や質感がクスノキに似ていますが、香りに違いがあります。
クスノキとほかの樹木を見分ける際には、本記事で紹介した特徴を参考にしてみてください。
[文・構成/grape編集部]