フードコートで勉強をする学生たち お店が注意しない理由に心温まる
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30分以内にほかの人に席を譲ると、ソフトクリームが貰える引換券のチラシを配布。ポジティブな方法で、混雑時に席の循環をうながすIKEA立川の施策が話題になりました。
IKEAは各店舗ごとに独自の施策を行っているということで、ほかにも何か独特な施策はないか、IKEA立川のスタッフ・三浦さんと宮澤さんに話を伺ってみました。
譲り合いの心を育てたい
――ほかにも独自の施策などは?
三浦さん
IKEA立川の周りは高校が多く、テスト時期にはよく学生が勉強にきます。
飲食店などでは、勉強を禁止していたり、時間制限を設けたりしているのですが、IKEA立川では特にそういった制限は設けていません。
学生が勉強していることについて、お客様やスタッフ間でも賛否両論あり、悩みどころではあります。
ただ、周りが混んできたら自主的に席を空けるなど、学生の間でも譲り合いの精神が出てきてくれたら嬉しいなと思っています。
そういった点で、学生たちのモラルや精神的な成長に役立ちたいとは考えています。
宮澤さん
スタッフがフレンドリーなので、会計時に「勉強を頑張ってね」「寒いから風邪ひかないようにね」といった感じで、学生に声掛けをしています。
以前、受験が終わった後に学生とお母様が「無事に合格しました、お世話になりました」と、お礼をいいにきてくださったこともあります。
また、引換券のチラシが広まったことで、学生たちにちょっとした変化が現れたのだとか。
宮澤さん
チラシの話が広まってから、学生の席の使いかたに変化が出ています。
勉強道具を詰めて席を使うことでスペースを空けてくれたり、小さいお子様のいる家族では使いづらい、イスの高い席を自分から使うようになったりと、譲り合いの意識が高まってきているように感じています。
ポジティブな施策が学生にも届き、少しずつモラルや譲り合いの気持ちが育ってきているようです。
なぜIKEA立川にきて勉強をするのかを高校生に聞いてみると、このような答えが返ってきました。
・なんとなくですけど、居心地がいいんですよ。
・ドリンクバーがすごく安くて助かってます。ほぼ毎日きて勉強しています。
・スタッフさんもフレンドリーで、雰囲気も明るくて好きです。
飲食店で学生が勉強にすることに関しては、賛否があります。
ただ、最初から席を譲れと強要するのではなく、自主的な譲り合いの心やモラルの向上に期待するのも教育の1つなのかもしれません。
フレンドリーなスタッフと居心地のいい場所で、学生の席の使いかたがどのように変化していくのか、しっかりと見守ってあげたいですね。
[文・構成/grape編集部]