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「初めての生理、お祝いした?」 海外6か国の女性に聞いてみた

By - 伊藤ゆい  公開:  更新:

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4.学校で生理について学んだ?

日本の学校では保健体育の授業で、成長期の身体の変化について学びます。

現在30代の筆者は小学生の頃、男子とクラスを別にして生理に関する授業を受けた記憶がありますが、近年は男女一緒に学ばせる学校も増えているとか。

学校で生理について教えてもらう機会があるのか聞いてみると、国によってさまざまなケースがあることが分かりました。

リサ(マレーシア)

生理について勉強したけど男女別だったと思います。マレーシアはイスラム教徒が多いのですが、宗教上、結婚前の性行為を認めていないので『性教育』という枠ではなく、『生物学』のクラスで勉強しました。
授業では生理について学ぶ以外に、妊娠から出産までのビデオを見せられて怖い思いをした記憶があります…。あえて怖いシーンを見せてトラウマにさせることで、結婚前に性行為をさせないようにする意図があったんじゃないかな。

マリア(スペイン)

男女一緒に『性教育』の授業で学びました。ただ、内容はあんまり覚えていないです。

アドラ(イギリス)

イギリスでは生理について『性教育』の授業で男女一緒に学ぶ機会があります。イギリスは10代の妊娠や出産が社会的な問題になっているので、避妊のための勉強もしっかりとやっていました
私はイギリスの社会で育ったけど、インド人の文化の中では、「血は汚いもの」って思われています。なので生理中は家の中に入れてもらえない女性がたくさんいるんです。寺院にも入れてもらえません。近年のインドでは、そういった考え方を変えようという動きもあります。

ジアン(韓国)

小学生の時に男子と一緒に勉強をした覚えがあります。「生理用品をオムツみたい」と、男子たちがからかっていた記憶が…。ただ、学んだことが頭に入っていないというか。どんなことを勉強したのかよく覚えていないし、生理がなんできたのかとか、結局よく分かっていなかったです。

メリエム(トルコ)

トルコでは、学校が生理について教えるわけではなく、生理用品を売っている会社が学校をまわって、高学年の女子生徒にレクチャーしています。無料でお試し用の商品を配っているんですよ。この時、男子はいないです。レクチャーが終わってクラスに戻った時にからかわれた記憶があります。
この時に学ぶのは生理の話だけで、避妊、性病などの話には触れません。

ラーラ(ブラジル)

男女一緒に生理について学びました。その時、男の子たちは笑っていたかな。そういうふうに笑われるから、女の子たちが余計に恥ずかしくなってしまうんですよね。

『性教育』という授業の枠が設けられている国もあれば、『生物学』で学んだり、企業が学校をまわって教えたりなど、生理を学ぶ経緯はさまざま!

インドのように、生理自体がタブー視され、日常生活にまでそういった風潮が及ぶ例もあります。

避妊や妊娠に関する情報の伝え方も、宗教や社会的な課題を背景に異なっているようです。

男女一緒に学ぶ国もあれば、女子生徒だけに教える国も。ただ男子がからかってくるのは、どこも同じですね…。

5.おすすめの生理用品

近年、欧米を中心に環境への配慮から『月経カップ』など、ゴミの出ない新しいタイプの生理用品が注目を集めています。

日本でもタンポンの代わりに、試してみる人が増えているそうです。

※写真はイメージ

ブラジル人のラーラさんは、ナプキン不要型の生理用パンツをおすすめしてくれました。

通常、生理用のパンツにナプキンを付けて使用しますが、こちらは、経血を吸収する機能が付いているので、ナプキンが要らないといいます。

着心地は普通のパンツと同じで、ナプキンのむれや不快感を感じず、とても快適とのこと。

使用後は、バケツに入れた水に浸け置きしておくと、経血が流れ出るのでそれを絞って洗えば、何度でも使用可能です。

ちなみにラーラさんは『経血の再利用』もしているとか…!

ラーラ(ブラジル)

浸け置きしておいた水を捨てずにプラントの土にあげると、すごいきれいに育つんですよ!ブラジルでは『プランティング・オブ・ザ・ムーン』なんていわれているんです。すごいきれいな緑になるからおすすめ!

筆者はかなり驚きましたが、「要は自然に還るってことでしょ」とからりと笑っていた、ラーラさん。

日本では、トイレにある使用済ナプキンを入れるゴミ箱を、『汚物入れ』というなど『経血=汚物』と一般的にはとらえられています。

経血も自然の一部として利用するとは、大らかでユニークな感覚だなと思いました。

ナプキン不要型の生理用パンツは、日本でも『LAQREE パンツ』や『comfits』といった商品や、アパレルブランドのGUから『トリプルガードショーツ』などが販売されているので、興味のある人は調べてみてください!

経験をシェアすることで、生理への理解が深まる

近年、ジェンダー平等といった観点から生理の理解促進に取り組む動きが、世界中で高まっています。

多くの女性が経験する身近な事柄にも関わらず、表立って語ることをタブー視されてきた、生理。

今回、6か国の女性に生理についていろいろと答えてもらいましたが、日本と似ている部分が多いと感じる一方で、宗教や文化的な背景によって生理にまつわる体験や社会のスタンスがまったく異なることもあり、とても新鮮でした。

国や宗教、文化を越えてオープンに語り合うことで、これまで常識だと思っていた価値観が大きく変わることもあるでしょう。

生理にともなう症状や悩みは人それぞれ。自分の経験を周囲の人とシェアすることで、結果的に生理をめぐる環境や不平等の改善につながるのではないでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

出典
@gu_global

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