ローソンで『スマホ決済』をすると レジなしで退店できる仕組みだった

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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海外では『Amazon GO』など『レジに人がいない無人コンビニ』が開店するなど、未来型のコンビニが話題になる中、日本でもコンビニチェーンのローソンが、レジに並ばなくても店内のどこででもスマホ決済で支払いができる未来型店舗の実験が始まっています。

様々な業界にIT技術による進化が進む中、コンビニ業界にも『金融革命=Fintech(フィンテック)』の波が押し寄せています。

インバウンド需要が日本のキャッシュレス化を加速させた

特にここ1年のコンビニにおける『キャッシュレス化』の波は日本人を通り越してなんと、いわゆるインバウンド、中国からの観光客にターゲットを絞りました。そのことで、中国のスマホ決済手段の一つ、アリペイが日本に進出するなどして、レジでスマートフォンをかざすだけで支払いができるというキャッシュレス化が日常となっています。

中国からの観光客が増える中、コンビニ各社は対応を急ピッチで進めてきました。アリペイの普及によって、日本のレジ周辺の風景もずいぶん変わってきたといえるでしょう。

その進出に後れを取るまいと、日本ではLINEが『LINE Pay』を導入し、コンビニやオンラインでのキャッシュレス化に取り組んでいます。

日本のキャッシュレス比率は世界と比べてどのくらい低いのか

そんなキャッシュレス化の波は全世界を駆け巡っていて、クレジット協会の発表によれば、日本のカード決済比率は2015年度の集計で民間の一般消費額が約300兆円に対し、クレジット消費は60兆円=約18%なのに対し、おとなり韓国では一般消費は80兆円に対して、クレジット消費がなんとその80%にあたる60兆円を越えており、アメリカにいたっては一般1300兆円に対しクレジット消費はその約50%の約600兆円にもなるそうです。

日本の約18%という数字は、韓国の80%やアメリカの約50%と比べると、大きな差があることが分かります。同じ先進国でも、これほどキャッシュレス化の浸透度に開きがあるのは興味深いところです。

また、日銀が調査した2016年末のアンケート調査資料によれば、日本においてスマホを持つ人でモバイル決済を利用している人は全体の約6%なのに対して、なんとケニアでは携帯加入者の約77%がモバイル決済を使っており、中国では過去3か月以内にモバイル決済を使ったことがあると答えた人が98%もいることが分かったそうです。

ケニアでスマホ決済が普及しているというのは意外に思う人も多いかもしれません。銀行口座を持たない人が多い地域でも、携帯電話さえあれば支払いができるモバイル決済は急速に広まったようです。

日本でキャッシュレス化が進みにくい理由

海外では単純に現金を持ち歩くと危険であることなどから、キャッシュレス化がどんどん進み、世界一安全な国ともいわれる日本では、そうであるがゆえにあまりキャッシュレス化が進んでいません。それでもなぜキャッシュレス化が世界的なグローバルスタンダードになっているのでしょうか。

それは、コンビニなどでの購入者に対しては、お金を出したりお釣りをもらったり釣り銭を数えたりするストレス増加に加えて、店舗側に対しても、開店する前に『つり銭の準備』をしたり、現金の盗難に備える必要があったり、常にレジの現金の金額を数えておくことなど大きな負担を強いられていると分析されています。

これらの負担を軽減することで、お客さんもお店もストレスフリーで生産性も増すのではないかと考えられるからなのだそうです。

特に昼休みの混雑時には、レジに長い列ができるコンビニも少なくありません。現金のやり取りに時間がかかることが、その列をさらに長くしている一因でもあるといえそうです。

ローソンの『セルフ決済サービス』はどんな仕組みか

ちなみに、今回のローソンでの『セルフ決済サービス』では、キャッシュレスな上に、レジに並ぶ必要もないものとなっています。

実証実験を始めているお店は都内の3店舗で(ローソン晴海トリトンスクエア店、ローソン大井店、ローソンゲートシティ大崎店)。

事前に『ローソンスマホペイ』というアプリをスマートフォンにダウンロードして決済手段を登録しておけば、店内でほしいものを手にとって商品のバーコードをスマホで読み取らせるだけで決済が完了します。

最後にスマホに表示されたQRコードを店内に設置された専用読み取り機にかざせば、レシートがスマホ内に表示されて購入完了します。つまりレジに並ぶことも通ることも必要ないまま商品が手に入れられるというわけです。

アプリの事前登録さえ済ませておけば、あとは商品を選んでバーコードを読み取るだけという手軽さです。慣れてしまえば、買い物の流れがまるで変わるでしょう。

ただし、実証実験中のサービスのため、対応店舗は現時点では限られています。今後どこまで広がるかは、この実験の結果次第といえそうです。

これなら、お客さんはお昼どきの混雑時にいらいらしながらレジに並ぶ必要もなく、店舗側は空いた労力を商品開発や商品の入れ替えなどの時間にかけられるようになり、さまざまな効果が出そうな予感がしますね。


[文・構成 土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

AIの活用止まらず、コンビニ店舗をAIで丸ごと監視からきゅうりの見分け機までNECがコンビニなどで利用できる、人工知能(AI)を活用した遠隔監視サービスの提供を始めたと発表がありました。

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出典
共同通信プレスリリース日本のクレジット統計(2016年、平成28年度)諸外国のキャッシュレス (カード決済) に関する統計(2014年、平成26年度)モバイル決済の現状と課題 - 日本銀行(2017/06)ローソン ニュースリリース

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