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慣用句はオモシロイ! アナウンサー押阪忍の『美しいことば』

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの元祖!?などと言われている押阪忍です。

ご縁を頂きまして、この欄で、お喋りをさせていただくことになりました。お目に留まれば、シニアアナウンサー(花ウンサー)の『独り言』にお付き合いいただければ幸いです。

 一月、新年会や初会合で、希望に満ちた楽しい会話が飛び交っていることでしょうね…。

 ところで、×武士は食わねど爪楊枝、○武士は食わねど高楊枝、×出る釘は打たれる、○出る杭は打たれる、×口先三寸、○舌先三寸、×類は類を呼ぶ、○類は友を呼ぶ…

 この半年、私が若者たちとの会話の中で耳にした 間違って使われている慣用句です。

 慣用句は確かに間違え易いものですが 会話の最中に的を射た慣用句を使うと、ピタリとその話の内容言い当てる チョイ各上の表現ですよね。それだけに間違って使うと 失笑を買われることもありますので要注意です。

 文化庁が先年、27年度の国語世論調査を発表しましたが、それによりますと 慣用句では、×愛想をふりまく、○愛嬌をふりまく、×そうは問屋が許さない、○そうは問屋が卸さない、×上や下への大騒ぎ、○上を下への大騒ぎ、×寝覚めが悪い、○目覚めが悪い…と 大半の人たちが間違った表現をしていることが判りました。○琴線に触れるは、逆鱗に触れる 怒りを買う と混同して使っている人が多いことも判りました。

 慣用句は、二語以上の単語が結びついて 別の意味を表わす複合語ですが、日常の行動や物事の状態を オモシロ オカシク表現したものが多いように思われます。顔の一部を使って「目が高い」「鼻毛を読む」「口を揃える」「耳が痛い」など、こうした表現を、TPOに合わせてタイミングよく使ってみたいですね…。

 慣用句は、決して色褪せたことばではありません。先人達が伝承してきたシャレた意味深い日本語です。若い皆さん、味わいのある慣用句を 日常会話で意識してどんどん使って下さいませんか、日本語の継承のためにも…。

<2017年1月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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