ノルウェー『FMラジオ』を2017年末までに世界初の廃止宣言! By - 土屋 夏彦 公開:2017-01-16 更新:2017-01-17 ノルウェー Share Post LINE はてな コメント ノルウェー政府から先週(11日)、FMラジオ放送を段階的に停止していき、2017年末までに完全廃止をすると発表がありました。 さまざまな新しいメディアが生まれる中、こうしたオールドメディアをどうしていくかは、日本でも、世界各国でもさまざまな議論がかわされているんですが、今回のようにFMラジオを全面廃止するということを決めたのはノルウェーが世界初なんだそうです。 ではノルウェーは、今後は音声メディアはどうするのかというと、すでに放送が開始されている「DAB」(デジタルオーディオ放送)に完全に移行させていくということなんです。 つまり、これまで長年に渡って活用されてきたアナログのFMラジオの時代が終わりを告げて、音声メディアも完全デジタル化になるということなんです。ちなみにAMラジオはすでに廃止されており、北欧特有のフィヨルドの地形が受信を難しくしているため、デジタル化が急務だったようです。 ご存知のように日本は、2003年(14年前)ころからテレビのデジタル化、いわゆる地デジ化が始まって、2006年(11年前)には全国のテレビが地デジ化を完了。その後2011年7月24日に、ほぼすべてのアナログテレビ放送が終了しました。 ではラジオはどうなったかというと、2007年ころから電波の有効利用のための専門部会などが発足して、ラジオのデジタル化の検討を試みてきたんですが、2011年の東日本大震災のときに、AM放送局の電波塔が流されるなどの被害があり、電波が出せなくなってしまうという大惨事を経験したんです。 実は、FMラジオの電波塔は山の上などにも設置できるんですが、AMラジオの電波塔はできるだけ海や湖などに近い場所に設置することが望ましいという特性があるんです。 そのため、日本が必要なのは、こうした自然災害でもびくともしない放送局の設置ではないかということになり、お金のかかる地デジ化をする前に、アナログでもいいので、全国各地に一番多くあるAMラジオのFM化を先にやろうじゃないかということになったようなんです。 ただデジタル化することで、同じ電波でも数多くの情報やチャンネルが送信できるようになるため、世界のラジオはどんどんデジタル化の方向に向かっていくのは間違いありません。 [文/土屋夏彦] 土屋夏彦 上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 歌舞伎俳優、市川團蔵さんが逝去 「もっと見たかった」「早すぎる」2024年11月23日、歌舞伎俳優の市川團蔵さんが亡くなったことが分かりました。73歳でした。 Share Post LINE はてな コメント
ノルウェー政府から先週(11日)、FMラジオ放送を段階的に停止していき、2017年末までに完全廃止をすると発表がありました。
さまざまな新しいメディアが生まれる中、こうしたオールドメディアをどうしていくかは、日本でも、世界各国でもさまざまな議論がかわされているんですが、今回のようにFMラジオを全面廃止するということを決めたのはノルウェーが世界初なんだそうです。
ではノルウェーは、今後は音声メディアはどうするのかというと、すでに放送が開始されている「DAB」(デジタルオーディオ放送)に完全に移行させていくということなんです。
つまり、これまで長年に渡って活用されてきたアナログのFMラジオの時代が終わりを告げて、音声メディアも完全デジタル化になるということなんです。ちなみにAMラジオはすでに廃止されており、北欧特有のフィヨルドの地形が受信を難しくしているため、デジタル化が急務だったようです。
ご存知のように日本は、2003年(14年前)ころからテレビのデジタル化、いわゆる地デジ化が始まって、2006年(11年前)には全国のテレビが地デジ化を完了。その後2011年7月24日に、ほぼすべてのアナログテレビ放送が終了しました。
ではラジオはどうなったかというと、2007年ころから電波の有効利用のための専門部会などが発足して、ラジオのデジタル化の検討を試みてきたんですが、2011年の東日本大震災のときに、AM放送局の電波塔が流されるなどの被害があり、電波が出せなくなってしまうという大惨事を経験したんです。
実は、FMラジオの電波塔は山の上などにも設置できるんですが、AMラジオの電波塔はできるだけ海や湖などに近い場所に設置することが望ましいという特性があるんです。
そのため、日本が必要なのは、こうした自然災害でもびくともしない放送局の設置ではないかということになり、お金のかかる地デジ化をする前に、アナログでもいいので、全国各地に一番多くあるAMラジオのFM化を先にやろうじゃないかということになったようなんです。
ただデジタル化することで、同じ電波でも数多くの情報やチャンネルが送信できるようになるため、世界のラジオはどんどんデジタル化の方向に向かっていくのは間違いありません。
[文/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。