家事でレッズを支え続けたサッカー素人のお母さん 選手から感謝の言葉「16年ありがとう」
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提供:産経新聞社

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Jリーグ屈指の強豪チームで、国内ではダントツのサポーター数を誇る浦和レッズ(以下、レッズ)
このビッグクラブを16年間、陰から支えてきた「選手のお母さんのような存在」がクラブを離れることになり、2016年7月29日の練習前、ささやかな送別会が行われました。
選手に慕われ、惜しまれつつもクラブを離れるのはレッズの練習場「大原サッカー場」のクラブハウスに清掃スタッフとして派遣されていた平井ミサヨさん。7月いっぱいで退職することが決まっています。
送別会ではペドロビッチ監督から袖の部分に2000・10・17という日付の入った特注ユニホームが手渡されました。
サッカー素人の主婦がビッグクラブで勤務
平井さんがレッズのクラブハウスに派遣されて来たのは16年前、2000年10月17日のことでした。
サッカーのことは何も知らない平井さん。しかし、すぐにこう割り切ったそうです。
以来16年間、選手が練習でクラブハウスに来ている時も、選手が遠征でクラブハウスにいない時も、自分の家を掃除するかのような細やかさで「家事」という仕事を行ってきたそうです。
レッズで働いていることは秘密
もう1つ平井さんが心に決めていたことがあります。
「レッズのクラブハウスで働いていることは誰にも言わない」
仕事中に偶然、耳にしたことを口外すれば、それがどこに広がってしまうか分かりません。
働いていることを口外してしまえば、誰かに「浦和レッズの面白い話ない?」と聞かれてしまう可能性もあります。だから、平井さんはレッズのクラブハウスで働いていることを伏せておくことに決めたそうです。
そのポリシーは「今も変わらない」と語る平井さんですが、「思い出話なら」と、高校卒業後にレッズに入団した現日本代表キャプテンの長谷部誠選手とのこんなエピソードを披露してくれました。
「活躍し、有名になっていく選手は、例外なくどんな立場の人に対しても配慮する謙虚な姿勢を持っていた」と語る平井さん。
惜しまれながらの退職ですが、それでも1つだけ退職したからこその楽しみがあると言います。
平井さんがレッズと共に過ごした16年の間、チームは調子の良い時ばかりではありませんでした。
リーグ戦でなかなか勝ち切れず、サポーターから罵倒を浴びるような時期も、優勝してサポーターや市民と喜びを分かち合った瞬間もあります。
良い時も悪い時も、家事という得意分野でチームを陰ながら支え続けてきた平井さん。
16年間、本当にお疲れ様でした。