授業中の居眠りを人工知能がチェック! 生徒の集中力に応じて教え方を変える?
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フランスのESGビジネススクールのオンライン授業に、この秋から人工知能と顔認証システムを活用した『生徒の授業態度管理システム』が導入される予定であると、アメリカのメディアが伝えました。
このシステムは『Nestor(ネスター)』といい、アメリカのサンディエゴ大学とオンライン授業大手のLCAラーニングが開発。生徒が使用するノートPCのWebカメラを利用して、生徒の目の動きや表情などをスキャンし、講義に集中しているかを随時チェックします。
生徒の集中力が落ちてきたかどうかは、随時ポイントで教師側に伝えられ、それに応じて先生が教え方を変えたりすることができます。また、注意力散漫と判定された生徒には、ポップアップメッセージや電子メールで、個々に授業に即した問題が出題されるしくみも搭載されているそうです。
LCA創設者のモーセル・ソウセットさん(Marcel Saucet)によれば、『Nestor(ネスター)』のポイントは、学生と教師の両方のパフォーマンスを一体的に向上させられること。生徒が実際に学習しているかどうかを教師側が知ることができると同時に注意が不足している生徒にクイズを与えることで、ゆるみのない授業を継続させることができると語っています。
ちなみに『Nestor(ネスター)』は、授業態度の観察以外にも、生徒の普段の行動を観察し、例えばYouTubeなどの娯楽に費やしがちな時間帯などを察知して、自動的に復習問題が表示されるなどのプログラムも搭載可能ということですが、オンライン学習がより効果的になったとしても、ソウセットさんは「人間との接触がなくなることはない」と考えています。それは教育には人の支援が常に必要だからだと言います。
近年のeラーニング市場は世界規模で順調に伸びています。その市場規模は、2015年の1665億ドルから17年には2555億ドル規模にまで成長する(矢野経済研究所調べ)と予測。この成長をけん引するのが、大学の講座をベースに動画配信で利用者を増やす『MOOC(ムーク)』が有名です。
『MOOC(ムーク)』とは、Massive Open Online Courses(大規模オープン・オンライン・コース)の略で、大学レベルの授業を、インターネットを通じてオープンにアクセスできる無料のサービス。コース修了の際には認定証も発行してくれます。生涯学習としても認知されており、すべての人、あらゆる年齢の学生や職業人に開かれており、日本語で受講できるJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)もあります。
さらにAI(人工知能)やITなどの最新技術を取り入れた教育、Edu-Tech(エドテック)と呼ばれる分野も注目されています。この分野はアメリカを中心に全世界急成長中。
株式会社COMPASS(コンパス)の神野元基(じんのげんき)さんによれば、教師1人に対して子供30人に新たなカリキュラムを教えた際に、1人ひとりの生徒にとって、重要な時間は全体のほぼ1割りにしか満たないことを発見。残りの時間は既に知っているか、まったく意味の分からない時間だったんだそうです。だったら子どもたち1人ひとりに最適な教育が出来たら、10倍の速度で学習を終わらすことができると考え、それをAIを活用して実現させることを始めているんだそうです。
こうしたオンラインサービスの普及で、基本的なカリキュラム(授業)はインターネットによって提供され、先生の役割が変わってくる可能性が心配されています。先生自身が必ずしも教える当事者ではなく、伴走者や相談相手という立場になる。もしかすると教師の仕事を奪ってしまう可能性もある。
しかし、インターネットに人間の仕事が取って代わられること自体よりも、取って代わられることによって起こることをどう人間がプロデュースしていくかという視点のほうがはるかに重要であると専門家は分析しています。eラーニングやそれを取り巻くAIが人間の仕事を代替したときに、どのような課題が生まれ、それをどう解決していかなければならないのか。『Nestor(ネスター)』はそんな課題解決策のひとつになるのではないでしょうか。
LCAラーニングでは、9月ころからESGビジネススクールの2つのクラスオンライン授業に導入したうえで、将来的には一般の教室での授業に導入させていきたいそうです。あまり息苦しくならない形で、さり気なくサポートしてくれるよう調整して、これからのオンライン授業のお手本になっていくことを期待しています。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。