危険すぎる『スズメバチ』の生態 襲われないためには?
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年間数十人が刺され亡くなってしまうこともある、危険なスズメバチ。自然の豊かな地域だけでなく、身近なところでも脅威になっています。
ハチの駆除に30年携わってきた、害虫駆除のプロで、有害生物の防除などを行う『公益社団法人 神奈川県ペストコントロール協会(以下PCO)』のベテラン作業員さんに、3種類のスズメバチについて、話を伺ってきました。
意外と身近に潜んでいる
PCOでは毎年、7月から10月にかけて、巣の駆除依頼が多く寄せられるそうです。
その中でも一番依頼が多いのが、コガタスズメバチ。
今回は、神奈川県でよく見られる『オオスズメバチ』『コガタスズメバチ』『キイロスズメバチ』ついて、その特性や巣作りに関してご紹介します。
コガタスズメバチ
体長約23~30mmのスズメバチで、民家に近いところに営巣するのが得意。都会に適応しているため、住宅地でも見かけることのあるハチです。
庭の植木や街路樹のツツジの中などに、巣を作ることもあります。
3種類の中では、比較的大人しい方ですが、巣のある植木を揺らしたり、驚かせたりすると襲われることも。人口の多い都市部での被害は、このコガタスズメバチが多いそうです。
キイロスズメバチ
体長約21~28mmと体は小さいものの攻撃性が高く、手を大きく振ったり、大きな音を出したりすると近寄って刺してくることがあります。見かけたら静かにその場を離れましょう。
山林の近いところに巣を作ることが多くありますが、神社や自然公園などでも見かけるそうです。雨風が防げる軒下も好む場所なので、周りに樹木が多い家は注意が必要です。
また、学校の屋根の下や百葉箱の中に営巣するケースも。夏休み中など、気付かないうちに巣が大きくなっていることが多くあります。
長期間人の目が入らなくなる前に、巣がないかチェックすることが大切です。
オオスズメバチ
体長およそ37~44mmの大型のスズメバチ。山や森林に多く生息し、朽木の空洞や土の中に営巣するため、巣がとても見つけにくいハチです。
そのため、うっかり近寄って刺されたり、気付かずに踏みつけて刺されたりしてしまうケースが多くあります。
中には、家の床下に巣を作ったという事例もあるようです。
自然の豊かな山林で遭遇することが多いので、ハイキングやキャンプをする時は、管理者に危険な場所をあらかじめ聞いておきましょう。
普段人が通らない裏道を歩くと遭遇する危険が増えるので、コースから外れないようにしてください。
巣を見つけたら
ハチの巣を見つけた場合、自分では駆除しない方が安全です。
スズメバチやアシナガバチだけでなく、ミツバチの毒でもアナフィラキシーショックを引き起こし、重症化することもあります。
間違った方法で駆除しようとすると、自分だけでなく近所にも危険がおよびますので、すみやかに専門の駆除業者などに電話してください。
スズメバチは、5月ごろ冬眠から目覚め、働きバチが羽化するまでは、女王バチだけで巣を作ります。早い時期であれば、比較的安全に駆除することができるので、早期発見が大切です。
初期はトックリをひっくり返したような形
駆除の依頼が一気に増えるのは、8月のお盆を過ぎたあたり。長期休みで家を空け、その間に大きくなった巣に驚き連絡してくるケースが多くあります。
PCOでは、ピーク時に1日100本ほどの電話が鳴り、すぐには対応できないこともあるそうです。
相談件数がピークになる前に、一度家の軒下や植え込みの中など、注意深く観察してみることも大切。
ハチは身近にいる危険な昆虫です。巣を見つけたら、むやみに近づいたり、駆除しようとしたりせず、専門の業者に任せましょう。
以下の記事では、スズメバチに刺された時の対処法などを紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
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[文・構成/grape編集部]