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ローマ教皇38年ぶりに来日 被爆地での核廃絶スピーチに多くの人が心打たれる

By - grape編集部  公開:  更新:

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ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が2019年11月23日に来日。実に38年ぶりの来日となります。

フランシスコ教皇は2018年に、ジョー・オダネル氏が1945年に撮影した『焼き場に立つ少年』の写真を配布するように指示していました。

戦争のない平和な世界を訴え続けていたフランシスコ教皇。

同月24日に長崎県と広島県でおこなったスピーチでも『核なき世界』を強く願いました。

フランシスコ教皇「戦争のために原子力は犯罪以外の何ものでもない」

悪天候の中で行われたフランシスコ教皇のスピーチ。

広島では、戦争のために原子力を使用することについて、このように訴えました。

確信をもって、あらためて申し上げます。戦争のために原子力を使用することは、現代において、犯罪以外の何ものでもありません。

人類とその尊厳に反するだけでなく、わたしたちの共通の家の未来におけるあらゆる可能性に反します。

原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の所有は、それ自体が倫理に反しています。

カトリック中央協議会 ーより引用

核の保有が認められている国はアメリカをはじめとした5か国。

しかし、核拡散防止条約に認められていないにもかかわらず核を保有している国もあります。

フランシスコ教皇はさらに、3つの倫理的命令が平和となる道を切り開くとスピーチしました。

思い出し、ともに歩み、守ること。この三つは、倫理的命令です。これらは、まさにここ広島において、よりいっそう強く、より普遍的な意味をもちます。

この三つには、平和となる道を切り開く力があります。したがって、現在と将来の世代が、ここで起きた出来事を忘れるようなことがあってはなりません。

記憶は、より正義にかない、いっそう兄弟愛にあふれる将来を築くための、保証であり起爆剤なのです。

すべての人の良心を目覚めさせられる、広がる力のある記憶です。わけても国々の運命に対し、今、特別な役割を負っているかたがたの良心に訴えるはずです。

これからの世代に向かって、言い続ける助けとなる記憶です。二度と繰り返しません、と。

カトリック中央協議会 ーより引用

「戦争の恐ろしさを後世に語り継ぐことが平和へつながる道である」と述べたフランシスコ教皇。

そして、核廃絶を訴え世界平和を願いました。

神に向かい、すべての善意の人に向かい、一つの願いとして、原爆と核実験とあらゆる紛争のすべての犠牲者の名によって、心から声を合わせて叫びましょう。

戦争はもういらない! 兵器の轟音はもういらない! こんな苦しみはもういらない! と。わたしたちの時代に、わたしたちのいるこの世界に、平和が来ますように。

カトリック中央協議会 ーより引用

また、長崎でも「核兵器から解放された平和な世界。それは、あらゆる場所で数え切れないほどの人が熱望していることです。この理想を実現するには、すべての人の参加が必要です」とコメント。

フランシスコ教皇のスピーチは、たくさんの人に届いていました。

・トップの人がこのようにメッセージを送ってくれることはとてもありがたい。

・本当にその通りだと思います。平和に向けて動くきっかけになってほしい。

・被爆地でスピーチするからこそ強く訴えられると思う。

世界には核兵器が1万基以上あるとされています。その中には、まだ核兵器の開発を進めているといわれる国も。

原子力や核でなんの罪もない人々の命が奪われることなく、フランシスコ教皇のスピーチから平和な世界へつながることを願います。


[文・構成/grape編集部]

出典
カトリック中央協議会

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