日本にも根付く『レイプ神話』 「性犯罪は被害者も悪い」は本当?
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- 出典
- 神奈川県警
「そんな場所を歩いていたお前が悪い」
「肌を見せる服装だなんて、誘っていたんじゃないか」
「本気で抵抗すれば、この事態は避けられたはずだ」
性犯罪の被害者に対し、「あなたにも非がある」と心ない言葉を投げかける人たちは、残念なことに少なくありません。
もちろん、悪いのは加害者であり、被害者に犯罪の責任はまったくありません。
被害者を責める人は、『加害者の責任』と『被害者の自衛』を同列で考えてしまっているのでしょう。
意識に刷り込まれている『レイプ神話』の数々
性犯罪に対する、勝手な思い込みや偏見…そういったものは『レイプ(強姦)神話』と呼ばれています。
『神話』とは、「実体が明らかでないにもかかわらず、長い間、多くの人に信じこまれている事柄」という意味です。
ここでは、神奈川県警のウェブサイトに掲載されている数々の勘違いをご紹介します。
若い人だけが強姦被害にあう
「年ごろの人しか、性犯罪には遭わないだろう」…それは大きな勘違いです。
実際は、幼い子どもから高齢者まで、多くの人が被害に遭っています。
強姦は、被害者側の挑発的な服装や行動が誘因となる
性犯罪被害者の多くは、『派手』『露出的』とは正反対な服装の人がほとんどです。
加害者は、抵抗しそうにない、地味な見た目のおとなしい人を好むといわれています。
潜在的にせよ、本人の側に望む気持ちがなければ、実際には強姦など起こりえないはずだ
考えてみてください。自分よりも力が強く、体格の大きい人に突然襲われたら、あなたは抵抗することができますか。
相手が刃物などを持っていたら、なおさら抵抗はできないはずです。命を奪われてしまうかもしれないのですから。
強姦の加害者のほとんどは、見知らぬ人である
警視庁によると、平成26年の強姦の検挙件数に占める被害者と面識がある被疑者の割合は、およそ50%です。
知人や身内から、被害を受ける人も多く存在するのです。
ほとんどの強姦(レイプ)は衝動的なものである
実際は、人目につかない場所を見張ったり、ターゲットとする人の行動を分析する加害者が多いといいます。
ほかにも、「心の底ではレイプされることを望んでいる」「レイプでも快感を得ることができる」「『いや』『やめて』といった言葉は照れ隠し」「酒で酔ったらOKのサイン」といったものもあります。
これらはすべて、大きな勘違いです。
被害者をさらに傷つける『言葉のナイフ』
「被害に遭ったことを話して、責められるのが怖い」
多くの被害者は、周囲に相談することができないといいます。そのため、泣き寝入りしてしまう人もいます。
心身ともに傷ついた被害者は、『レイプ神話』を信じた人たちから、さらに言葉のナイフで傷をつけられることもあります。人に話すのを恐れるのも、仕方がありません。
先ほどもいったように、被害者に犯罪の責任は一切ありません。
多くの人がこれらの『神話』が嘘だと認識することで、被害者は周囲に相談しやすくなるのではないでしょうか。
そして、性犯罪をなくすために、私たちは「性犯罪は断固して許さない」という確固たる意志を持つことが大切です。
神奈川県警『強姦(レイプ)神話とは』全文
[文・構成/grape編集部]