慣用句はオモシロイ! アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
公開: 更新:
郵便局で1円切手を買おうとした女性 局員からの助言に「知らなかった!」「私も欲しい」2024年10月1日に郵便料金が変更。もともと持っていた切手を使いたくて、1円切手を買いに郵便局を訪れると…。
洗濯は『お湯』がいいって本当? 事実に「マジか」「危ないところだった」洗濯槽のカビ対策にお湯を使いたい時はありませんか。お湯のほうが効果が高そうで…と思うかもしれませんが、実際の効果や適切な湯温について日本電機工業会が公式サイトで解説していました。ぜひ参考にしてみてください。
こんにちは、フリーアナウンサーの元祖!?などと言われている押阪忍です。
ご縁を頂きまして、この欄で、お喋りをさせていただくことになりました。お目に留まれば、シニアアナウンサー(花ウンサー)の『独り言』にお付き合いいただければ幸いです。
一月、新年会や初会合で、希望に満ちた楽しい会話が飛び交っていることでしょうね…。
ところで、×武士は食わねど爪楊枝、○武士は食わねど高楊枝、×出る釘は打たれる、○出る杭は打たれる、×口先三寸、○舌先三寸、×類は類を呼ぶ、○類は友を呼ぶ…
この半年、私が若者たちとの会話の中で耳にした 間違って使われている慣用句です。
慣用句は確かに間違え易いものですが 会話の最中に的を射た慣用句を使うと、ピタリとその話の内容言い当てる チョイ各上の表現ですよね。それだけに間違って使うと 失笑を買われることもありますので要注意です。
文化庁が先年、27年度の国語世論調査を発表しましたが、それによりますと 慣用句では、×愛想をふりまく、○愛嬌をふりまく、×そうは問屋が許さない、○そうは問屋が卸さない、×上や下への大騒ぎ、○上を下への大騒ぎ、×寝覚めが悪い、○目覚めが悪い…と 大半の人たちが間違った表現をしていることが判りました。○琴線に触れるは、逆鱗に触れる 怒りを買う と混同して使っている人が多いことも判りました。
慣用句は、二語以上の単語が結びついて 別の意味を表わす複合語ですが、日常の行動や物事の状態を オモシロ オカシク表現したものが多いように思われます。顔の一部を使って「目が高い」「鼻毛を読む」「口を揃える」「耳が痛い」など、こうした表現を、TPOに合わせてタイミングよく使ってみたいですね…。
慣用句は、決して色褪せたことばではありません。先人達が伝承してきたシャレた意味深い日本語です。若い皆さん、味わいのある慣用句を 日常会話で意識してどんどん使って下さいませんか、日本語の継承のためにも…。
<2017年1月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。