自宅で切り花を楽しむには? プロから聞いた『育て方のコツ』が、ためになる
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新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の流行にともない、私たちの生活は一変しました。
人との接触を避けるために、複数の企業がテレワークを導入したことで、自宅で仕事をしている人も多いでしょう。
しかし、1日中同じ部屋にいると、変わりばえのない景色に飽きてきますよね。人によっては、ずっと自宅で過ごすことでオンとオフの切り替えがしづらく、ストレスがたまる場合も…。
部屋の中に花や観葉植物を飾ってみると、ちょっとした心の癒しを得られるかもしれません。
※写真はイメージ
花を飾ってみたい!プロに『育て方のコツ』を聞いてみた
在宅勤務中の、ささやかな心の癒しを求めて、花を飾ることにした30代の筆者。
花のある暮らしに憧れはあったものの、3日ほどで鉢植えをダメにした経験を持つため、「ズボラな自分にとって花を育てるのは、ハードルが高いのではないか…」という不安から、ずっと手を出せずにいました。
それでも、コロナ禍で暗い気持ちになりがちな今こそ、ささやかな癒しが欲しい。
そんな思いに突き動かされて、町の生花店を営むプロの方を頼ることにしました!
ご協力いただいたのは、神奈川県横浜市にある『デルフィ&フラワーアオキ』。50年の歴史を持つフラワーショップです。
『デルフィ&フラワーアオキ』の外観
洋風でおしゃれな外観に引き寄せられるようにして、店舗の中へ行くと…色とりどりの美しい花が一斉にお出迎えしてくれます。
出迎えてくれたのは、気さくな人柄が魅力な漆原(うるしばら)店長です。花の選び方から育て方の簡単なコツまで、いろいろとお話をうかがいました!
――鉢植えと、切り花、観葉植物の中で、一番初心者向けなのは?
一番簡単という点でいえば、水やりのいらない多肉植物。
でも、店にある花っていうのは、その季節に応じた種類が並んでいるから…厳密にいうと「育てやすい」っていうのはないんだよ。
花を育てるうえで、とにかく大事なのは置き場所と水やりだね。
漆原店長いわく、生花店などで売られている花は、その時期に合った育てやすい種類が並んでいるため、どれを選んでも、ある程度は問題なく花を咲かせることができるといいます。
ただし、そこで大切なのは花の置き場所と水やりの方法だというのです。
――花の置き場所で最適なのは?
置き場所は本当に重要。なんでかというと、たいていの花が乾燥に弱いから。自然の暖かさはともかく、暖房器具の暖かさに花はやられてしまう。花の種類にもよるけど、例えばシクラメンとかは、乾燥に弱いね。
観葉植物は丈夫だけど、風通しがいいところに置かないと傷みやすい。
逆に、乾燥に強いのは多肉植物とか、冬だとポインセチアぐらいかな。
一概にはいえませんが、たいていの花が乾燥に弱いため、暖房器具などによる人工的な暖かさは花の寿命を縮めることになるのだとか。
鉢植えと切り花の場合、日持ちさせたいのであれば、それぞれ以下の点に注意して置くと、いいそうですよ!
もう1つのポイントである水やりについてです。鉢植えであれば、基本的には「土が乾いたタイミングで、たっぷりの水を与える」というのが一般的ですが、花の種類や季節によっても左右されるため、こまめに花の状態を確認しながら水を与えることが必要です。
切り花の場合は、だいたい1日に1回花瓶の水を替えたらいいので、地道な作業が苦手な人でもチャレンジしやすいでしょう。
花に虫がわくのが苦手!そんな人にオススメなのは…
花を育てるにあたって、もう1つ気になるのは虫がわく問題。虫が大嫌いな筆者が、漆原店長に「虫がわいてくるような状況は避けたい」と相談すると…。
虫がわいてくるとしたら、風通しの問題だね。鉢植えとかだと、もともと土の中にいたものが出てくる場合もあるし、多少は仕方がないよ。
虫が嫌なお客さんは、たいてい切り花を購入しているよ。
鉢植えに虫がわいた時の対処方法は、温かい季節であればしばらく外に置くことです。通年でできる対処方法としては、新しい土に植え替えたり、専用の殺菌剤などを使ったりしましょう。
筆者は虫問題に悩まされたくなかったため、お家に連れて帰るのは切り花にすることにします!
2021年2月現在、オススメの切り花を尋ねたところ、「日持ちするのはカーネーション、トルコキキョウ、ユリ。季節を感じるならチューリップ、スイートピー、アネモネ」とアドバイスされます。
「できる限り日持ちさせたい…」と思い悩んでいた筆者の心を動かしたのは、漆原店長のこんなひと言。
どう考えるかだよね。日持ちのいい花を買って長く楽しむのか、それとも、自分が好きな花に癒されたくて買うのか。
「選ぶ本人が、花を飾ることで何を得たいのか」が一番大切だと教わった筆者は、在宅勤務中のちょっとした心の癒しを求めていたことを思い出し、季節の花であるピンクのチューリップを選ぶことにしました!